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看板の大きさで防音専門業者を選ぶべきではない

建築関係の専門業者を「看板の大きさ(業態規模・知名度)」で選ぶべきではないという教訓は、私が大学の研究室勤務時代から現在まで約40年間で学んだことです。

日テレのあるプロデューサーは「看板の大きさで仕事をするな」と言います。これは相手と直接向き合って誠実に仕事をするべきという意味だと思います。(スタジオジブリの月刊誌・熱風で記事を読みました)

クライアントにも言えることであり、専門業者を看板の大きさで選ぶと失敗することがあります。それは企業の担当者が依頼者と誠実に向き合わないで、組織の肩書や知名度だけで流れ作業のように分担して、相手だけでなく物事の全体を見ていないからです。

大学(建築学科)の恩師も、人に丸投げするんじゃなくて自分でやれと言います。もちろん共同作業でも相手の話をよく聞いて動けという意味です。

防音の専門業者だけでなく、他の記事で触れましたが新築業者も同様です。クライアントの一生の買物を看板の大きさだけで判断すると、とんでもない素人のような専門業者に当たります。
私の担当案件(防音設計のみ)の現場でも、新築業者が防音室と廊下の高さを間違えたり、ピアノが入らないようなドアを付けて造り直しになるなど失敗事例は「看板の大きな業者が担当した」現場で起きています。

専門業者は実績を重視

知名度のある有名企業でも、木造音楽防音室(ピアノなど)は実績不足の担当者が多く、中には「私も勉強しながら取組みますので、よろしくお願いします」と私の依頼者に挨拶して、防音工事を担当しようとして、契約直前で断られた現場があります。そのあと、依頼者が私(防音職人)の仕事場まで、相談にお出でになり、結局、そのかたは私と業務委託契約を交わされました。

やはり、木造軸組在来工法の建物は、特長を活かしながら適切な防音設計・施工を実施しないと、防音効果だけでなく音響が台無しになる場合があります。実績のない担当者が手探りでやるような案件ではないのです。

専門業者は「看板の大きさ」ではなく「実績」を重視して選ぶべきだと思います。私の防音材メーカーも業界では大手企業ですが、私の担当者は、取引実績のないゼネコンや有名企業とは直接取引をしません。取引先の人物や実績を見て判断します。※このメーカーは信用できる紹介者の保証がなければ応じません。

下請けや提携先に丸投げする企業は専門業者ではない

とくに木造新築住宅や木造音楽防音室は、丸投げするような業者に任せてはダメです。
私の相談者の失敗事例の大半が業界大手の企業、または有名な専門業者です。有名企業の多くが代理店や下請け業者に丸投げする方式であり、営業担当は計画の全容を把握していないだけでなく、専門事項について質問しても即答できません。必ず後日回答しますと言って、その場では判断できないだけでなく、対策の方向性も示すことが出来ません。

中には、木造防音室は「薄い構造」で創ることは出来ないと断言しています・笑。ならば、防音職人の「薄い防音構造」の設計理論は、彼らは間違っていると言いますが、論より証拠で私の依頼者に確かめると良いでしょう。

私から見れば、有名企業や大手の専門業者の「無駄に分厚い防音構造」こそナンセンスであり、木造建物への負担や寿命を軽視している工法であると断言できます。

専門業者は「実績と方法論」で選ぶべきだと思います。餅は餅屋に任せるべきだと考えています。
以上の内容は、私の経験に基づいた私見ですので、あくまでご参考にしていただければ幸いです。

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