歌みたMIXの前知識として知ってほしいMIX師のお仕事

オリーブオイルと野菜にサーモンのせたらカルパッチョだろうが!
ほんとに?ほんとにそう思いますか?
というわけで今回も始めていきたいと思います。

歌みたを作りたいけど右も左も分かりません!という皆様。
事前知識に飢えた皆様のために、録音からMIXまでを掻い摘んで解説しちゃおうと思い立ちましたのでお付き合いいただければ幸いです。
細かいところは省いて大枠でこんな流れでこんな知識があるといいよがテーマですので流し見程度に見ていってください。
では行ってみましょう。

まず!
録音するときの録音の仕方です。
機材はお持ちのスマホでもPCでもOK。
必要なのはカラオケ音源を流しながら歌だけ録音できるソフトです。
PCならDAWとか呼ばれるやつですね。
スマホなら「GarageBand」が今は手軽です。
ガイドボーカルとして原曲を流しながらorカラオケ音源に合わせて声の録音をするときは2トラック使います。

赤くしてあるのがカラオケ音源トラック
緑がレコーディング用のトラックです。
こうして2トラックで録音することで歌声だけのRECができます。
書き出しのときには別々に書き出しましょう。
カラオケ音源にボーカルが乗っている状態ではMIX作業ができません。
書き出しは24bit/48khzのwav形式になるように設定して書き出します。
これでボーカルトラックができました。
出来ればここでボーカルトラックを歌いだしに合わせて頭出ししておいてもらえると助かります。
(せっかくのタメや抑揚が頭出ししていないとズレとして修正されてしまう可能性がありますよ。)

MIX師には指定されて方法でボーカルトラックとカラオケ音源を送ります。
私の場合はギガファイル便です。
送る方法は割愛。

さてMIXの依頼をするときの注意点です。
ヘアサロンに行くときは髪型を考えてから行きますよね?
それと同じで、どんな完成形にしたいのかは教えてください。
カタログから写真で選ぶようにyoutubeや参考音源を教えていただければ近づけてMIXできます。
これはURLや送付時に教えてくれたらOKです。

ここからがMIX師のお仕事。
順番はMIX師によるので今回は作業の項目と内容を紹介する感じです。

ボーカルの音程補正
送られてきたボーカルトラックは


こんな波形ですが。専門のソフトを使うことで

こんな感じに音程ごとにばらせます。
この音階は一音一音ずらして音程がぴったりの位置に来るようにしたり。
ここからコーラスパートを作成できます。
人力ボーカロイドというとわかりやすいかな?
ここでは音程のズレ、フレーズのズレを修正できます。
(いらない音のカットとか音量調整もできますね)

でこれをまた書き出して・・・。
MIX師さんのDAWで読み込みます。


これで音程補正されたボーカルとカラオケ音源をMIXしていくわけですが。
ここからは専門分野の話が多いのでもう項目だけばばーっと羅列します。

・コンプレッサー
音のばらつきを抑えたりパンチやアタックといった音の立ち上がりを調整します。これでボーカルが明瞭に聴こえたり、力強さなんかが出せたりひっこめたりできます。
使う機材により音に「あたたかみ」や「艶」といった効果を付与したりもします。ここはお好み。どんな機材があなたに合うのか、機材知識を仕入れるとクオリティアップにつながります。

・イコライザー
特定の周波数を調整して周波数同士の被りや、不要な音をカットします。
様々な楽器が鳴っているカラオケ音源の中でも楽器たちはその役割によって周波数をすみ分けています。
Low/Mid/Hiの三つくらいで想像してみてください。


こんな感じ。
ボーカルはミドルの成分でできています。
ここにボーカルをそのまま乗せると・・・。

こういうイメージ。
埋もれてますよね。
これだとボーカルが引っ込んで聴こえてしまいますので・・・。

カラオケ音源のミドルをひっこめたらボーカルの紫のラインがミドル帯で浮き出てきましたね。これが音が聞こえやすくなるイメージです。
この説明ではカラオケ音源のMIDを引っ込まましたが。
ボーカルをブーストすることでも似たような効果は得られます。
が、そうするとキンキンしたりモコモコした音になってそれはそれで聞くに堪えないので、両方をうまく調整する必要があります。

・ディエッサー
ぱぴぷぺぽ、さしすせそ、たちつてと
50音の中でも破裂したり擦れるような発音になる音ってありますよね?
あれ実際にマイクではパっとかポっとか過剰に反応します。
擦れる音も同じですね。shhhhっていやな音が乗ります。
なのでディエッサーという機材で、その音だけを聞こえないようにしてやります。耳元で不快な音がするのは嫌ですもん。

あとは細かく細かく、音がなじむように音量のバランスや周波数帯の棲み分けを調整して。
音が聞こえる位置を調整して広さ、高さ、奥行きなんかを表現して上げます。
これはステレオイメージって呼ばれてます。
全部の音が真ん中に聞こえると空間表現がないので詰まって聞こえます。
2Dのイラストより3Dのほうが表現の幅があるのと似てますね。
Vtuberさんが3Dだとより細かい表現でみれるのでふとした動作で中の人の癖が見えるとちょっと嬉しいアレ。

ざっくりこんな感じの作業をして
ボーカルの調整と、ボーカルとオケ音源を混ぜる作業が主な作業です。

細かい機材の話とかテクニックの話したら終わらないので気になったら皆さんでもしらべてみてください。youtubeでもネット記事でも今はいっぱい情報があります。
ただただ「カラオケに合わせて歌う」
ではなく、人に聴かせるために歌うのであれば
自分という楽器を最高の状態で演奏して、
それを活かせる技術体系を少しだけ知っておくと
あなたに合った最高の録音と活かし方が見えてきます。

冒頭のカルパッチョと同じです。
切って盛ってオリーブオイルぶっかけた上に切り身のサーモンを載せても料理としては成立しますが、
野菜の切り方、使うオリーブ、産地と時期を合わせた最高のサーモンを最高の厚さに切って盛る。
こうしないとお店に出せる一品にはなりませんよね。

ミシュラン三ツ星のあの店のあのカルパッチョ風にしたいので
マイクが○○で(スマホ録音で)○○のフレーズは自分流の歌い方をしてるので
活かしてください!って言えると。

なるほど分かり申した!
となるわけです。

長くなりましたが、こんな作業してますよって紹介でした。

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