ワンピース考察:サボの夢と夢の果てと夢のキッカケ
このシーン、ちょっと話の流れに違和感ありますよね。
単純にルフィが夢の果てをみんなに伝えるという流れを作るために少し苦しいけどこの展開にしたのかなぁ。
と、思っていたんですけど、それにしても変だな...とすごい気になったので記事にする事にしました。
"サボは(コブラ殺害の)犯人じゃねえよ"
"サボは窮屈な家で育ったからみんなを自由にしてぇだけなんだ"
"広い世界をみて俺(サボ)はそれを伝える本を書きたい"
これ全然話繋がってないですよね・・・?
みんなを自由にしたいからコブラを殺した。
って理屈としては全然あり得る話じゃないですか?
サボは犯人じゃない、(なぜなら)サボはみんなを自由にしたいだけだから。
って「?」じゃないです?
ここで強引にぶち込んできたのは、コレがサボの夢の果てだからなんだとは思うんですよ。
つまり
サボの夢の果て="みんなを自由にしたい"
サボの夢="広い世界をみて本を書きたい"
という事なんだろうと思うのですが、こうして並べるとこっちはこっちで不自然感ありますよね??
過去編で以前にサボの夢が出てきた時は
"オレたち"が、自由になりたい。
自由になったら、広い世界をみてそれを伝える本を書きたい。
という文脈だったので違和感なかったんです。
本を書くのがゴールで、取材として広い世界を見て回りたくて、そのために海に出て自由になりたい。
コレはわかります。
でもみんなを自由にするために、本を書きたい。
って一見つながらなくないですか?
サボの書きたい本=ガリバー旅行記
小人の国や巨人の国などワンピースにガリバー旅行記オマージュが見られるのは有名な話ですが、そうじゃなくてもシンプルに過去編のサボの台詞から一番連想しやすいのはガリバー旅行記だと思うんです。東方見聞録とかも当てはまりそうですが、少年の夢という点も合わせて、ここでサボがイメージしている書きたい本はガリバー旅行記みたいな本なんですよ。
ガリバー旅行記がみんなを自由にする??
上の段落を読んだ人は「だから?」って思いましたよね笑
サバの書きたい本がガリバー旅行記だとして、それがなんでみんなを自由にするんだ?
と。
結局同じ話やん。
そう思った人もいると思います笑
でもこう考えてみてください。
尾田先生がガリバー旅行記を読んで自由になったんじゃね?
と。
文脈がつながらないのはサボの中で自明の事として
"ドキドキワクワクするような冒険譚を読めばみんは自由になりたくなるから''
という部分が省略されてるんですよ。
この圧倒的なエンタメへの信頼感を前提にしている、と捉えると、サボの夢は綺麗につながります。
みんなを自由にしたい
そのためにドキドキワクワクする本を書く
そのために広い世界を見てまわろう
そのために海賊になろう
という話なんですよね。
サボが省略するぐらい自明の事として取り扱えるのは、サボ自身がきっとそうだったんですよ。
貴族の子供として窮屈な思いをしていたサボが、ゴミ山で暮らすようになったキッカケは作中で描写されていませんが、誰かの冒険譚を読んだからなんじゃないでしょうか(もしかしたらノーランドの本かもしれませんね)
そしてその原型は尾田先生自身の体験なんじゃないでしょうか?
ガリバー旅行記そのものもそうでしょうし、子供の頃好きだった、憧れたエンタメが、尾田先生を自由にしたし、自由に憧れさせた。
その経験がなければこの設定にはならないと思うんですよ。
そしてこの部分って僕が思うワンピースの正体にも繋がっていくような気がします。
ワンピースはエンタメ讃歌になる!
といったあたりで本日は締めさせていただきます!
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