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自分の絵が下手くそと言う不登校の娘、今が伸び時です!

ぴぃはよく女の子のイラストを描く。

紙にも描くけど、最近はiPadで『ibisPaint』というアプリを使って書いている。

レイヤーを何枚も使い、髪の毛の質や、目の輝きなど、一つ一つのパーツにこだわって描いている。

ペンシルを使えるのに、指がいいんだと言って指を使う。

私から見れば6年生とは思えない出来のイラストでも、ぴぃに言わせると、まだまだ全然下手くそで、家族以外にお見せできるものではないという。

ぴぃはいつも描きながら「この下手くそ!また下手くそ!全然下手くそ!」と言い、なかなか自信作と言えるものができない。

ぴぃ自身が納得いっていないものに対して、褒め続けるのも違うのかなと思うから、ただ何も言わず見守っていた。


ちょっと前に、ぴぃと行った本屋さんで、なんとなく前から気になっていた漫画を買った。

『ミステリと言う勿れ』

私のテーマである「整える」をまさに名前に持つ主人公が織りなす物語。

ぴぃにも主人公の名前が「整(ととのう)くん」ということは言ってあった。

ただのミステリー漫画と思いきや、箇所箇所で発せられる主人公の本質をついた内容のセリフが、いちいち泣けるほど刺さる。

今は興味のないぴぃにも、いつか読んでもらいたいなと思える作品。

数ある名ゼリフの中に、「自分には絵の才能がない」という1人の女の子に対して、

「自分が下手だってわかる時って、目が肥えてきた時なんですよ。本当に下手な時って下手なのもわからない。ゆがんでたり、間違ってたり、はみ出してても気がつかない。それに気づくのは上達してきたからなんです。だから、下手だと思った時こそ伸び時です。」

というセリフがあった。

ぴぃが自分の絵に下手だ下手だと言い続けること、それがまさに伸び時と知って妙に納得してしまった。

今日もぴぃは自分の絵に対して「下手くそ」と言っていた。

私「下手くそと思うのは上達してきた証拠。下手くそと思った時が成長のチャンス。」

と言うと、新感覚を覚えたようなぴぃの表情。

ただの受け売りだったから、偉そうに言ってしまった自分に違和感を感じ、

私「って、整くんが言ってたよ。」

と言ってしまう。

ぴぃ「なんだよw」

私「でも整くんが言ってる言葉=漫画家が言ってることだから、本質はついてると思うんだけど。」

ぴぃ「なんか聞いて損した気分」

と言われ、言わなきゃよかったと少し後悔。


ところがぴぃは先ほど、自分でも自信作と思えるイラストを一つ完成させて、嬉しそうに見せてくれた。

久しぶりにみるぴぃの自信作は、いつも通り才能を感じる素敵なイラストだった。

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