東京✈️福岡。 移住で備えておきたいこと
東京から福岡に移住して1年半が経ちました。
もう東京に戻れないと思うくらい住み心地よく、これまでになかった変化と刺激を感じています。
そのあたりは前回の note に記させて頂きました。
長所があれば短所もあるものです。
今回は東京と比べたときに何が違いどんな備えが必要になるか、挙げてみたいと思います。
仕事環境の変化に備える
東京と福岡で、やはり仕事環境は変わります。
東京に居た頃は、周りには数年単位で転職を繰り返しながら人事やマーケティング、エンジニアリングといった自身の専門性を磨き上げていく方が多い印象でしたが、キャリア形成だけを考えると東京の方が有利です。
東京と福岡では経済圏の大きさ、性質、集積されている企業の規模、数が違い、そこで生じる人的な需要も違います。
企業のタイプも、コンサルティング、インターネット系のような全国にクライアントを持つ会社、高度人材を求める会社は首都圏に集まりがちです。
他分野でも本社機能を東京に集約する企業は多く、商品開発や企画、事業開発、経営といった事業活動は本社機能に付帯するので東京に集まる求人の厚みが増します。
これはアジアでも屈指の競争力を持つ東京だからこそと言えます。
福岡も都市開発を進めてオフィス面積を広げ、スタートアップ支援にも力を入れていますが、高度人材の奪い合いや国際的に事業を展開する企業の誘致といった視点で見るとやはり東京は図抜けています。
事前に調べる
その福岡で同じように転職しようと思うと、候補の数は限られてきます。
実際に転職サイトを使って調べてみるのがおすすめです。
本気で転職先を探す気持ちで、カルチャーやミッション、事業はどうか、自分のキャリア形成に組み込めるか等々、評価しつつ見るのがよいでしょう。
ちなみに報酬面はどうでしょうか。
福岡の市民雇用者報酬は 484万円で同令和二年度の東京の 577万円と比べると 100万円程度の開きがあります。
(雇用者報酬は税、社会保険料を含む)
街中の様子を見ていると趣味や余暇にお金を使う人は多く賑わっています。
福岡の方が生活コストは下がるため雇用者報酬で 100万円程度の差は十分に埋め合わされてそうです。
リモートワークを活用しよう
リモートワークで仕事をしているなら、首都圏やグローバルの報酬水準で稼いで福岡で暮らすというのは最高の選択のひとつになります。
但し転職先もリモートワーク可能な企業に限られます。
実際に候補となる会社をあらかじめ選んでおくとよいでしょう。
キャリアデザインを変えよう
せっかく東京ではない土地を選ぶなら、だからこそできるキャリアに挑戦するのも素晴らしい選択です。
福岡で面白いのは街中で出会う人の結構な割合が、自分で事業を営まれていることです。
小売店や副業的なもの、収入の伴うアーティスト活動など、大きさは様々ですが、自分の事業を持たれている方が一定割合いらっしゃいます。
体感値でいえば、大体二割強でしょうか。
街中で話を聞いていると 10人中 2, 3人は自営業的な活動を持たれています。
個人資金で建てられた醸造所、土曜の午前だけ開くコーヒーショップ、
間借り居酒屋、間借り専門の燗酒師、マンションの一室を使ったワインショップ等々、内容も豊かです。
なぜこんな多彩な事業が溢れているのか。
そのひとつの理由は、生活コストの軽さでしょう。
前回お話したように福岡はコンパクトで郊外に住居を移しやすく、利便性を保ったまま家賃を大きく下げることができます。
自分のステージと選択に合わせて生活コストを調整し易い環境と言えるでしょう。
もうひとつは挑戦のし易さです。
福岡の街中には余白が多く、事務所やお店を比較的低コストで構えることができます。
街の中心部、人気のエリアであっても大規模な建て替えをせず、古い雑居ビルやアパートをリノベして小売店を入れているような場所が幾つもあるのが印象的です。
街の雰囲気も若い世代が多く活気に溢れており、経済活動も盛んな印象があります。
周囲に挑戦している人が多いと自分も刺激を受けるものです。
副業として起業するのも福岡であればよりやりやすいでしょう。
やりたいことがある方、見つけたい方に福岡はお勧めの街だと感じます。
住宅事情に備える
さて、福岡の住宅事情も異なります。
都内と違い 50平米以上、2L、3L も比較的安価に借りることができます。
ファミリー層にとっては嬉しい違いですね。
一方で賃貸契約に関しては商習慣の古さを感じます。
条件のよい住宅は礼敷4ヶ月も珍しくなく、また保証会社を使っても重ねて保証人を要求されるケースもしばしばです。
