ワーキングホリデーでの出来事(10~21ヶ月目、サワードウブレッド職人になる)
人生ってほんと突然転機が訪れると実感してます。
チャンスなのかジャンクなのかは、自分で見定めないといけないですけど、苦しんだり、悩んだりした後、自分が決断したと思った矢先に、突然違った角度から転機が訪れたりするなと、僕がパン職人を目指して生活する今に至るまでの振り返りです。
そして今もなお悩んでいますが、その話は時が追いついてから。。。
大学の卒業旅行で出会って衝撃を受けた、ミートパイを作りたくて、オーストラリアに入国し、その夢を語るには準備不足で無理無茶無謀だったと絶望する体験をしたのちに、サワードウブレッド専門店でパン職人として生活がスタートするなんて、本当に思ってもなかったです。
タイミングが本当に良かったみたいでした。
なんで僕みたいな素人を採ってくれたのか聞きました。
店主に2人目のお子さんが生まれる直前に今まで働いてくれていた方が数名辞めてしまって、人手不足だったと。
そして、店主も腰がやれてしまった。大ピンチ。
今まで知り合い経由からでしか職人の採用はしていなかったそうですが、急に環境が激変したピンチで仕方なく、求人サイトで募集をしてみたようです。
そんな時にシドニーから連絡をして、突然来たのが僕だったそう。
もうひとつは、
パンを作りたくても作れない、今までのキャリアからではどうすること打開できない現実を受けていた自分が、昔の店主の体験にかすったようでした。
店主はパン職人になる前はプロを目指すサーファーでした。スポンサーをつくくらい、上手だったそうです。(一緒に海に入って、サーフィンを習ってみてもすごくうますぎでした。)
そんな店主、誰の目でもわかりやすい結果がわかる世界で仕事がしたいと思って、サーフィンで生活することから方向転換されてパンの世界に飛び込んだそうです。
「美味いか不味いか、それで売れるか売れないかの世界って面白くて言い訳できなくてわかりやすいじゃん」
と言っていたのを今でも忘れません。
ただ、職人を目指した店主も最初はどこも雇ってくれなかったそうです。
一軒一軒手当たり次第、相談して、やっと働けるパン屋を見つけたそうです。
その苦労が自分のシドニーで惨敗して心れていた気持ちと重なって、自分に手を差し伸べてくれました。
あとは、本当に働く人がいなかったとは思っています。誰でも良かった時にパン職人を目指す、適当そうでない日本人から連絡がきた。という感じでしょうw
いずれにしても、縁ってすごいなと思います。
ミートパイとかドーナツとか、なんとか言ってられない。
掴んだチャンスで俺はサワードウ職人になるんだ!
と、決意しました。
逆に何も知らないすっからかんの自分だったから、良かったとも思います。
自分が作るサワードウってなに?ってところからのスタートです。
カンパーニュとか固いパンの延長線だろうな。って程度でした。
作っていくうちに自分の先入観とは全く違う気持ちになっていきました。
サワードウで自分だけの世界を追求して、パンのキャリアだけで上下比べられることなく、自分だけの味を見つけて生きていけると感じました。
自分がパン屋で働いたことがなかったことも、良かったと思います。
店主のパン屋が最高のサワードウを作る環境と思えていたので、設備やスケジュールに疑問も感じずに、作り方を学び、興味を持って分からないことはたくさん聞いて、必死に食らいつくことができたと思います。
設備も、大きなミキサー、大きな作業台、大きなオーブン、そして大きな冷蔵庫。それ以外は備品。無駄なものが全てない環境でした。
そして、周りやすぐ世間体を気する自分の性格に、
店主
今でもお世話になっているお兄さん
配達のお姉さん
忙しい時だけ呼ばれてくるおじさん
自分合わせても5人だけの少数精鋭で働けたこともパン作りに集中できて、一気にハマった要因だと思います。
日が登る前に起きて、パン屋へ向かい、
酵母を起こして、
オーブンをつけて、
パンを焼いて、
パンをスライスして、
仕込みを始めて、
掃除して、
海に行く。
そんな1ヶ月前のシドニーでの生活が嘘みたいな生活が始まりました。
そしたら、あっという間に1年が経っていました。
1年が経って、店主が先に帰れる日を作れたり、自分1人でやれることが増えてきました。
ワーキングホリデーのVISAも残り僅かとなってきました。
欲がまた生まれました。
サワードウブレッドで生きていくと決めた自分、
違う世界(職場)も見てみたい。
と思うようになってきます。
人間のエゴってすごいですよね。。。というか、自分が飽き性というか、慌ただしい性格というのか、ほんと自分の気持ちをコントロールするのに苦労します。。。
帰国するのか、それともVISAを変えてでも現地の残るべきか、その考えを決めるには、もう1店舗、チャレンジしたいと思う気持ちが強く、店主に相談しました。
「いろんな店舗を見てみるのも、職人として良い勉強になるからチャレンジしてみな。」
と背中を押してくれました。
「ただ、うちの店がサワードウブレッドを焼き環境は間違いなく一番と感じると思うよ(ニヤリ)」とも。
そして、まさかのトントン拍子で次の世界に飛び込めることになります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?