防音業界における情報操作
私が経験した内容や提携先・取引先の建築士、契約メーカーの社員から得た情報をもとに、大事な概要をご紹介します。
ご質問も歓迎しますので、防音職人へのメールの問合せ、当ブログへのコメント欄の質問にも出来る限り対応する予定です。
未熟あるいは意図的な情報発信によってもたらされる、ユーザーとくに施主および担当の建築士が誤認するリスクは看過できません。
防音職人では、複数の運営ブログにおいて警鐘を鳴らして来ました。
再度、約30年間の経験と関連情報の入手によって、主な事項について触れたいと思います。この記事は、今後数回に分けて投稿する予定です。
防音材の誇大広告事例
多くの防音製品の販売業者が、実例の現場検証もしないで、メーカーの製品説明を誇張してホームサイトやブログに掲載しています。
実際に、私の防音相談者が被った事例では、使用してみて効果が非常に小さく驚かれるものが実に多かったです。
子どもや大人の足音が殆ど聴こえなくなるコルクマット・ウレタンマット、マンションの天井に貼り付けるだけで大幅に騒音を減らすことが出来る防音材、壁に施工するだけで防音室が出来る鉛の遮音パネル・遮音シートなど数え切れないくらいあります。
このうち、私がブログで複数回検証事例・問題点について投稿したところ、上記の製品の通販業者が、いきなりホームサイトの製品説明を削除したことがあります。おそらく、私のブログをチェックしていたのか、ユーザーからのクレームで慌てて対処したと思われます。
その通販業者は5社あり、現在もネット上の検索では上位に出てきます。
中には、防音職人の防音材の分類と概要説明をそのまま無断流用した盗作業者が3社あり、ウェブサイト上および運営者に警告しました。現在は削除されています。私の契約者4名が、試しに製品の見積と効果について問合せたところ、納得できないメールの回答があり、更に別の製品を勧められたそうです・笑。防音職人の類似製品の単価もかなり高かったようです。
*ある遮音材は防音職人の表示価格の2.5倍だった。現在は吸音材だけ値段を下げたようです。(2024年12月現在)
なお、単独で重量衝撃音を軽減できる防音製品は存在しませんので、ご注意下さい。
木造建物は遮音性能が低い?
木造建物の遮音性能に関する考察など実例の防音設計について、別の記事で触れたことがあります。
実は、普通に防音設計を正しく行って施工すれば、同じ厚さの外壁についても、軽量鉄骨・ALCパネル工法の建物より、遮音性能は上回ります。
*木造軸組在来工法は実は遮音性能は弱くはないのです。現在の木造住宅などの設計仕様・施工に問題が有るだけです。
まるで、情報操作のように、ハウスメーカーや建築会社が木造建物よりALCパネル工法のほうが遮音性能は高いと謳っています。
実際に、この工法で依頼した施主が完成後に、防音職人へ相談を問合せて来られました。その中には防音リフォームで現場を大幅に改善できた実例も複数あります。
*近所の車や犬の鳴き声などもよく聴こえていたのを私自身が現場で体験しました。施主が神経質なわけでは有りません。
実はALCパネル工法は、車騒音や犬の鳴き声に対する遮音性能はあまり高くないです。それは工法の弱点とALCの特性によることが、私の相談実例と取引先の現場経験及び研究で明らかになっています。
*遮音材としての特性によって普通に起きるコインシデンスなどの現象です。
ちなみに、木造住宅の外壁の遮音性能をアップさせるためには、ALCよりもモルタル仕上げのほうが有利です。また、木造の板張り仕上げも工夫次第で、ALC住宅より遮音性能を高めることが可能です。