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③体位を意識し, 全身管理を忘れずに

アナフィラキシーに対するアドレナリンの投与のタイミング, 投与方法は理解しましたね. 投与量, 投与部位, 投与経路を正確に理解しておきましょう.
今回はアドレナリンを筋注と共に行うべき事項を整理しておきましょう.

アナフィラキシーの7 rules

細胞外液投与

アナフィラキシーに対する最も重要な治療はアドレナリンの筋注(成人であれば大腿外側部に0.5mg)ですが, それとともに細胞外液の投与も忘れないようにしましょう. アナフィラキシーショックが血液分布異常性ショック(Distributive shock)であることを考えれば, 生理食塩水や乳酸リンゲルなどの細胞外液の投与が必要なことは自ずと理解できるはずです. また, アドレナリンの筋注でも状態が安定しない場合には経静脈的に薬剤を投与することもあります(次回参照). アドレナリンの筋注が最優先ですが, ルート確保も重要ですので速やかに行いましょう. ショックであれば, 2ルート確保することも考慮する必要があるでしょう.

心機能が悪いので...と外液の投与を躊躇してはいけませんよ. 不用意な投与は御法度ですが, 必要と判断したのであればまずは投与を開始し, 入れすぎないように慎重に対応すればなんら問題ありません.

姿勢は臥位

血圧が低下しているなど, 明らかなショックの状態の場合には誰もが患者を臥位とし, 下肢挙上を行うと思いますが, 血圧が保たれている, 呼吸困難を訴えている場合に座位で対応していないでしょうか. アナフィラキシーに対してアドレナリンを投与する際, 座位や立位ではアドレナリンが体内に循環しづらく効果が減弱してしまいます(Empty ventricle syndrome). アナフィラキシーを認識したら, 姿勢は臥位として, 大腿外側にアドレナリン筋注, それとともに細胞外液投与を速やかに行いましょうね.

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