防音材とサイレント修正
サイレント修正という言葉は、RPGで使われているようですが、私の本業の分野でも類似した事例があります。
私が昔取引していた防音材メーカーはユーザーに無断で製品の配合を勝手に変更したため、耐久性などに変化が生じ、劣化のリスクが高まったので、取引を止めました。
市販品の大手メーカーも同様にマイナーチェンジなどカタログに説明もなく、遮音ゴムなどの配合・密度をユーザーの見えないところで「サイレント修正」していました。
その事実は、私の専属職人からの報告で露見したのです。
防音材のサイレント修正の事例
ある大手メーカーの遮音シートは厚さ約2.5ミリあったのですが、カッターナイフで切断すると、切り口がねじれて、つなぎ目に大きな隙間が生じる欠陥製品になりました。防音工事では、これをシールするだけでなく、別の防音材で重ねて封じるという無駄が生じて、依頼者に相談して追加の防音材を別メーカーから取り寄せて緊急対応したことがあります。
別の大手メーカーでは、製品の密度や切断面は変わらないのですが、柔軟性が乏しくなり振動音など固体音を減衰させる性能がなくなってしまった。
生活防音でも楽器防音室でも、最も難しいのが固体音の絶縁や減衰です。このため、私は市販品の取引を全部止めて、現在の専門メーカーの受注生産品に切り替えたのです。
防音材は性能が低下しても値段は上がる
私は仮に値段が下がっても性能が低下すれば、その防音材は使用しません。今まで新築業者やリフォーム業者が、施主の意向を軽視して使用していた市販の防音材はサイレント修正されることがありました。
また、定価が変わらなくても、取引価格を大幅に値引く市販品もあるのです。大半が遮音シートです。もともと市販の遮音シートは防音効果が小さいので、値段設定自体が怪しいです。
ですが、値段を上げる際に、性能が低下するという事が多く、まさに踏んだり蹴ったりの製品もあります。建築で使用される防音材は玉石混交状態であり、良い製品を選ぶのは相当難しいです。とにかく、主なメーカーの防音材を試してみて判別するしか無い。
余談ですが、私の依頼者にはRPGの音楽やデザインを担当する業界の関係者も居ました。その中で、「精霊幻想記」という原作アニメがあり、これをベースにしたRPG(メーカーはG123)が昨年の5月に作られました。
当初はサイレント修正もなく運営されていたのですが、昨年の12月頃から課金キャラの性能が勝手に変更され、これが原因で止めたユーザーが続出したようです。これは一種の詐欺のようなものです。
無料サービスの内容がメーカー・運営会社の都合で変更されるのは仕方ないことですが、課金サービスがサイレント修正されるのは大きな問題だと思います。
防音材メーカーも残念ながら「サイレント修正」が知らないうちに行われているのが実情のようです。
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