見出し画像

防音専門業者の見積り

私の本業の防音設計とは異なる場合もありますが、防音工事など専門業者の見積は、契約金額を2回に分けて施主(契約者)から頂戴する前提で作成されます。

このため、下請けや取引先メーカーなどへの支払い金額を立て替えることを考慮して諸経費を上乗せします。

防音職人の諸経費は設計費用の約10%ですが、専門業者の諸経費は設計・工事費用の30%程度です。

しかし、これは書類上の見かけの金額であり、実際の利益は、着工前に施主からいただく1回目の金額だけで全て確保されるようになっています。途中でキャンセルされたり、支払いを保留されても大丈夫なように調整していると関係者から聞きました。(※防音職人の見積とは異なります)

これが、防音工事費用が高額になる主な要因になっています。

防音職人の見積り

私の見積金額は、契約完了後に2回に分けて頂戴しますが、1回目は納品完了した防音材の代金だけです。この金額には発注事務手数料として防音設計費用の約10%の金額が加算されるだけです。着手前の前払金はありません。

必要最低限の費用しか含まれていませんので、この点だけでも他の専門業者と諸経費が乖離します。しかも、提携先が担当する防音工事費用と分けて契約しますので、私の担当費用には消費税はかかりません。※メーカーに支払う送料には消費税が含まれます。

なので、地方の現場では、防音工事を新築業者が担当することが多いため、最終的には、私の担当費用を含めても防音工事費用は、他の専門業者の約半額になることが多いのです。

そして、私の防音設計・コンサルティング費用は、防音工事着工後または完了後に一括していただきます(2回目)。もちろん、その後、約1年間のアフターサービスが付きますので、問題が生じたことはありません。

防音設計・工事業界の見通し

市販の大手防音材メーカーの製品が約15%以上の値上がり、受注生産の専門的な防音材は、近年殆ど値上げしていなかったので、今年の6月以降に、約15%から20%程度の値上げ幅となりました。

これを受けて、5月から6月にかけて駆け込み注文が急増し、先月中に大半の現場の荷受けが完了したようです。

問題は、今回の値上げの反動で防音工事がどうなるかということですが、防音職人および取引先の予約状況によると、マンションの防音工事の見積が厳しくなり、予約案件はゼロです。

木造新築住宅やリフォーム関係は、個人ユーザーの趣味の音楽室の予約が激減しています。通常、最も犠牲になる部屋のようです。契約案件も保留になっています。

一方で、木造音楽室のうち、仕事に使うピアノ教室などの防音室は、今年もある程度の需要はあり、防音相談の約半分以上を占めています。

専門業者の重要な契約案件として、音楽防音室は一定の需要がある見込みですが、予算は縮小されていくでしょう。一般的なマンションは防音工事そのものが、さらに減る見込みです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?