高難度のマンション防音設計にチャレンジする
久しぶりに、前向きで真剣な依頼者のマンション防音工事を設計施工するために契約しました。
場所は神奈川県内の分譲マンション(平成の初期の頃の物件)ですが、予想以上に生活音が筒抜けで、構造的な劣化や音の抜け道がかなり多いようです。
依頼者は居住者であり、自宅内部に仕事場を併設されています。デスクワーク(テレワークなど)が主体で、資料も山積みされています。
まずは、居室(リビングと寝室)の二部屋を防音リフォームとして計画中です。提携先建築士の現場調査と私の提案書が完了して、現在は追加対策の検討中です。年内完成を目標に準備に入りました。
最低でも1か月以上の工期を要する見込みですので、休日を含めて約1か月半はかかりそうです。
直天井の防音二重天井への改造
これは殆どの専門業者が対応困難な課題であり、東京でも私以外に設計施工できないという内容で、必然的に契約が決まりました。
既存スラブとの絶縁しながらの二重天井になり、現在この工法を持っているのは私だけになりました。すでに、5年前に提携先が担当したURの古いマンション(昭和の物件)の天井防音工事で私の計画書・設計書をもとに、提携先の職人は経験済みです。そのときのスタッフと提携先の建築士が現場を担当します。
この設計・施工手法を、今年また実施するとは想定外でした。金額も嵩むので予算的にも内容的にもご理解いただけるとは考えていませんでした。
施主(契約者)が、私のウェブサイトやnoteの記事・コンテンツ事例を熟読してから決断されたようです。
職人に依頼した継ぎ手・仕口の検討
上記の二重天井を構築するには、私が依頼した施工要領である継手・仕口が必要です。一本の部材をプレカットして状況に応じて仕口を加工し、継手補強したり、噛み合わせの部材の断面形状を調整します。
同時に絶縁仕様を組み合わせる、少々特殊な工法のため、過去の事例が今回の可能性に直結します。類似の工法をUR物件で試していたのが根拠になります。施工手順も私の指示通りに問題なく出来たと、現場担当の建築士からも報告があり、彼らも私の防音設計・施工要領には疑問点はないようです。
梁型・柱型をふくめたGL壁の絶縁・遮音
これも特殊な工法になり、使用する防音材の施工要領も細かく手間のかかる内容です。
工事の日程も少し余裕を見て計画する必要があります。
既存の断熱材を残しながら、絶縁するという設計仕様は、提携先も職人も初めて経験したと言います。でも具体的な説明図と仕様書が有るので心配はないと、不安はないようです。
5年ぶりの難しいマンション防音設計・リフォームになります。
とにかく、特注品の確保が出来る現在において可能となる案件ですので、将来いつまで施工できるかは分かりません。
想定外の忙しい夏になりました。
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