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㉖痙攣患者にはジアゼパム?!

痙攣を主訴に救急外来を受診する患者さんは多いですよね. てんかんの患者さんも多いですが, 必ずしも原因が頭蓋内疾患によるものとは限りません.
Convulsive syncope, 聞いたことがあるでしょうか?脳血流が低下し, ある一定の時間がたっても回復しない場合には痙攣することがあるのです. 通常の失神の場合には, 姿勢保持筋緊張が消失することから立っていられなくなり, しゃがんだり, 横になったりすることで, 脳血流が速やかに回復し, 意識も改善します. しかし, すぐにそのような姿勢にならない, なれない場合には脳血流がなかなか回復せず痙攣することがあるのです. PSVTを止めようとATPを使用し, 脈がのびて慌てた経験ありませんか?その際にビクビクッと痙攣様の動きが認められることは時に経験します. なにが言いたいか, 痙攣だから頭蓋内疾患, 痙攣だからてんかん, ならばジアゼパムと考えるのではなく, 脳血流が低下した状態なのではないかとまずは考え, バイタルサインをチェックするのです. VFでも痙攣しますからね. てんかんの鑑別疾患として”失神”は重要です. 
血圧が保たれている痙攣であれば, ジアゼパムを使用して基本的にはOKです.
てんかんによる痙攣の場合には, 痙攣中は開眼しています. それに対して, 脳血流が低下したパターンの痙攣や心因性の場合には閉眼していることがほとんどです. 目も注目しましょう. 


J-COSMO 2020年4月号『スペシャリストがおくるオススメ処方・ダメ処方』
救急医の坂本が『救急科のオススメ処方』としてまとめています.
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『救急科のオススメ処方』
①ブドウ糖を投与する患者ではビタミンB1の投与も忘れずに!
②PSVT患者, 血行動態が安定しているのならば, まずは修正バルサルバ!
③痙攣患者に盲目的にジアゼパムではなく, まずはバイタルサインの確認を!
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