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メガシンセシス・ケンブンロク pt19・ふっかつのじゅもん

いやはや、今日の雨はなかなかに凄かったですね。
お出かけの際は長靴を履いていたのですが、ズボンの裾は浸食を受けてしまいました・・・
春の嵐って事でしたが、これから気温が高くなっていくんでしょうかねえ。

と言うワケで長かったメガシンセシス・シーケンサーゾーンを抜けて今日のお話。
前回でもチラっと書きましたがMEGA SYNTHESIS CHALLENGEでのパターンが生成されにされ続け、いよいよ本体内のパターンバンクがパンクしてしまいました。
なので、これからは既存のパターンを上書きしていかないといけないのですが、耳コピの集大成が削除されてしまうのは持ったいない。
って事で、これを一時的にバックアップしてしまいましょうってお話です。

メガシンセシスでバックアップ(およびインポート)できるファイルはパターンファイル(1ユーザーデータ)、FMエディットで作成した音色ファイルまたは音色バンク、作成したPCMキットファイルまたはPCMバンクファイル、そして現在のメガシンセシスの状態を丸ごと保存するフルバックアップと色々な種類があります。
バックアップをしておけば内蔵メモリが埋め尽くされても入れ替えができますし、何かの問題が起きた時(例えばあやまってパターンデータを上書きしてしまったなど)に復活の呪文を唱えることもできます。
尚、メガシンセシスのバックアップはシステムエクスクルーシブファイル(SysEx)として保存されますが、基本的にはメガシンセシス本体に戻す事を前提とした生成ファイルとなっている為、他の機種やDAW等に持ち込む事は出来ません。

ちなみにバックアップと復活の呪文と言う表現を行っていますが正確にはバックアップは[エクスポート]、復活の呪文は[インポート]となります。

インポート/エクスポートはメガシンセシスのMIDI端子を介してPC等で起動したMIDIアプリケーション上にて行われます。
PC - MIDIインタフェース - MIDIケーブル - メガシンセシスと言う形の接続ですね。
エクスポート(メガシンセシスのデータを保存)はMIDI Out端子を、インポート(メガシンセシスへデータを送信)はMIDI In端子を介して行われます。

MIDIアプリケーションは色々な種類がありますが、SONICWARE社としてはPCならばMIDI-OX、MacならばSysExLibrarianと言うアプリケーションを推奨しています。
が、要はSysExを送受信出来れば良いだけなので使い慣れたアプリを使用しても良いと思います。
ここではMIDI-OXを使用した例を書いていきます。

下準備:MIDI-OXを起動し、メガシンセシスと接続するMIDIインタフェースの設定を行います。
※MIDI-OXに関する操作詳細は公式のマニュアル等をご確認ください。
操作や動作に関する詳細に関してはSound Optimizeとしてはお答えできかねますので予めご了承ください。

まずMIDIインタフェースの設定を行います。
PCにUSB等で接続したMIDIインタフェースが認識している状態でMIDI-OXを起動し、メニュー上のOptions>MIDI Devices...を選択し、表示されたMIDIデバイスウィンドウからメガシンセシスに接続するインタフェースを選択します。
ここではMIDISPORT 2x2 In A(エクスポート用)とOut A(インポート用)を選択しています。

続いてインポートやエクスポートを行う為のSysExウィンドウを開きます。
View>SysEx...を選択するとSysExウィンドウが表示されます。

続いて転送設定を確認します。
SysExウィンドウのメニュー上にあるSysex>Configure...を選択し、設定ウィンドウを開きます。
多くの場合、そのままの設定で問題がありませんがMIDIインタフェースの種類等によって転送に問題が発生する場合があります。
その時は転送設定ウィンドウを見直し、必要に応じて設定を変更します。
私の環境では上図の様な設定で問題なく転送が行えています。

次にMIDI-OXを受信待機状態にします。
SysExウィンドウのSysex>Receive Manual Dump...を選択し、ファイルの受信待機状態にします。
待機中は0バイトとなりますが、メガシンセシス本体からファイル転送が行われると受信サイズに伴い数値が上昇していきます。


ここまでの設定が終わったらメガシンセシス側でのファイルの転送に入ります。
まずはそれぞれおエクスポート(ファイルのバックアップ)の選択について。

FMサウンドプリセットの場合はFMエディットのサウンドエディット中にExportコマンドで行います。
バンクの場合はFMエディットのサウンド選択中にExportコマンドで行います。
※エクスポートするバンク/サウンドは現在選択しているものとなります。

パターンの場合はエクスポートするパターンを選択し、func+PTN(DATA)を2回押してP.Exp状態にします。
※エクスポートするパターンは選択しているものとなります。

PCMの場合はfunc+PCM(DATA)を複数回押します。
1つのPCMサウンドをエクスポートする場合はS.Expを、PCMサウンドバンクをエクスポートする場合はB.Expを選択します。
S.Exp中にValueノブやステップボタン、またはPageと1/3、2/4キー、キーの組み合わせでエクスポートするサウンドファイルを選択できます。
同様にB.Exp中にもPageと1/3、2/4キーの組み合わせで6種のPCMバンクを選択できます。

