【ライター私信】2024年よかった曲
サウラボディレクターひろむです!2024年今年の漢字って「金」なのもう忘れてません?
そういやなんですけど、サウラボ内で僕はラジオ担当でもあるんですよ。
一番新しい回はこちら↓
サウラボ代表の380(みやまる)と二人でお酒を飲みながら「今年こういう曲良かったよね〜」という話をしています。
それと関係ある話で、僕は毎年「その年に発表された曲」(邦楽)で「好きだな〜いいな〜」となった曲をまとめてプレイリストを作っています。
前回までディグの話してたし、「ひろむは2024年こういう曲聞いてたよ〜」って参考にしていただけたら幸いです。もう2月だけど。
同じような趣味嗜好の人がいたらHAPPY。
では発表します。
SATOH-OK
昨年から好きになったデジロック2人組ユニット。
今年の曲は気だるさとちょっとのグランジ加減がなんかある種の若者!って感じを出してる。
本当に若者の葛藤があるなら気だるくてちょっと汚くて乱れてるはずで、そんなのを感じさせますな。
なんかコピーしたくなるシンプルなベースラインが個人的にツボ。
LITE-Threads
なんで!?!?!?歌ある!?!?!?!?
LITEってインストバンドなので新曲発表されて、聞いてラップ入っててマジでビビり散らかしました。
今年出した「STRATA」には9曲中5曲もボーカルが入ってるという新しいカタチ。
それでも「インストバンド」という立ち位置は変わらないそう。
今回挑戦してみたって感じかな。でも武田さんのボーカルって静かに落ち着いてて、それでも音をしっかり配置してる感じが「歌ありきのバンド」ではなく「声が楽器の一つとして機能しているインストバンド」という感覚がありますね。
the pullovers-朝のテーマ
久しぶりに若いバンドディグるか〜と思い立ち、好きなレーベルのUKPの新人を漁り、そしたらCettia(セティア)というシンガーソングライターの女の子がいて、その女の子がバンドを始める…
という文字情報から知ったのがthe pullovers。
シンガーソングライター、平たく言えばアコギ女子めいた人がバンドを組むとなると「結局歌モノなんでしょ〜?」という疑念があったんですが、聞いてみるとモロにエモとかオルタナ。どうやらギターの人とは大学時代にパラモアのコピーで知り合ってたらしく。パラモアて。大変趣味がいいですな。
これ以外にも今年出たアルバムがすごい瑞々しい女性ボーカルオルタナロックになってるので、そこら辺好きな人は絶対注目したほうがいいバンドです。
白昼堂々踊レ人類-死神
2024年、サウラボでインタビューさせていただきました。
きっかけは僕が対バンしたからなんだけど、そういう付き合い抜きにしてもめちゃめちゃいいバンド。
落語×ファンクロック、がテーマのバンドで盛り上げ方もめちゃめちゃうまいし、落語の溶け込ませかたも素敵。
是非ライブ見てほしい。ゴリ(Vo)さんが普通にめちゃ歌うまいし。
Mega Shinnosuke -hello shogaze…
メガシンの曲ってなんでこうも胸がギュッとなるんでしょか。
バンドサウンド主体のもあるけどこの曲はがっちりエレクトロのドラムンベース。疾走感すごくて超気持ちいいです。これ聞きながら踊ってます家で。
『iPhone』のときもそうだけど、令和の新時代のシンガーって感じがしてすごく好感です。
最先端だなって思う。そういや今年メガシン、TikTokでめちゃバズしてたね。2025年すげえ流行ったりするんじゃないかな。結構いろんなフェスで名前見たりするし。
muque-Bite you
このバンドに関してはいつも追ってるとかではなく、YouTubeの広告で偶然流れてきたんだけど…一聴して「いやビリー・アイリッシュじゃね!?」ってなりました。いやまあそれだけならパクリか?(よく聞くと別にパクリでもない)で終わるんだけど、ちゃんと聞くと邦楽ロックナイズドされてるというか、現代の日本に合うようなニュアンスで昇華できてるなって好感もったんですよね。そういうふうに文化がいいとこ取りして切磋琢磨してったらいいなって思った一曲です。
カネコアヤノ-ラッキー
「カネコアヤノがサイケデリックやってるぞ」というXの書き込みを見て聞いてみました。 ンめちゃサイケやんけ!!!!!! 深く歪んだギターと空間系で飛ばしたギター。それにカネコアヤノのふわっとしたボーカルがよくあってて、ドリームポップ然ともしてる気がする。 シンガーとしてというか、ひとつのロックスターとしての権威だよなと思った一曲です。
AJICO-ラヴの元型
おい!!!ベンジー!!!いきなりグレッチで打つんじゃないよ!!!!! イントロのベンジーのギター、思わず目が醒めちゃう強さ。ギターはベンジーなのはそうだけど、ベースはTOKIE姐さんで強いし、ドラムは椎名さん(吉川晃司とか布袋のドラム)で強いし、ボーカルはUAだから強いので、日本のバンドでもだいぶ強すぎる。 ちなみにこのアルバムの「あったかいね」はすごいベンジーだな〜ってなるのでそちらもオススメです。
武田理沙-狂想・未来・ロマンチカ
武田理沙さんよく知らないですけど…その…頭が宇宙でいらっしゃる…?
