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吸音ウールと制振フェルト(吸音材・制振材)

他の記事でも触れましたが、画像の白いウールとフェルトがリサイクル素材で製品化されたもので、黒いフェルトがヴァージンポリエステル繊維で加工された製品です。

取引先メーカーにおける通称は、吸音ウールがPETウール、白いフェルトが高密度PETフェルトです。黒いフェルトは、特殊フェルトと呼んで区別しています。
すべての製品が化学物質の揮発が検出されない安全な素材で出来ています。
もちろん、F☆☆☆☆基準をクリアしています。

アレルギー、アトピー、喘息の持病が有るユーザーに使用していただいていますが、今まで問題が生じたことはありません。
*私自身がアレルギー性皮膚炎の持病を抱えていますが、仕事用のデスクなど室内にサンプルを置いているだけでなく、仕事場の居室でDIYで貼り付けて約30年間劣化などの経年変化を追跡しています。何も問題はないです。

これらの製品は、カットしても粉塵が出ない、ちくちくしない素材で出来ているため、DIYだけでなく現場の職人にも好評です。
木造音楽室の音響・防音設計において、軽視されているのが、吸音材・制振材および木材・木製品であることを他の記事で述べました。
この中で、防音職人の担当現場の主力製品であるPETウール・フェルトに注目して、さらに考察しました。

PETフェルトと特殊フェルトの違い

制振材としての性能は殆ど差がありません。違うのは、色と単価です。
どちらも防音職人では「制振フェルト」として分類していますが、PETフェルトのほうが安いため、圧倒的に契約者はPETフェルトを選択されます。
問題は、PETフェルトを生産しているメーカーの中では、廉価で供給できる会社が1つしか無いため、供給が不安定です。
このため、月に1回しか工場で生産されないため、在庫が切れた場合は、納期が大幅に遅れることです。しかも、制振材として実用化して実績があるのは、PETフェルト1社、特殊フェルト1社のみです。
両社ともに防音職人の契約メーカーです。

また、PETフェルトは厚さ6ミリで950ミリ×1850ミリのサイズで、特殊フェルトは厚さ5ミリと7ミリ、PETフェルトの約1/4のサイズで箱ケース単位での納品となります。両者ともに施工要領は同じです。
ちなみに、他のメーカーの製品は衝撃音に対する制振性能が小さいため、開業当初に試してから除外しました。※約30年間、別メーカーの製品も探しましたが、求めている性能は得られず、単価もかなり高いので採用できませんでした。

PETウールとグラスウール・ロックウールとの違い

PETウール(吸音ウール)は、カットしても粉塵が出ませんが、グラスウールとロックウールは粉塵が出てチクチクします。
アレルギー・喘息などの持病の有る人は使えません。
これが大きな違いです。ユーザー・居住者の健康を考えるなら、迷うことなくPETウールを選択したほうが無難です。

吸音率は、グラスウールに比べて、大半の周波数帯においてPETウールが上回りますが、高音域の周波数帯においては、ロックウールのほうが大きくなります。
このため、高音域の効果については遮音材の併用でカバーしていますので、木造防音室においては、総合的な防音性能は問題はありません。

また、耐用年数は、PETウールは30年以上劣化しないのが特長でもあります。
*グラスウール・ロックウールは概ね耐用年数は15年から20年程度です。経年変化で吸音性能が低下します。

今回の記事は、私と同様な持病を抱えている人や健康被害などを重視される相談者への回答でもあります。参考にしていただければ幸いです。
*次の画像は防音壁と床下に吸音ウール(PETウール)を入れた木造の音楽防音室です。床の防音構造に制振フェルト(高密度PETフェルト)を使用しています。

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