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Pro Toolsにパソコンの音を取り込む方法
こんにちは!サウンドブリックスの上野です。
僕は普段映像に音楽や効果音をつける「音響効果」という仕事をしています。
https://note.com/soundbricks/n/n3b936affa4fe
先日「ProToolsでAirPods Proを使う方法」という記事を公開したところ、それなりに反響がありましたので応用編ということで今回もAudio MIDI設定を使った便利技をご紹介します(Audio MIDI設定は「アプリケーション>ユーティリティ」フォルダ内にあります)。検証はしていませんが、おそらくPro Tools以外のDAWでも使える内容だと思いますので気になる方は個々でお試しください。また僕はMacユーザーなので内容はMacでのお話になりますことをご了承ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1723555744869-He35hIsaZD.png)
最近では何事もデータで作業することが多いので、僕自身パソコンの音を取り込むという機会はかなり減ってきてはいますが、もしかしたら「このようなことがしたい」というニーズがあるかもしれないと思い、今回記事にしてみました。ここで説明する内容はアナログで結線をして音を取り込むというものではなく、ツールを使いながらパソコン内だけで完結させる方法になります。
設定をする前に「BlackHole」という無料のアプリをインストールしておきます。
「BlackHole」は仮想オーディオデバイスのことで、パソコン内でバーチャルの結線するもの、くらいに考えておけば良いかと思います。あまり詳しく覚える必要はありません。インストールの仕方など詳細はこちらをご覧ください。
ちなみに昔は「Soundflower」という仮想オーディオアプリがよく使われていましたが、最近のOSでは使えなくなっているようです。
次にAudio MIDI設定の左下「+」ボタンから「機器セットを作成」を選択します。その際に設定の名前をつけておくと便利です。ここでは「テスト」としておきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1723559980284-y3bPybLP8i.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1723556958594-1bI2oe4qaT.png)
設定の中身ですが、Pro Toolsから再生されるオーディオインターフェースと「BlackHole」2つににチェックをいれます。ここではインターフェースはMOTUのM2を使っていて「Audio Out」と表示されています。
この設定により、2つのデバイスを同時に使うことができるようになります。
ただ、実際は「BlackHole」の音は仮想のデバイスなので鳴りません。それだと音の確認ができないため、インターフェースも同時に使える仕様にしておきます。
・「BlackHole」→パソコン内の音を取り込む役割があるが音が聞こえない。
・「インターフェース」→パソコン内の音をデジタルでは取り込めないが、音を出して確認できる。
上記のような形で、足りない部分をそれぞれ補完させるためにこのような設定にしてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1723556000015-Gsi8DToz2e.png?width=1200)
次にパソコン側の設定をします。
出力のデバイスを「BlackHole」にしておきます。
ただ、この時注意が必要で「BlackHole」は仮装オーディオデバイスなのでこのデバイスを選択した時点でパソコンからは音自体を聴くことができなくなります。なので不都合がある場合はPro Tools側の設定をしてからにするか、先ほどAudio MIDI設定で作った設定(「テスト」)もパソコンの出力デバイスとして認識されているはずなのでこちらを選択しておきましょう。そうしておくことで「インターフェース」「BlackHole」から同時に音が鳴るようになります(ただし「BlackHole」の音は実際には鳴らない。意味わかりますでしょうか?)。
このままの設定にしておくと、後ほどPro Toolsの入力側で設定した時にパソコンの音とPro Toolsに入ってくる音がダブついてしまうので、Pro Toolsを設定をする時にはパソコンの出力デバイスを「BlackHole」単体に戻しておくことをお勧めします。
![](https://assets.st-note.com/img/1723556008809-PC4qsfHnbC.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1723558931020-AXxb1JRzOq.png)
ここまでできたら最後にPro Tools側の設定です。
今までの工程を踏んでいればプレイバックエンジンから設定したデバイスが選べるようになっているので作った機器セットを選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1723559450839-dmu2tL35M2.png)
インプットのチャンネルが複数指定した機器設定の分増えているはずです。
ここではインターフェースM2を使用しており、インプットは2チャンネルしかありませんでしたが、「BlackHole」と同時に使用できる設定のため、
3-4チャンネルが新しく追加されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1723559600850-c5RObkmGDw.png)
ここで先ほど作ったAudio MIDI設定の「サブ装置」部分に戻ってもう一度確認してみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1723560133571-8hm27ykJTo.png)
これはチェックを入れた順番で変わるのですが、僕は「Audio Out」の次に「BlackHole」にチェックを入れたため、自動的に入出力とも「Audio Out」は1-2ch、「BlackHole」は3-4chにアサインされました。
パソコンから音を取り込むためには「BlackHole」から出力されているものを「BlackHole」で受ける必要があるため、Pro Toolsの入力を3-4chに設定しておきます。パソコン側のデバイスを「BlackHole」に戻しておくことをお忘れなく。
![](https://assets.st-note.com/img/1723560822903-PloHSaXFqs.png)
この設定で試したところ無事にパソコンからPro Toolsに音を取り込むことができました!そしてインターフェース機能しているので、きちんと音を聴きながら録音することができました。
あとで思いついたのですが応用編として
・チャンネル数の少ないインタフェースを複数用意してマルチチャンネル化する
・ワイヤレスイヤホンとインターフェースを同時に設定して置いて視聴環境の切り替えをスムーズにする
みたいなこともできそうですね(僕はまだ試していませんが)。
生配信などでも色々工夫した設定ができそうです。
注意点としてAudio MIDI設定から設定をカスタマイズしたものがPro Toolsのデバイスとして認識されないことが何度かありました。その場合はアプリやパソコンを再起動した上で再度お試しください。
皆さんなりのお好みの設定で作業を効率化していただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。