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恩師の教えと自分で切り拓いた道

ステイホーム需要が増える一方、従来型の建築設計事務所が苦境に立たされた時だった思いますが、恩師からいきなり電話が入り、「おまえは仕事の調子はどうだ?」と聞かれ、独自のやり方で契約は減りながらも地方の案件は動いていますと返事しました。恩師は「そうか、他の人と同じことをやってもダメだから、その路線で頑張れ」と言われました。
幾つになっても教え子なんだと実感したものです・笑。

防音職人のウェブサイトを構築するときに考えた方針は、大学・研究室時代の恩師の影響を強く受けています。
また、会社勤め時代に、会社の看板の威力と個人の無力さを目の当たりにしたことが反面教師としてありました。

実は恩師の専門分野の建築学や地域施設計画の方法論など殆ど記憶になく・笑。典型的な劣等生でした。
恩師の授業の単位は卒論と建築設計以外の科目をすべて落としていました。理由は貧乏でアルバイトして学費を稼ぐため、夜遅くまで働いていたので、翌日午前は大学に殆ど行けませんでした。
*しかし、恩師の人柄に強く惹かれて研究室の門を叩きました。自分の研究テーマを持ち込んだ学生は私しか居ませんでした。恩師の専門分野とは異なるテーマでしたが、先生は快諾してくれました。
*入れてくれた理由は、「君のような学生は他の研究室では受け入れてくれないだろうと思った。」ということでした。
そんな変人である私の特性を見抜いた恩師は、「君はやりたくないことは、しなくていい。自分の道は自分で見つけなさい。モノマネはしなくていい。」と最初に釘を刺されました。
私から見れば、恩師も十分に変人でした・笑。当時の教授陣の中では異端者のような存在でしたが、学生には人気がありました。

オリジナルの専門分野を自分で創ることが方針でした

専門分野の先人の技術をモノマネすることは間違ってはいないと思いますが、鵜呑みにすると、問題点に気づかずに安易に流用することになり、新しい技術開発は生まれません。
オリジナルの自分の技術を生み出すには、先人から学ぶことは重要です。それを拡張したり、新しい視点を加えて改良するための努力が重要です。
机上の理論を実践経験で補正することで、新しい技術を生み出すことの重要性を認識したうえで「防音職人」のホームサイトを構築しました。
防音職人ホームサイトプロフィール

リモートワークで、地方の現場の防音設計やコンサルティングを行うには、現場経験が必要です。
いきなり机上の理論を学んだだけでは対応できません。
この点を勘違いする若い建築士や事業者が少なくなく、優れた製品と説明資料があれば、簡単に実行できると思うようです。
なので、取引先を安易に教えてくれと言われることが有ります。

私の提案やコンサルティングは、今までの実践経験をもとに行っています。製品のカタログやデータを鵜呑みにしているわけではないです。
*取引先メーカーの担当者からは安易に他の業者に製品の詳細を教えないように言われています。自己責任で自分で検証してから使うことを推奨されています。

自分の専門分野に関する文献資料の消化、取引先や提携先から実例や研究資料を入手することを地道にやりながら、自分の担当現場で検証するという繰り返しの中でオリジナルの技術は生まれると思います。
その概要を、防音職人ホームサイトのコンテンツとして入れました。
準備期間を含めて、運営を開始してから約21年が経過しました。

看板は小さいがコアな需要者向けにコンテンツを作った

ホームサイトのコンテンツを用意するのに時間があまりなく、概成段階でアップロードしてから、現在まで少しずつコンテンツを追加したり更新してきました。自営業なので、あまり経費も掛けることができず、外注も限定的に活用するしか方法は有りませんでした。
知名度がないので、「防音職人」という覚えやすい漢字四文字で表現しました。意味は「オリジナルの防音設計と職人の技術を重視したコンテンツ」というものですが、略して「防音職人」に決めました。

現在も小さな看板ですが、コアな需要者向けの専門コンテンツとして運営してきました。他の分野の知人自営業者に時々聞かれますが、「儲かりますか?不景気なので贅沢品の商いは大変でしょう。」と言われます。
行きつけのスナックのママや散髪屋の店主、直系親族の親戚たちにも言われます。いつもの答えは「貧乏暇なし。マイペースでやっています。」
*外注しないので忙しくなるんです。それに高齢者の仲間になったので目が疲れるし、体力が落ちました。知力と食欲は落ちていません・笑。

私のコアな需要者の多くは、予算はみなさん厳しいです。なので、費用対効果を強く求められます。内容は簡単ではないです。
しかし、木造音楽室のように、私の理想である音響と防音がバランスした設計仕様及び施工要領は妥協はしたくないです。
*私は他の専門業者が余り力を入れていない設計仕様を提示する専門サイトとして、コアな需要者の受け皿として防音職人を作りました。
私の理想と施主のご要望の乖離が大きい場合は、辞退することもあります。
自分の力では対処できない案件は、素直に事情を説明して辞退しています。
私の風呂敷は看板と同じく小さいです。

私の木造防音室の特長は、木材・木製品の活用および空間を狭くしない設計仕様です。これが私の約40年間の建築・まちづくり業務の主な成果です。
万能では有りません。得意分野は広くないです。だから、コアな需要者しか契約されません。
防音相談において、私が辞退しても、施主様は気になさることはありません。世の中には色々な専門家が居ますので、自分の要望とマッチする人を根気強く探して下さい。

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