【車やバイクの話3】エンジンオイルの選び方
車やバイクについてエンジンオイルの話を中心に解説します。
今回は、エンジンオイルの粘度について解説します。
エンジンオイルの選び方
エンジンオイルの選び方の基本は、
メーカーの指定する粘度・規格に沿ったものを選ぶことです。
粘度
オイルは温度によって粘度が異なり、冷たくなれば硬くなり、暖まれば軟かくなるという性質があります。
低温時:硬い
高温時:軟かい
低温時とは、エンジンを始動させる前の冷えた状態です。
高温時とはエンジンが温まった状態を指します。
粘度表記
エンジンオイルの粘度表記は下記のような書き方になります。
「○○W-○○」
例えば、「10W-30」という表記のオイルの場合は、
低温粘度が10で、高温粘度が30であるという意味になります。
低温粘度が低いと、低温での流動性が良くなるため、エンジンがかかりやすいということになります。
また、高温時に高粘度であるほど、耐摩耗性・油膜強度が高くなります。
SAE規格
上記のような「○○W-○○」という表示は、SAE規格に則った表示です。
SAEとは、
SAE International (自動車技術者協会:Society of Automotive Engineers)の略称で、この協会が発行する工業規格のことを指します。
「○○W-○○」の数字の意味
○○Wの数字をウインターグレード
-○○の数字をサマーグレード
と呼びます。
ウインターグレード
数字が小さいほど低温でも粘度が低く、エンジンが始動しやすい。
0W:マイナス35℃以上で、粘度が低くエンジンがかかりやすい
5W:マイナス30℃以上で、粘度が低くエンジンがかかりやすい
10W:マイナス25℃以上で、粘度が低くエンジンがかかりやすい
15W:マイナス20℃以上で、粘度が低くエンジンがかかりやすい
20W:マイナス15℃以上で、粘度が低くエンジンがかかりやすい
サマーグレード
数字が大きいほど、高温での粘度が高くなり、油膜強度が増し保護性能や密閉性が上がる。
粘度の例
「0W20」のオイルの場合
冷間時のオイルの粘度が「0W」なので、
オイルが固まりにくく、低温時でも抵抗が小さいのでエンジンがかかりやすい。
エンジン始動直後の各部へのオイル到達もとても速いが、
高温時の粘度が「20」なので、エンジンが暖まってオイルがやわらかくなってくると、油膜が薄くなり、油膜切れがおこりやすいため、部品の摩耗が発生しやすい。
「25W60」のオイルの場合
冷間時のオイルの粘度が「25W」なので、低温でも粘度が高いため、
抵抗が大きく、エンジンがかかりにくい。
エンジン始動直後は、エンジン内各部へのオイル到達が遅い為、
長めの暖機をしないとオイルが行き渡らない。
オイルがまだ届いていない部品には油膜が薄くなり、油膜切れを起こしやすいため、摩耗する可能性が高くなる。
エンジンが暖まってきて粘度が低下してきても、
「60」という高い粘度を保つため、油膜が厚くなり、摩耗しにくい。
しかし、抵抗も大きいのためエンジンパワーのロスや燃費が悪化する。
粘度指数
粘度指数とは、粘度が温度によってどれくらい変化するかを示す物性値のことで、「○○W-○○」の、○に入る数字の差を基準に考えます。
「10w-40」のオイルは、
「5W-40」のオイルに比べて、粘度指数が低いと言えます。
この逆で、
「5w-40」のオイルは、
「10W-40」のオイルに比べて、粘度指数が高いと言えます。
つまり、
オイルの粘度の差が
大きい場合:粘度指数が低い
小さい場合:粘度指数が高い
ということになります。
まとめ
エンジンオイルの選び方から、粘度について解説しました。
自分のバイクや車にあった粘度、用途にあった粘度のオイルを選ぶことで、
快適なエンジンの始動やドライブが可能となります。
エンジンオイルでそんなに変わるの?
と疑問に思いますが、変えてみると実感できるでしょう。