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この恋は叶えない。/『考えないようにする』MV考察/乃木坂46/5期生


私は百合が好きです。

『考えないようにする』MV
百合好きとして見過ごすわけにはいきません。

という事で7時間かけて真面目に考察しました。


乃木坂×百合といえば
『ハルジオンが咲く頃』MVですが

・物語の舞台、女子寮を思わせるレトロな建物
・どこか明るそうではない"不穏な百合"


『考えないようにする』MVにも
通ずるものを感じます。


個人的に気になったシーンは

・それぞれの恋愛関係の結末
・内緒話をしている 瑛紗×美空
・どこか物憂げな 茉央×桜×アルノ
・奈央が葉を見て何かに気づくシーン
・形容し難い表情で1人振り返る 瑛紗
・奈央が振り返るとみんなが消えているシーン
・葉を合わせるシーン

等、でした

そんな彼女たちを巡る

『それぞれの恋愛』と『最終的な結末』を

MV描写から考察したのでご覧ください

(歌詞自体は完全にMVとリンクしているとは思いませんが、各ワード自体はMVの物語とリンクする部分もあると考えています。)

・物語の設定


『女子寮のある学校生活を彼女たちの恋愛』
女性同士の恋愛、いわゆる「百合」
という視点で考察しました


彼女たちは普段3つのグループ(いつメン)
に分かれて過ごしています


■かき氷グループ (咲月×アルノ×瑛紗)

■海辺グループ (和×桜×美空)

■散歩グループ (いろは×茉央×彩)

■ひとりで居る 奈央



・それぞれの恋愛



MV描写の中で恋心が垣間見えるペアもいますが
最終的には葉を合わせるシーンで
「誰が誰を好きなのか」の答え合わせをしています

MV終盤の葉を合わせるシーン

【奈央×和】
【アルノ×瑛紗】
【咲月×桜】
【美空×茉央】
【彩×いろは】

それでは、

それぞれの恋愛をペア毎に掘り下げていきます
まずMVを見ていて分かりやすいのは

【奈央→和】

ですね


和が奈央に「何を読んでいるの?」と話しかけるシーンは"2人が初めて話した日"だと思ってます


なので時系列的には1番最初のシーンであり
この物語の"前日譚"(エピソード0)
という解釈です

背景としては
入学式から少し経ってクラス内で
なんとなくグループが出来ているが
奈央は馴染めずに1人で居た。
そのことに和は気づいていて話しかけるタイミングを探していた。

そんなある日、
和が勇気を出して奈央に話しかけた。

そういうシーンだと思います。

和が話しかける前のぎこちなさから
緊張を感じるのと
問いかけに対して奈央が敬語で返しているのも
そう考えた理由です。

それを見ていた桜×美空は
なんの気無しに挨拶をしながら入ってきます。
(この時点で海辺グループは仲が良い)

その後ろを通り過ぎるのが
かき氷グループです。

この日をきっかけに
奈央は和のことが気になり始め
それと同時に『考えてしまう』ようになります。


(前日譚なのにその後の時系列と衣装が同じという部分については、前日譚用の衣装は用意できなかった。というメタで流します→それよりも2人の言動を優先した考え方)


2人の恋路には「立ち塞がる者」がいないので
順調ではありますが
「告白」はしていないものと考えてます。

和×奈央

実際の設定ではMVに映る10人のメンバー以外にもクラスメイトはたくさんいて、きっと高嶺の花であろう和は他の人からも人気。

人付き合いが苦手で浮いていた奈央からすると
"付き合う"なんてありえない
と思っている存在なので
奈央からのアプローチには時間がかかりそうですし、そんな奈央の気持ちに和が気づくのもまた先の話になりそう。と妄想しますが

このシーンを見るに
時間をかけてお互いの気持ちに気づき
惹かれあい「告白の手前」まできていると思います。


次に

【茉央→美空】
【桜→咲月】

ここからの恋路には「立ち塞がる者」が居るので
一筋縄ではいきません

そしてこの2組は
自分がいつもいるグループとは
別のグループの人を好きになったケースになります

茉央が好きな美空の隣には
海辺グループの2人 
(特に)桜がいる

さくみく

桜が好きな咲月の隣には
かき氷グループの2人 
(特に)瑛紗がいる

てれさつ


想っている人の隣にはいつも仲良しの子が居て
話しかけるきっかけすらも見つけることが難しい状況に2人は悩みます

超分かりやすく凹む茉央
ノスタルジックに凹む桜


そんな時、
手を差し伸べてくれて励ましてくれるのは
『いつも一緒にいる友達』です


同じようにして友達の手を取り
それぞれの方法で元気づけます

丘の上から叫ぶ
海に連れ出す


【茉央→美空】【桜→咲月】は
【奈央×和】とは別の理由で
恋が叶うのには時間がかかりそうな2組


美空の隣にいる桜は
美空に対して恋愛感情を持っているわけではないと思います。
友達として、親友としていつも一緒にいます。
(桜は咲月が好きなので)