本体設定を丸ごとバックアップする場合は[5]を押しながら電源を入れた後、Valueノブで[EXPT]と表示されるまで進めます。
全体バックアップは時間のかかる作業となる為、電源アダプターなどに接続した状態で行った方が良いでしょう。
また、現在のバージョンではPCMファイルがバックアップの対象に入っていない状態となっている為、全体バックアップを行った場合でもPCMファイルに関しては別途バックアップが必要になりますのでご注意ください。
※マニュアルでは全体バックアップ容量が17,476,311バイトとなっていますが現状ではPCMが含まれていない為、現在のバージョンでは実際のサイズは異なります。
尚、ファームウェアのアップデートにより全体バックアップにPCMファイルも含まれるようになる予定との事ですので気長に待ちましょう。
また、全体バックアップファイルを戻す場合は全体バックアップ後に作成した既存のパターンなども全て上書されてしまうので、必要に応じて新しい全体バックアップファイルを作るか個別ファイル、バンクファイル等のバックアップを行っておくと良いでしょう。

いずれの場合も選択後にOKを押せばバックアップファイルの転送が行われます。
転送中はステップキーのLEDが左から右へ進み、これが全て完了してディスプレイにDONEと表示されるとファイル転送が完了します。
メガシンセシス側の転送が終わったらMIDI-OX側で[Done]ボタンを押します。

転送完了後、MIDI-OX側にファイルが一時的に入っている状態になります。
Sysex画面の下側に転送されたファイルが表示されています。

この状態でメニューのDisplay Window>Save As...を選択し、保存先とファイル名を付けて保存を完了します。
これでファイルのバックアップが完了します。

自分でバックアップしたファイル、またはSONICWARE社で配布しているプリセットPCMファイルをメガシンセシスにインポートする場合はSysexウィンドウのFile>Send Sysex File...を選択します。
尚、ファイルを選択した時点で転送が開始されますので、これを実行する前にメガシンセシス側で設定を完了しておきます。

PCMファイルに関してはまずインポートしたいPCM個別サウンドまたはPCMバンクを選択します。
続いてfunc+PCM(DATA)を複数回押し、S.INP(個別サウンド)またはB.INP(バンク)を選択し、OKを押します。
ディスプレイにIMPTと表示がされたらMIDI-OX側でファイルの転送を開始します。
受信中はでぃすぷていにはRCVの表示がされます。
ファイル転送が完了したら(バンクの場合はBK.RVと表示されたら)OKボタンを押し、DONEの表記が出たらファイルの保存が完了します。

FMサウンドに関してはまずインポートを行うFMサウンドプリセット番号を選択し、FMエディットに入ります。
この状態でMIDI-OX側からファイル転送を開始し、完了後にメガシンセシスのOKボタンを2回押すと転送されたサウンドが選んだ番号に上書き保存されます。
バンクの場合は同様にインポートするFMバンクを選択した後、FMエディットに入りファイル転送を開始します。
転送完了後にBK.SVと表示されたらOkを押すとバンクのインポートが完了します。
この時点でFMエディットの音色セレクト画面になっています。

パターンに関してはメガシンセシス側で何かのコマンドを実行する必要はありません。
MIDI-OXからパターンファイルを転送し、完了するとそのパターンが再生できる状態になります。
この状態でディスプレには転送されたパターンファイル名が表示されますので、パターンファイルのセーブ(func+PTN)で現在のパターン、あるいは他のパターンに保存する事でパターンのインポートが完了します。
※インポートしたパターンファイルはパターン保存が完了するまで一時的なバッファー領域にロードされています。
パターンを変更したり電源を切ってしまうと消失するので注意してください。

ちなみにパターンだけバンク単位のインポートやエクスポートが無いので最初は「なんでだ?」って思ってたんですが、パターンファイルの立ち位置としてFMやPCM各サウンドの個別ファイルを見ている&バンク単位で一種類のパターンやチェインが埋まるわけではない為、管理方法としては適切(パターンだけ即インポートでは無くバッファーにロードした後に個別セーブをする)なのかなあって、まあそんな風に思いました。


と言った感じですが、これで各ファイルのエクスポートとインポートをしておけば間違えた上書保存の対策にもファイル最大容量の問題にも対処できますね。

ちなみにMIDI-OXでめっちゃ説明していましたが、実のところ私はElektronのC6をメインに使用していたりします(MIDI-OXはこれでないと転送エラーが起きる機器でしか使用していない)。
これだとインポートとエクスポートをGUI上のボタンから1発で行えて便利なんですよね。

C6はElektronサイトのSIDSTATIONのサポートエリア等からダウンロードできます。
まあOSによっては動作しなくなっている物もあるみたいなので自己責任で・・・

尚、今回の転送に利用したMIDIインタフェースはM-AudioのMIDISPORT 2x2(しかも旧版)と言うレガシー級のUSB MIDIインターフェースとなっていますが、基本的に標準MIDI端子が付いていてPCとUSB接続してMIDIインターフェースとして認識するものであればなんでも大丈夫だと思います。
AUDIOインターフェースでも、SmplTrekみたいなインストゥルメントでも、MIDIキーボードでも行えると思いますのでお手持ちの機器をでお試しください。

てか、今MIDIインタフェース自体がレガシーなのかもしれませんね・・・
そうだよなあ、USBで繋いだり、Bluetoothで繋いだりできる時代だもんな。




メガシンセシスには現在、3月出荷予定の分までが予約で埋まっている状態となっています。
4月以降出荷分の予約が始まっていますので超気になる!って人はMEGA SYNTHESIS製品ページ(こちらのページから予約ページへとジャンプできます)にとりあえずレッツゴーです。
またページ上部の[オンラインマニュアル]からMEGA SYNTHES日本語マニュアルやPCMリスト等、各種マニュアルをダウンロードする事が出来ますので併せてチェックしてみてください。

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