電鉄系の会社が供給している住宅の賃貸契約であってもそれなので他は推して知るべしでしょう。
街中では保証人不要、礼式ゼロといった表示も見るので時間をかけて選べば選択肢も広がるでしょう。
また UR 物件も多いので、URもおすすめです。
時期にも気をつけましょう。
福岡は転勤での出入りが多いため 4、5月の住宅は払底しています。
またエアコン無しの賃貸物件が普通にあります。
礼式、エアコン有無に気をつけていないと初期費用が跳ね上がります。
ご注意ください。
ガスに関して、都市ガス物件は当たればラッキーくらいに考えましょう。
プロパンは普及していますが、オール電化が無難な選択です。
福岡でよく使われている検索サイトは ふれんず です。
土地勘がなければ清川、薬院辺りは住んで外れはなく、その辺りで物件検索されてみるのが良いでしょう。
東京でいうところのR不動産的な センスのよい物件を紹介する Instagram アカウントもあり、のんびり眺めるのもお勧めです。
福岡のここが住みづらい
代々木、品川、蒲田、渋谷、
東京でも色々な場所に住んで来ましたが、それと比べても福岡は魅力的で住みよい街です。
それでもここは住みづらいという点を、あえて重箱の角をつついて挙げてみます。
インフラが厳しい
インフラは東京が圧倒的に整っています。
福岡は狭い道が多く、人、自転車、車で混み合うポイントもあります。
また路面が荒れ気味で、特に自転車は注意が必要です。
東京でコケたことはありませんでしたが、福岡ではクラックにタイヤを取られ既に三回コケました。骨も折っています。
また夜が暗い。
街灯が少なく夜はどこも暗めです。
その割に福岡は皆夜遅くまで飲みがち、お店も開いているのですが、街の暗さと非対称であるのが不思議です。
銀行は、中心部には都市銀行もありますが、メジャーなのは地銀です。
私はオンラインサービスを使い、現金はコンビニ ATM で間に合っています。
インフラの困りごとはこれくらいです。
医者、公共設備に関しては不自由を感じたことはなく、移動時間や混雑が少ない分、東京よりも使い心地は良いかも知れません。
煙草が厳しい
非喫煙者は注意が必要です。
年配世代だけでなく若年層もよく煙草を吸います。
街中を移動していると結構な確率で副流煙を浴びます。
店内喫煙を認めている飲食店も多く、数少ない福岡の残念ごとのひとつです。
福岡も国際都市を目指すのであれば、時代の流れを汲んで受動喫煙制限はもっと進めて欲しい、そう思うくらいにはストレスがあります。
食生活のここが厳しい
ラーメン好きは、東京を離れないでください。
豚骨ラーメンこそ様々な店があるのですが、非豚骨系は東京が圧倒的な先進国です。
他の飲食に関して言えば多少の長短はありますが、概ね福岡はとても優秀です。
美味しい店が多く、特に中価格帯のお店が充実しており、こんなにあってよく潰れないなと思うくらい様々なお店が近距離に溢れています。
このあたりは前回お伝えしたとおりです。
また note を使って今後も分厚くお伝えしていきたいと思います。
福岡は修羅の国か
移住前によく聞いたのが「福岡は修羅の国」というキャッチフレーズ。
実際にヤンチャな雰囲気の人にもそこそこ遭遇します。
街中だけでなく、熊本阿蘇をドライブ中に数十台規模の珍走集団に遭遇したり、久留米からの高速でイカツめの二輪集団に遭遇したこともあります。
距離を置いていれば安全です。
人に関していえば福岡はとてもオープン、フレンドリーです。
街中で隣り合えば声が掛かりますし掛けやすい。
一人飲みされている方もよく街中で見かけ、自然と迎え入れてくれるので街全体が緩い知り合い同士といった雰囲気があります。
女性の一人飲みも珍しくありません。
この懐の広さと温かさは福岡で飲み歩いてみると実感できます。
私も一人飲みがこんなに楽しくなったのは福岡に移住して以来です。
総論
福岡、素晴らしい街です。
住むなら福岡、旅なら東京と言われた方が居ましたが、私もその意見に首肯します。
私は「どうせダメなら戻ればよい」くらいの感覚で移り住んでみました。
美味しいごはんとお酒に重きを置いているなら、福岡移住は後悔無いでしょう。
気をつけて欲しいのは仕事については一定の戦略か覚悟を持っておくこと。
ただ、ダメなら戻れば良いのです。
住宅事情と初期費用にも注意です。
時間なく急いでいるとこのあたりは跳ねがちです。
迷われている方は Airbnb を使って数週間暮らしてみるのもよいでしょう。
生活の質の高さ、街の雰囲気がわかります。
福岡で、あなたの移住をお待ちしています。