人参を食べるは立派な成功体験です。
修学旅行1日目の晩御飯、子供たちが大広間で食べいる間、私は学校側からの配慮で部屋食という、何とも贅沢な時間を過ごしていた。
ハンバーグやエビフライがメインという子供たちと同じ内容のものだったけど、一つ一つがとても美味しくて、何だか感動した。
私は食べ物の好き嫌いが多く、いつもホテルや旅館で準備された食事は、好きなものしか食べない。
ただ、一人分だけ部屋に運んでもらうというお気遣いを思った時に、残すのはちょっと失礼かな?と思ってみる。
それに、そもそも、ぴぃがみんなとご飯を食べてるんだと思っただけで、もう胸がいっぱいすぎて、食欲があまりない。
とりあえず食べれるだけ食べよう。
ただ、これだけは無理だと思ったもの、それは、ハンバーグに添えてあった人参グラッセ2つと、煮物にあった赤ちゃんの拳ぐらいある大きな人参。
人参は食べられないわけではないけど、「人参です!!」という主張の強い大きさのものは食べられない。
っていう子供のような食わず嫌いがある。
残してはダメだ、食べなきゃ、って思っても食べる前に嗚咽が出て無理だった。
食事を片付けに来てくれた仲居さんに、「子供みたいに残してごめんなさい。」と謝ると、「大丈夫ですよ〜」と笑顔で片付けてくれた。
この話をパパにすると、大人気ない!としっかり叱られた。
修学旅行から帰ってきてから、ぴぃが思い出話をたくさん聞かせてくれる。
ぴぃ「夜ご飯はほとんど食べたんだよ。五目ご飯も美味しかったし、かんぴょうの味噌汁も最高だった。それにハンバーグの横の人参も食べたんだよ!」
と、家では滅多に食べないものを食べたんだと誇らしげに教えてくれた。
・・・え、ちょっと待てよ、人参、食べたの??あの人参?
ぴぃも、主張の強い人参は絶対に食べない派。
いつも、小さく切ったり細く切ったりした人参しか食べないのに、あの人参も食べたの???
私「あの人参、2つあったでしょ?2つとも食べたの?」
ぴぃ「食べたよ。となりに座ってた〇〇ちゃんが、ぺろっと食べてたから、どうしよう・・・と思ってたらら、『その人参、味が独特だけど、すぐ飲み込んじゃえば大丈夫だよ』っていうから。めちゃくちゃまずかったけど食べた。」
私「すごい、ママは残しちゃったよ。」
ぴぃ「煮物の人参は一口は食べて残したけどね。」
私「すごい、一口は食べたんだ。」
そもそも、みんなとご飯を食べてるって思っただけで私は胸いっぱいだったのに、その中にもしっかり成功体験を積んでたんだな、すごいな。
修学旅行から帰ってきて一夜明けた今日もぴぃは、
「修学旅行、行けてよかった〜〜〜♪」
と噛み締めている。
その言葉を聞けただけでも私は感無量だし、ポツポツと出てくる思い出話を聞くのがとても楽しい。