【ミルグラム考察】囚人番号007 カズイ(第二審時点)
⚪︎カズイの罪
カズイの罪は、彼が嘘をつき続けるのを辞めたため、妻に精神的苦痛を与え自殺させてしまった、ということです。
非常に抽象的ですね。
第一審のMV『half』を一見した感じ、カズイは不倫したのではないかという予想が立ちますが、カズイ曰く「不貞にすらならなかったよ」とのことでした。
それでは、カズイのついた嘘とはなんだったのでしょうか?
そして、なぜ嘘をついたから死なせたのではなく、嘘をつき続けるのを辞めたら死なせてしまった、と表現するのでしょうか?
そのことについて、今から考えていきたいと思います。
⚪︎カズイのつき続けてきた嘘とは
第二審の曲『Cat』に対し、ミルグラムの制作者はこうコメントしています。
ところで、同性愛者の中では、ネコ(猫)はセックス時に女役を担う人のことを言いますね。
……と、いうわけで。
カズイのつき続けてきた嘘とは、「普通の人間であること」。
そして、隠していた真実は「同性が好き」だということです。
そして、MVの描写から、青リンゴで表現されているカズイの好きな相手は、カズイの通う「バーのマスター」だと考えられます。
このことについては、解説するよりも今出ている2つのMVを見てもらった方が早いと思いますので、一度ご自身の目で確かめてください。
※歌詞を表示しながら見ると、なんとなく察するものがあるかなと思います。
【第一審MV】
【第二審MV】
さて、カズイは尋問の際、幼馴染の話を度々出していました。
ボイスドラマでは、「小さい頃から自分の胸のうちなんて語ったことがない」と発言しています。
そして、バーのマスターがカズイの結婚式に参列していたことなども考えると、バーのマスターはカズイの幼馴染であるとも予想されます。
カズイは、ずっと前から幼馴染の男性のことが好きだったものの、男は女と恋愛して結婚すべし、などの時代的・家庭的な抑圧からその想いを隠し、今の妻と生活を送っていた……ということになります。
⚪︎妻の自殺理由
カズイは、男性が好きであるにも関わらず、別の女性に求婚して結婚しました。
そして、結婚した妻と良好な関係を保ち幾数年、おそらく何らかのきっかけがあり、自分の嘘、同性が好きだということを妻に打ち明けました。
ボイスドラマで、エスが「馬鹿にしている」と言った時、カズイは「そう思ったんだろうさ、妻もね」と返しています。
結婚してから何年も経つ状況で、実は結婚する前から同性愛者だと告げられた妻。
その告白に「馬鹿にしている」と憤った妻は、その他色々な感情も相まって、耐えきれずにそのまま自殺したのだと考えられます。
ところで、カズイには子供がいないようですが、カズイは尋問で、家族にしたい囚人にアマネを挙げて「うちの家庭には子供が一番縁遠かったからさ」と述べています。
子供は絶対にいらない派だ、というわけではなさそうですし、自分が原因で子供ができないのなら、このような回答の仕方にもならなさそうです。仮にカズイが不能なら、それを理由に自分は結婚しないのだ、と周りに納得させることもできたはずですので。
そのため、カズイに子供がいない原因は、カズイではなく、カズイの妻の方にあったのではないかな、と思います。
例えば、カズイの妻は子供を産めない身体の持ち主だった、というような。
もしそうであった場合は、カズイの妻は「子供を産めない自分をわざわざ選んで愛してくれた」という喜びから一転、「自分はただ隠れ蓑にされていただけで別に(性愛的に)愛されているわけではなかった」という落胆を味わったのかもしれませんね。
あくまで仮定ですので実際どうなのかは分かりませんが、その時に感じた絶望が、自殺理由の1つとなった可能性もあり得ます。
⚪︎妻の自殺方法
MVで度々身投げの描写があることから、カズイの妻は飛び降り自殺をしたと思われます。
第一審のMVでは、妻らしき影の横で薄い何かがひらめいているのが見えます。これをカーテンと考えると、飛び降りをした場所は自宅のベランダでしょうか?
エスの曲「アンダーカバー」では、カズイが住宅地周辺の路地で死体らしきものを持って座り込んでいる様子が描写されています。
その面からも、カズイの妻は自宅のベランダから身投げしたのだと考えられます。
また、先ほどの第一審のMVでは、妻がベランダの前に立っている様子と、そこから消えた様子が描かれていました。
自殺前後の描写がハッキリなされていることから、カズイの妻は、カズイの目の前で自殺をしたのではないかと予想します。
⚪︎なぜ、今になって妻に打ち明けたのか
ここからは根拠のない憶測です。話半分で聞いてください。
カズイは、第一審では好きな人への脈がないことを歌っていましたが、第二審では期待するような描写が増えていました。
なぜ、今になって妻に本当のことを打ち明けたのか。
その理由を現在提示されている情報だけで推測するなら……第二審の曲中で歌っていた「もしお前のこと好きって言ったら、どうする?」に対して、バーのマスターが好意的な回答をしたから、などでしょうか?
その答えは好意的とは言えど、軽口のようなもので、やはり脈はないものだったのでしょう。
でも、無理と気づいていても期待してしまったカズイは、バーのマスターにより近づきたい(告白したい?)と思い、まずは妻に打ち明けた(MV中に指輪を外す描写があったので、もしかしたら離婚も切り出した?)とかなのかなぁ……? ってなんとなく思います。根拠はゼロです。
そのほかの理由としては、こちらも根拠がゼロですが、バーのマスターが離婚した、なども考えられるかなと思います。
⚪︎まとめ
カズイは、第一審ではポエミーに、第二審では露悪的に自分をMVで描写してきました。
幼少期からずっと嘘をつき続けてきたカズイは、もう自分ではその生き方を変えられないようです。彼の生き方を変えさせるためには、ミルグラムの赦しが必要なのかもしれませんね。
さて、この文章を書いている時点では、カズイの第二審の判決はまだ確定していません。
現時点では「赦す」が多いですが、「赦すであれば襲撃者を止める」という、人狼ゲームでいう狩人的な要素があるにも関わらず、さほど票差が開いていないところを見ると、その要素を抜いた皆の評価は意外と「赦さない」に傾いていたりするのかな、と思ったりもします。
ミルグラムはカズイを「赦す」のか「赦さない」のか。とても楽しみです。
⚪︎追記:「解説するより一度MVを見た方が早い」について、自分でもMVを見て感想を言ってみた
この文章中で、「解説するよりも今出ている2つのMVを見てもらった方が早い」と言った部分(カズイの同性愛者説)について、さすがに説明をぶん投げ過ぎたなと思ったので、第二審の曲のみではありますが、自分でもMVを見て感想を書いてみました。
この文章よりも口調が砕けていたり、書いている人の思想が透けていたりしても大丈夫だよ! という方は、よろしければこちら↓もどうぞ。
(この文章に書いたことと同じことしか言っていないので、ここで読むのをやめていただいても結構です。ここまでお読みいただき誠にありがとうございました!)