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防音相談と専門業者

昨日、約2年間お付き合いした木造の新築ピアノ防音室が完成しましたが、この事例は後日、契約者の承諾を得てから概要を公開したいと思います。
*この事例も「防音相談」からスタートして「計画書の作成」「計画修正のコンサルティング」「概算見積り」という手順を踏んで契約になった現場です。
防音職人は今年の8月で独立開業20年を迎えます。※準備期間は約1年
今年は、今までの担当事例を分析しながら記事を投稿していますが、このnoteでは実績を振り返りながら、今後の担当現場に役立つ方法論や資材に関する分析記事を引き続き投稿したいと考えています。

その前に防音相談の留意点と、相談者が専門業者を探すときの注意点をいくつかご紹介したいと思います。

相談者は防音相談の前提をいきなり変更してはいけない

今まで成功してきた事例の特徴は、相談者(契約者)が終始一貫して誠実な対応をしていただいた現場が大半であるという事実です。
防音相談の段階で、いきなり前提条件を変更された案件は、大半が問題点を抱えることになり業務そのものを辞退したり、計画を大幅縮小しています。

これは私としては労力と経費の無駄になり、順番をお待ちいただいた契約者に多大な迷惑をお掛けすることになります。特殊事情がない限り、いきなりの前提条件の変更は背信行為にも等しいです。新築の場合は、新築計画や見積り、防音設計の基本計画が全部無駄になることが多いからです。
私の場合は、作業を保留(建前として)します。※基本的に他の契約者を待たせての再相談はお受けしません。

例外は有りましたが、その案件は新築設計の担当者である建築士の変更がなく、修正提案も一からやり直すことなく、担当者が理解できる範囲内での変更に留まった現場だけです。実際に2年前から継続して、やっと今年着工になった新築防音室の現場がありました。
また、契約者は追加の作業費を認めてくれたので継続して検討することが出来たわけです。
しかしながら、未契約の案件は何も保証がないので、継続して検討作業を行うかどうかの判断は、依頼者の誠実な対応の有無によって判断しています。
*今年は、マナー違反の相談者が出てしまい、2件ほど保留しました。

結論を先延ばしすると、まず新築業者のやる気が失せてしまい、かえって余計なコストが発生します。中には新築の請負契約そのものを辞退する建築業者も居ます。彼らも社員の生活がかかっていますから、先に契約になる現場を最優先するのは当然です。
上記の2件は、結局、防音室の施工を担当する業者が保留になってしまい、見積りも大半が手戻りになったので、私は限りなく辞退に近い保留としました。

防音工事の専門業者探しの注意点

防音設計または防音工事の専門業者を探すときに重視すべき点は、間違いなく「該当する建物の担当実績」が豊富であるかどうかです。

私も時々、建築士から仕事を紹介されることがありますが、大半が、過去に相談をお受けした建築士です。彼らは私の実績を知っているので、施主に紹介しやすいわけです。
なので、施主は専門業者の実績を確認することに時間をかけるべきです。業者の知名度や看板の大きさは、殆ど役に立ちません。

事実、私の相談者は、他の大手建築会社や業界大手の専門業者が失敗したご経験をお持ちの方が少なくないです。
この場合、資金力が比較的余裕のある施主であり、別の物件を確保できたので、新築計画からやり直すことが出来たという事情があります。
通常は、一生の買い物ですから、やり直しは殆ど無理です。

また、新築業者が防音工事も担当する場合は、社内規定の確認が必要です。大手の建築会社の社内規定には「取引経験のない受注生産の防音材を使用できない」という内容が含まれていることが多いです。
これが、かなり防音工事のレベルを左右しますので要注意です。
さらに、ピアノ室を計画する場合は、他の記事でも触れましたが、木造の場合は「木造軸組在来工法」がベストです。
ツーバイ工法はかなり不利になり、コストが嵩みますので、建物工法の選択はかなり重要です。新築業者に必ず確認する必要があります。

なお、防音職人では木造新築を担当できる提携先の建築会社が国立市内にありますので、合わせてご相談いただければ紹介いたします。
*施工可能エリアは「埼玉県・東京都・神奈川県及び都心部に近い千葉県内」です。


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