7分半(長っ)の曲だけど35分ノンストップのオーケストラ聞いてるくらいの情報量。あんま良い例えでもないか?とにかく「よくわからない、をよくわかってる人」なのかもしれない。マジで宇宙。経歴を調べるとピアノとドラムを専攻してらっしゃるとのことで、そしたらこういうカオスな曲構成になる…わけなかった。
とにかく、音の洪水と展開の雪崩に飲み込まれたい人にはオススメ。2024年に出たアルバムはさらに意味わかんない曲もあったのですごいです。
橋本絵莉子-Oh,Cinderella
元チャットモンチーのえっちゃんのソロ。
シンプルなギター1本のスリーピースだけど、そこに明らかな”芯”がある。どんなバンドとかよりもある強い圧があるというか、彼女のロックンロールってこれだよなってすごい染みました。
現代のロックンロールってなんだって思ったらこれじゃないか?
バンドマンとしてもシンガーソングライターとしても、どうやっても橋本絵莉子って橋本絵莉子の芯があるってめちゃ感じました。
原口沙輔-イガク
今年になってからボカロも聞けるようになったので流行ってるのとりあえず聞いてみるか〜と思って聞いたらぶったまげ。こんなバカみたいな音圧しちゃっても〜〜〜。音の使い方がどこかMADめいてて、なんか好きなもの(ニコニコ動画とかのインターネットの文脈)が続いてったらこうなるのかなってしみじみ。DJでかけてえけど無限にいるんだろうな。
kurayamisaka-jitensha
イントロで優勝。
友人が「俺達が好きなのはこれだよな」って言われて聞いたけどマジでそうです。ギターロックとちょっとシューゲでもあるのかな?マジでイントロで優勝すぎる。
途中のギターソロもファジーで気持ち良すぎるこういうソロ弾きたすぎる。
もしかしたらこれって「こういうタイプのギター弾きにしかわからないんじゃないか?」ってなるけど、そうかも、だって俺はこういうタイプのギター弾きだから。
the bercedes menz-SMAP
ノイズとかハードコアなバンド要素を持ちながら、自分たちを「J-POPです」と自称するバンド、ベルセデス。去年からハードコアとして超ハマってたんですが、J-POPとは?とちょっと思ってたけどこれで感じました。彼らはJ-POPなのかもしれない。
タイトル通り「SMAP」の要素がこれでもかと埋め込まれている。SMAP好きな友人に聞かせたら驚いてました。しれっとjoyとか入ってたりメロディには夜空ノムコウ入ってたり。
聞いてみていくつ入ってるか数えてみては?
valknee-OG
ギャルラッパーのバルニーちゃん。バルニーちゃんしか勝たん。
バルニーちゃんマジで歌詞いいんだよなあ。
「用事ないけどドンキ寄ってり」が「寄っ”た”り」じゃないところになんかきゅんとしちゃう。ギャルとしてこう、ほんと尊敬してます。
他人のディスで上がらないところも好き。そういやパンティ&ストッキングがまたアニメ化するじゃん。そういうときにバルニーちゃんが主題歌とかしてくれたら最高だな〜。
トラックはhirihiriなんだけどキッククソ重いのもいいね。
Plastic Tree-メルヘン
プラツリすぎる!!!!!!
