【考察】 インフラ投資法とEVシフト 投資家のFIREへの旅路 第313回
昨年に米国で成立した、インフラ投資法案。
これは、まさに、今後の米国政府の資金がどう流れるのかのガイドラインになります。
そうなると、利上げ、QTで株式市場からお金が減りますが、
公共事業によるお金が大きく動くため、株価の下支えになるのは間違い無いでしょう。
【 インフラ投資法 】
どこに投資をするのか?
その中身はこうなります。
① 輸送・交通 2600億ドル
高速道路や、主要道路の橋の老朽化への対策への投資です。
これは、交通インフラと整えることで、
問題となっているサプライチェーンの課題解決にも繋がります。
また、鉄道、空港、公共交通機の整備にも使われます。
② クリーンテクノロジー 900億ドル
水力発電、風力発電、太陽光発電などのクリーンエネルギーへの投資です。
また、ガソリン車からEVへのシフトを促進するために、電気自動車充電スポットの全国的なネットワーク整備も行います。
また、公共交通であるバスやフェリーの電気化にも投資をします。
③ 水インフラ 約840億ドル
配水インフラ、飲料水への取り組みを行います。
貯水、地下水の貯蔵、水のリサイクル・再利用、海水淡水化技術などのへの投資を行います。
④ デジタルインフラ 約1,000億ドル
高速通信のための投資です。
この技術はさまざまなリモート技術を行うために必須となります。
遅れがほぼ生じない通信ができれば、リモートで外科手術を行うこともできます。
サイバーセキュリティ問題にも対策します。
【 インフラ投資法とEV 】
多くのセクターに影響を及ぼすことが予想できますが、
やはり注目したいのは、EVの分野です。
EVが持っている課題は、二つ。
価格と、充電です。
〈 EVの課題 〉 価格
テスラのモデル3の記録的な販売数の要因は
価格を抑えた高品質なEVを生産数を落とさず提供し続けたことです。
半導体不足の問題をソフトウェアをカスタムすることで解決。
モデル3を一時値下。
モデル3並みの装備、質感を備えたEVを、500万円を切る価格で提供し続けています。
EVのニーズは潜在的にあったわけですが、
モデルS、モデルXの上位モデルはまだまだ一般的に広まりやすいモデルではありませんでした。
しかし、この時点で、テスラのブランディングが完了していたのです。
乗りたいと思う人は増えていたはずです。
そして、そういったニーズが拡大したところへ、
大衆向けとも言えるモデル3を投入します。そのスタイルもポルシェライクでワイド&ローです。
ここに、政府からの補助金も加わるわけですから
売れるべくして売れたのです。
この点において、
インフラ投資法では、国としてEVシフトに取り組んでいくわけですから、補助の拡充も行われるでしょう。また、優遇税制も増額となる可能性もあります。
また、自動車メーカーへの直接的な支援が行われれば、GM、フォードも安価なEVを発表できる可能性があります。
〈 EVの課題 〉 充電
充電は、ガソリン車との比較で圧倒的に劣る部分です。
時間がかかり、場所も少ないことが問題です。
その両方を解決するのは、家庭充電です。そして、ガソリンスタンド並みに、充電スタンドが必要です。
この点について、
インフラ投資法では、充電スタンド設備の設置への投資を約束しています。この安心感は、ガソリン車からEVへ乗り換える人の支えになるでしょう。
〈 インフラ投資法の恩恵 〉
このように、EVの大きな課題2つがインフラ投資法によってクリアされます。
こうなると、EVは確実に今よりも売れていきます。
テスラの独走が加速するのか、または他社が大きくEV転換を成功させるのかは、わかりませんが、
EVという市場全体は、確実に加熱します。
このセクターを取り込んだ投資は、今のうちに確実に仕込んでおきたいところです。
【 テスラ 】
時価総額世界一となり、イーロン・マスク氏も大注目のテスラ。
今までの動きを見ていると、この先もトップを走っていきそうだと言わざるを得ません。
それは、マスク氏の目的がテスラを大きくすることに無いからです。
彼は、地球環境の延命を目的にしています。
そのためのEVです。
最終目的は、人類を火星に移住させるための道を作ることです。
そのためのスペースXです。
このように、彼の考えは、常人のかなり先を言っていますので、
想像もできないようなことを仕掛けてくると思います。
投資対象としては、まだまだ成長が期待できますが、
個別株では1株10万円ほどになりますから、大きな種銭が必要です。
ETFでも投資をおすすめします。
【 リビアン・オートモーティブ 】
EVの中でもピックアップトラックのメーカーです。
IPO時には大きな株価の上昇を見せましたが、その後は低迷が続いています。
その理由は、販売実績が伴っていないことです。
まだまだ、始まったばかりなのです。
しかしながら、アマゾンの出資もあり、期待はできます。
現在も、株価が60ドル近辺ですから、
数年の低迷を覚悟の上で、長期でもリターンを目指すなら、今のうちに買っておくのは良いかもしれません。
インフラ投資法でも恩恵も確実に受けるでしょう。
【 TOYOTA 】
大きなEVシフトを発表したTOYOTAですが、
やはりまだ後発のイメージが残ります。
また、米国においては、補助金の対象とならない可能性もあり、
その辺りは、デメリットとなります。
そう言った意味でも、課題は価格です。
高品質なものを作ることは確実でしょうが、それをそのくらいの価格で提供できるのが勝負です。
【 GM ・フォード】
インフラ投資法の恩恵を大きく受けるでしょう。
しかし、それがどこまで消費者への還元となるのかはわかりません。
現在でも世界でのシェアは低迷しているので、
EVシフトで復活とまではいかないでしょう。
大きな雇用を生み出しているのは、事実ですから、
バイデン政権にとって、労働者への満足度の向上には必要な企業です。
【 まとめ 】
インフラ投資法は、アメリカ全土で大きなお金が動くコミットです。
そして、
今回見たように、EVへの投資は確実です。
現在の株価は、利上げ、QTを前に低迷していますから、
次に大きく下げたタイミングでの投資は長期で見れば成功になる確率が高いです。
慎重に見る必要はありますが、
勝算は高いと思います。
3月の利上げ開始前にさらに下がったタイミングが次の買い場でしょう!!!
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