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急変対応の授業 vol.4:院内心停止の対応:早期に認識し適切な介入を!

前回の復習

第3回はバイタルサインの実践的解釈 vol.2, 「バイタルサインのみるべき4つのポイント」の4に関して取り上げました. バイタルサインは単一の指標で判断するのではなく, 組み合わせ総合的に判断する必要があるのでしたね. ショック徴候があって血圧が低めなのに脈拍が上昇していない, 脳卒中?と思ったけれども血圧が低い, この様な本来認められるはずの変化が認められてないときこそ, 緊急事態であることが多いのです. 覚えてますよね?

バイタルサインのみるべき4つのポイント

今月号のポイント

7月号では「院内心停止の対応:早期に認識し適切な介入を!」と題して心停止の早期認識, 適切な介入に関してまとめています. 4月号の冒頭, 院内急変コールが鳴って行ってみるとワチャワチャした中, 胸骨圧迫, 気管挿管, 様々なかけ声でバタバタ, そうならないためにみなさんがやるべきことはなんでしょうか. 大切なことを理解しておきましょう.

こんなときどうする?

ある日, 担当患者さんの部屋を訪れると, 反応が乏しく呼びかけで応答がありません. ベッドサイドモニターに波形はでているものの, 橈骨動脈では脈の触知がよくわからない...

ここで時間をかけてはいけませんよね. あたりまえじゃないかと思うかもしれませんが, 心停止に陥る可能性を予期していなければ, また心停止を疑った際の初期対応を理解しておかなければ判断が遅れ, その遅れが取り返しのつかないことも...

自信を持って対応できるようにポイントとピッとフォールを理解しましょう.

ある日の病棟で。。。

登場人物

今回も登場人物は以下の方々. ミュージカル好きの方はもう既に名前の由来がわかりますよね. 今月号から一人ずつ紹介しているのでお楽しみに.

登場人物

心停止の4つの波形

心停止は大きく4つに分類されます. ①心静止(asystole), ②無脈性電気活動(PEA), ③心室細動(VF), ④無脈性心室頻拍(pulseless VT)で, ①, ③, ④は波形と一対一対応です. ②のPEAは①,③, ④以外の心停止全てを包括します. つまり, イラストの様に波形がでているからといって心停止ではないとは言えないということです.
③, ④は除細動などによるショックの適応がありますが, ①, ②はありません. これらの波形は瞬時に見分けられるようになりましょう.

心停止の4つの波形
PEAを見逃すな!

波形よりも大切なこと

心停止患者における波形の理解は重要ですが, それ以上に早期に心停止に気づくことが重要です. そのためには, 心停止のアルゴリズムを理解すること, そして波形の変化が認められる場合には, とにかく患者さんを診に行き, 状態を確認するようにしましょう. VTだと思ったら歯磨きしていただけなんて..., 本当にこんなことがあります. 一度経験すると, 「どうせまた歯磨き...」と思いがちですが, 必要と判断し装着しているモニターで, その様な変化があるのであれば, 必ず患者さんのところへ駆けつけ判断しましょう.

歯磨きVT

最近のミュージカル

2022年7月は『ミス・サイゴン』がいよいよ開幕しました. プレビュー公演は残念ながら中止となってしまいましたが, 初日を観劇し, やっぱりエンジニアはいっちゃん(市村正親さん)だなと再認識しました. 今号で紹介している高畑充希さんのキムも素晴らしかったです.

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