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雲仙温泉で自然の恵みと厳しさを目の当たりにする(2022.12.3~4)

島原旅の宿は、雲仙温泉にしました。私の場合は高級宿に泊まる趣味はないので、ダム湖のおしどり池に面した民宿関荘さんにお世話になりました。全国旅行支援もあって、ずいぶんお得に泊ることができました。

この建物の裏はすぐに池があります。雲仙の温泉街も歩いて10分もかかりません
部屋は小さいものの十分にくつろげる

初めての雲仙なので、少し夜の散策です。気になっていた共同浴場にも行ってみます。

温泉街は食堂だけが開いていて、ひと気はあまりなし。雲仙地獄から立ち上る湯けむりがライトアップされていてなかなかの迫力
古湯温泉街の小道の奥にだんきゅう風呂と呼ばれる湯の里温泉共同浴場
昔ながらの番台。入浴料は200円
この奥にだんきゅう(らっきょう)の形の湯舟がある。かなり深い湯船でとても温まりやすい
ご近所の皆さんが湯冷ましをしながら談笑したりしている

湯の里温泉共同浴場は、観光客が夕食中の時間だからか、地元の方たちがぽつぽつと入りにきていました。入浴セットを持参され、しっかりと体を温めて帰るときには「ごゆっくり~」と声をかけていく、まさに「普段着の温泉」。先に入っていたおじさんがいろいろとお話をしてくれました。
今日の温泉は43度ほどで熱い方だとか。正直肩まで浸かっていられるのは30秒ほど。毎日天候などによって温度が変わるそうで、数年前の土石流の頃から安定しなくなったということだそう。そして、近所の人たちはみんなお風呂は家に無くて、ここに入りに来るのが日課なのだとか。

宿の夕食。この日はカキフライとカレイの煮つけがメイン
お風呂は沸かし湯のよう。池を望める
朝食はこんな感じの和定食
今回は4組のお客さんがいた。それぞれ別のテーブルで食事

こちらの宿は、ガイドさんやバスの運転手さんが良く宿泊されるとか。たしかにそういう意味で居心地が良い。お母さんが色々話しかけてくれて、明るい雰囲気。結構部屋も多い。お話によるとこの池のほとりの別所地区では、2年ほど前まで共同浴場もあってそちらにも入れたそうだが、今は湧かなくなってしまったそう。池のほとりにも噴気孔の跡のようなものがあったので、おそらく宿にもそのころは温泉が引けたのでしょうが、やはりお湯のルートが変わってしまったということか。まさに自然のなせる業なので、致し方なしです。温泉がふんだんに湧き出すと、やはり電化製品にも問題が出るらしく、雲仙温泉の宿では、電化製品の1年保証などは受けられないとか。

水鳥の多いおしどり池と冬桜

朝は早めの朝食にしていただいて、食べてすぐに雲仙地獄の散策へ向かいました。

別所地区の共同浴場。入ってみたかった!
味わい深い表示。右手のドアは女湯かな?
民家の近くからも湯気が
旅館の廃墟も多い。これもお湯の出のせいかな?
温泉(うんぜん)神社
神社から地獄めぐりを始めます
夫婦柿に実がなってた
温泉神社の裏手は立ち入り禁止

温泉神社の裏手から歩き出そうと思っていたら、柵があって入れない。なんと2年ほど前の大雨により土砂崩れが発生し、八万地獄などが被害にあっていたそう。全然知らなかった・・・。

ホテルの前の清七地獄
お糸地獄
お糸地獄の湯の湧きだし口からぷくぷくとガスが出続けている

地獄の名前は、湧きだした頃に殺害されたキリシタンなどの名前が付けられているそうで、なかなかおどろおどろしい。でもキリシタンの迫害のあった江戸時代に今の地獄の一部が活発に活動を始めたということ。となれば200年以上経っているわけなので、お湯の出口が変わったりするのも自然かもしれません。

遊歩道をどんどん登っていく。早朝なのでほとんど人影はない
見下ろすと地獄の煙の先に温泉街
キリシタン殉教記念碑
大叫喚地獄
大叫喚地獄と邪見地獄
泥火山。という割にはあまり噴き出していなかった
雲仙御山の情報館。ここで色々と勉強して、雲仙岳周辺が2つの大きな断層によって沈み込んでいる地溝帯だということが分かった
国道の西側にある旧八万地獄。かつての噴気地帯が残されていることで、自然の摂理によってその場所が移動していっていることがよくわかる
高台から雲仙地獄方面を望む
古湯温泉街
雲仙山 大乗院 満明寺
雲仙大仏

朝の雲仙温泉散策で、雲仙温泉の主要な見どころを回ることができました。日本のイエローストーンともいうべき場所ですが、日本の場合はしっかりと温泉や噴気を利用するため、いろいろな配管などを張り巡らしていました。そこがイエローストーンとの違いです。そして、規模が小さいだけに、地下深くで起きるいろいろな現象により、場所が移動したり噴出がなくなったりと、人の生活にも影響を及ぼしていることが分かりました。まさにジオサイトです。
チェックアウト前の数時間でかなり楽しめました!

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