プラツリの良いとこ詰めた福袋みたいな一曲。癖のあるボーカルやキラキラしたギターのアルペジオ、シンプルに刻んでくれるベース。あとハウリング。プラツリってどういうバンド?って言われたらこの曲聞かせるかもしんない。
「初期がよかった」って声はバンドにおいてよく聞く言葉だけど、初期も好きで今もちゃんと好きになれるバンドって本当に良いなって思います。
椎名林檎,のっち-初KO勝ち
これ前情報なし映像なしで聞いたら「あっ、この声は…のっち!」ってなる人いるのかな?
それはさておき、コラボ相手にのっち選ぶセンスはすごいなって思う。目からウロコ。のっちってエフェクトなしで歌うとこういう声なんだね〜。ファンからしたら「そうだよ」って感じなのかな?
ところで、この曲で気付いたけどミックスぱっつぱつでそこはちょっと難しいなって思った。椎名林檎のコンプレッサーってすごいな。
Tempalay-愛憎しい
テンパレイって、king gnuくらい売れていいと思うんですけどどうですか?
サイケデリックでありながら壮大なオーケストラ感もありつつ。ポップスとしての部分も共演してる。ギターバンドとしての肝もある、結構マジ強バンドだと思います。
この「愛憎しい」って構成すごくて、2分半の曲で、クライマックス?みたいな感覚がすぐ訪れる。そのまま引っ張るかと思いきや1分後半で急にファンクとパンクが同居する。すごい構成だと思います。フェスとかではよく見るようになったけど、もっとお茶の間にも受け入れられると思うけどなあ。
PELICAN FANCLUB- i was born in november
THE NOVEMBERSすぎるだろ!!!!!!!!!!!!
2024年からエンドウアンリのソロプロジェクトとなったペリカン。以前からノベンバ好きを公言してたけど、もう隠すとかなんでもないというか、ノベンバ後継すぎる曲を出してきやがった。
例えばアジカンの後継がカナブーンなように、素敵なバンドにはそうやって後継ができていくと思うので、良いことだと思います。
そして僕が人生で1番好きなバンドがノベンバなので後継されて然るべき。ノベンバはノベンバとして進化してるけどね。
米津玄師-さよーならまたいつか!
米津はもちろん実はボカロP時代から好きだし、新曲も気に入ったんだけど、作曲家としてまた一つ進化したなと思って。
だって、米津玄師ってバンド文化から誕生した→つまり作曲のベースはギター、なはずだよね?それがいい意味で微塵も感じないというか。
ギター発作曲家がフルストリングスの曲書くのってめっちゃ難しいんじゃないかな?たとえDAW上で作るにしても、相当な知識が必要なはず。
そういう意味で、もちろん良曲なんだけど、作曲の過程を想像するとまた一味違ってくる一曲。
ピーナッツくん-Birthday Party feat.月ノ美兎
俺が好きになったVtuberは月ノ美兎委員長→ピーナッツくん、なので好きになって然るべきではあるんだけど、普通にサウンドとしての強さすごくない?ドラムンベースとヒップホップの良さが融合して、ブレイクコアの盛り上がりで絶頂迎える感じがすごくアゲ。
ライブ映像もバチバチですげーよかった。「月ノ美兎」で出てくるとこ、何回見ても鳥肌立つ。
THE SPELLBOUND-Unkown
ノベンバ小林とブンブンサテライツの融合バンドスペルバウンド。出だしのキックの洪水にぶちのめされました。
スペルバウンドって日本では珍しくダブルドラムなんだよね。ドラム二人いるの。ドラム2人ってどうなるんだろうって想像しづらいけど、この曲はぜひダブルドラムで聞きたい1曲。リズムがなだれこんできて鼓膜を揺らす感じがマジで気持ちいい一曲です。
超てんちゃん,NEEDY GIRL OVERDOSE,原口沙輔-きゅびびびびずむ
「NEEDY GIRL OVERDOSE」という育成ゲームの「超てんちゃん」というキャラが歌った「きゅびずむ」と曲を原口沙輔がアレンジしたもの、で合ってるかな?
とにかくハチャメチャでドープなMAD、という感覚。原曲を聞いてからこっちを聞くと切り貼りの技術に驚きつつ、こっちが正しい気もしてくる。
てんちゃんの心情ってこっちなんじゃないか?どうなんだ?人間ってきっとこんくらいカオスです。
「老人が隣でじっと見てたよ」の使い方やばすぎるだろ。
長谷川白紙-KYOFUNOHOSHI
いみわからん。天才なのかどうかもわからん。
人間が作ったものなのか?