もし、茉央が美空に告白してそれが叶ったとしても桜は一緒に喜んでくれるかもしれませんし、
大切な"親友"が誰かの"彼女"になってしまう寂しさで悲しんでしまうかもしれません。

それは桜に聞いてみなければ分からないし
桜だって実際にそうなってからじゃないと自分がどういう気持ちになるのか分からないかもしれません。
だから茉央は『考えてしまう』のです

【桜→咲月】の場合は
咲月は瑛紗の事が好きなので
さらに困難を極めます。


この先2人が頑張って一歩踏み出したとしても
恋が叶わずに自分が傷つくかもしれない
恋が叶ったら隣にいる友達が傷つくかもしれない
どちらにしても私達全員の調和が乱れてしまい

この先みんなで楽しめなくなるかもしれない…

『考えてしまう』から現状維持になってしまう
『考えないようにする』のは「苦しい」

そんな板挟みの状態でも特に深刻なのが

【アルノ→瑛紗】 

です

これは同じグループの人を好きになってしまったケースになります

【茉央→美空】【桜→咲月】
のケースとは違って
いつも一緒にいるので話すタイミングや
仲を深めるタイミングはいくらでもありますが
いつも一緒にいるからこそ
見たくない瞬間や
知りたくない事を知ってしまう。
というのもMVを見ていてよく分かります。


3人でかき氷を食べている時も
アルノは"苦しい"と思ってしまいます。


3人で歩いている時も
アルノは"一歩後ろを"歩いてしまいます。


アルノは咲月のことが友達として大切だし
なにより3人でいる時間が好きで
その時間を大事にしている
だからこそ自分の気持ちに蓋をして
から元気を装うこともあります。

サビの「好きにはなっちゃいけない人 あの時自分で決めたのに」に1番当てはまるのはアルノの恋かもしれません。

2人で歩いてる所にアルノアタック


アルノが瑛紗を好きな気持ちは見て分かりますが咲月は瑛紗の事をどう想ってるのか
瑛紗は2人のことをどう想ってるのか

自分の考察をするならば

咲月は瑛紗のことを恋愛として好きで
その咲月の気持ちにアルノは気づいているし
実は瑛紗も咲月の気持ちに気づいている

という最もしんどい見方をしてます


理由としては
最初に気になったシーンで挙げた

・内緒話をしている 瑛紗×美空
・形容し難い表情で1人振り返る 瑛紗

この2つに繋がってきます。

どちらも印象的なシーンなので
何か意味があるのではないかと考えました。


・内緒話をしている 瑛紗×美空
このシーンではお互いに耳打ちをし合っています

瑛紗→美空
美空→瑛紗

この時、何を話していたのか。
自分は「お互いのグループの恋愛相談」
だと考えました

瑛紗から美空への耳打ちは
「同じグループの咲月は自分のことを好きかもしれない」

美空から瑛紗への耳打ちは
「同じグループの桜は咲月のことを好きかもしれない」


もし、
瑛紗がこの時に美空から桜の気持ちを聞いていなかったら
瑛紗は咲月の気持ちを素直に受け入れていたかもしれない
しかし、桜が咲月のことを好きだという気持ちを知ってしまった瑛紗は咲月の気持ちに気づかないフリを続け、桜の恋を優先します

・形容し難い表情で1人振り返る 瑛紗 は

咲月の気持ちを"知りつつも"回避したことへの
自責の表情なのかなと思いました

咲月の気持ちを"知らないで"回避したのであれば
自責する必要はないですからね


ということで、
内緒話のシーンが最終的な恋愛相関図の伏線になっているのではないかと考えました

内緒話により、結果として
【瑛紗×アルノ】【桜×咲月】の道が開けましたが
瑛紗の本当の気持ちは闇の中です。



おまたせしました、最後のペアである

【彩×いろは】

ですが、この2人に恋心は"まだ"ありません

というのも
この2人だけ葉が合わさっていないのです

葉がすれ違っている

【彩×いろは】は
これから恋が始まるのかもしれないし
他の誰かを好きになるのかもしれない
まだ恋を知らない2人。という設定です。



・物語の結末



それでは、
MV考察のまとめに入っていきます


ここまで【葉を合わせるシーン】を参考に
恋愛相関図の「答え合わせ」を振り返りましたが私はあくまで「答え合わせ」にすぎないと思っています。


この物語の中で
「誰が誰のことを好きなのか」が分かっただけで、実際にその想いを直接相手に告白した人はいないと思います。

奈央が語りで言っていたように
「同調は美しく、同調は苦しい」
そうして全員が
「あの子のこと、私の事」『考えた』結果

『誰も告白をしない決断をした物語』

『考えないようにする』MVなのだと思います。


「なぜその決断をしたのか?」の答えは
『今はまだ、このままでいたい』から。です


辛い時に手を差し伸べてくれる仲間がいる大切さ。みんなでいるかけがえのない時間。
を全員が知ってるからこそ恋愛よりも友情を優先したのだと思います。

そして
「相手のことを想っていても告白はしない決断」を最初にしたのは奈央だと考えます。


理由は

・奈央が葉を見て何かに気づくシーン
・奈央が振り返ると窓にいたみんなが消えているシーン 

にあります。

まず、
・奈央が葉を見て何かに気づくシーン

奈央が葉を見て何かに気づくシーン


1番の歌詞で
「植物だって話したり聞いてると そんな仮説を立てた本を読んだ気がする」
というのがあります。


ここで思い出すのは
それぞれのグループのカットの時に
映っている「植物たち」です

本の仮説である
「植物だって聞いている」
を元にすると
彼女たちを取り巻く恋愛関係について
「植物たちは知っています」

特に
・散歩グループが丘から叫んでいるシーン

この時に茉央が叫んでいたのが
「美空への想い」だったとして
「本の仮説」を信じるのであれば

茉央の「美空への想い」を
この植物たちは聞いています


葉を見て何かに気づく奈央


さすがにこの時、葉っぱが喋り出して
奈央に【茉央が美空を想う気持ちを伝えた!】
とかメルヘンな事は言いませんが

「奈央が茉央の恋心に気づいた」という表現。

先ほどの「植物たちは聞いている」の描写から
大きく捉えるのであれば

「奈央が彼女たち全員の恋心に気づいた/知ってしまった」ということを表現したシーン。

現実的な考え方をするのであれば
"風の噂"で聞いてしまった。とか

そういう意味のあるシーンだったのかなと考えました。

そして、

・奈央が振り返ると窓にいたみんなが消えているシーン 


奈央が告白を するのか しないのか
その決断を和を含めた全員が奈央に委ねた
という描写だと考えます。

みんなのそれぞれの想いを知っている奈央
そんな想いを一身に背負い、奈央は決断します。


「あなたの事ばかりいつも考えてしまう」
けれど、気持ちを留める。
「告白をしない決断」をしました。

・奈央が葉を見て何かに気づくシーン
・奈央が振り返ると窓にいたみんなが消えているシーン 

以上2つのシーンから
奈央は「告白をしない決断をした」
と考えました。



MVの最後は奈央の語りで

「同調だとか バラバラだとか 
まだ見ぬ"仲間たち"と きっと起きる事なんだ
わくわくする」

と締めています。
『仲間たち』なのです。
そこから推測するに

今はまだ、自分たちの想いはしまっておいて
仲間』として歩んで行く。

もしもその先に同調やバラバラが起こったとしても、それらは全部"誰かがいるから"起きる事

1人ではないからこそ友情も恋愛もあるし
それぞれの想いがある。

それを否定することはしないから
この先、恋愛によるバラバラが起きるかもしれない、それでもそれを乗り越えて
『楽しくみんなで居る』ことを決意した。

誰も告白しない決断と
楽しくみんなで居る決意をした結末


を迎えました。
「考えないようにする」ことは出来なかったのです。

その決断の結果
アウトロシーンの笑顔が見えているのであれば
間違っていなかったと思ってもいいでしょう。


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ここまででMV考察は終わりです
それぞれのシーンに意味があって面白い

物語に深みがあり
そこに百合特有の切なさがあります。

それぞれが「どうしてその人を好きになったのか」を知りたくなりましたが、妄想するしかないです。

個人的には、
「咲月ちゃんの恋をなんとか実らせたい」という願いと、「姫奈」が居たらどんな関係性になっていたのか。というのが気になってしまいます。

『転校してきた岡本姫奈が菅原咲月の恋を実らせた件』アナザーストーリーでやろう。


振り付けでいうと

1番サビの振り付けでは『同調』を

綺麗に揃ったダンス


2番サビの振り付けでは『バラバラ』を

それぞれ思い思いのダンス


同調もバラバラも肯定している振り付けが好きです。シンクロニシティ好きとしては見入ってしまう振り付け。


『考えないようにする』を聴いて1番最初に思った感想は「5期生曲の"5曲目"という感じが好き」
でした。

メンバーも曲と共に成長しているのでそこにズレを感じることなく、その時、その瞬間の5期生に合っている。と思える曲、MVを制作してくれることに感謝です。

5期生、今回も素敵な楽曲を作ってくれてありがとう!!次は絶対におかひなも一緒に!!!
みんなで待ってるからね!!!

以上、スープカレーうま馬でした

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