すいません、僕には解説とかはできる気がしません。
コードも、歌詞も、展開もまったく予測不能。
ただ、僕はそういうのだ〜〜〜〜〜いすき。なにもかもが予測できない、一つ向こうの景色なのかもしれない。
AIとか、地球環境、社会、すべてが織りなしてここに長谷川白紙の一曲ができたんだな。多分。
フレデリック-PEEK A BOO
フレデリックってこれだよな!!!!!
マジでオドループの一発屋(あとボートレースの「のってけのってけ」もあるか)と思ってる人はもったいない!!!
フレデリックの良さって、ハイファイでスマートな音のくせに不協和音とか急な転調とか変なサイケ音で自律神経揺らしてくる曲だと思うんですよ僕は。
なのでこのピカピカブーでめっちゃアガりました。これまでの踊れる邦ロックの良さみたいなのも受け入れつつ、「は?なにその音」みたいなのがたまに入ってて、適度にキモい。この適度にキモい感じがフレデリックですよ。ぜひ見直してください。
n月-野崎りこん
野崎りこん、僕が1番好きなラッパーです。
「保健室登校のあの子は天文学部の部室になっている屋上への階段の踊り場に座り込んでじゃがりこを齧っている。『いる?』『ぁ、や、遠慮しておきます』『なんで敬語?』」
↑ここすごくね???この歌詞すごくね??
あの00年代のラノベ・アニメの感じ。あと「ぁ」なところ。すごい。なんだこの感覚。ニコニコ動画、ライトノベル、けんぷふぁー。
星の数以上歌詞があるけど、こんな気持ちになる曲はこの歌詞しかない。野崎りこんしかない。
若い頃オタクだった皆さんにぜひオススメしたい。
TAIKING,YONCE-Footprint
元サチモスのギター・タイキングのソロに、コラボとして元サチモスのボーカル・ヨンスが参加。てことはサチモスでは!?(名推理)
でもサチモスではない仕上がり。確かに、ギタリストのソロらしくギターの音も立ってて、でもしっかりJ-POPとかR&Bな感じ。久保田利伸っぽいのかな?
というか個人的にサチモスがめちゃくちゃ大好きなので、このコラボは最高でした。仲良いんだろうな今も。
質が良い一曲です。
moreru-人間讃歌
※音量注意
※鳥肌注意
※真実の音楽
ete-おまえをゆるさない
ポストハードコアでド暗世界観でありながら激甘ボイスなeteの新作。スリーピースだよな?これ歌いながら弾いてるの?すご。
打ち込み音とか、以前からエフェクティブな曲作りだったけど最近になってマジでもっと多様な表現方法に手を出している印象。
確かに音像はハードなんだけど、もっともっと躍進して、色んな音の使い方を見せてくれそうでワクワクします。
おいしくるメロンパン-沈丁花
細かくて繊細なコードワークが特徴のおいしくるなんだけど、新曲はさらに磨きがかかってる気がする。ていうか歌も含めて演奏がどんどんうまくなってませんか?
曲があっさり終わる感じとかはおいしくるっぽい。おいしくるって深追いしないというか、深くなりすぎないというか、壮大すぎないのが良いよね。
歌詞も哲学的なんだけど(本人は意味考えないで適当に書いてるって言ってた気がする)それもなんか没人間な感じ。このあっさりさと技術に乾杯です。あとMVのナカシマがビジュ良すぎ。
Aooo-アパシー
赤い公園という素晴らしいバンドがありまして。そのボーカル、石野理子ちゃんが今後どうなるって感じだったんですが、まさかのドリーム・チームで復活!
ギターは「テレキャスタービーボーイ」で有名なボカロPのすりぃ、ベースはYOASOBIやももクロのベースを弾くやまもとひかる、ドラムは「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」も書いたツミキ、そしてアイドルネッサンスから赤い公園とボーカルを努めた理子ちゃんというドリームチーム。
全員曲書いてるからか、なんか豊かなんですよね。そして「バンドとしての喜び」がパッケージされてる。そこはなんか初期の東京事変と空気感似てるかも。まだ活動したてなので今後でっかくなってほしいなって願ってます。
篠澤広‐メクルメ
12月末にこんな曲が待っていたなんて…アイドルマスターの最新タイトル「学園アイドルマスター」内のアイドル篠澤広さんのソロ曲になります。
学マスは今までのアイドルマスターと違って「個」が大きく現れるようになってて、この知的好奇心をくすぐるような曲は広さんをよく表しています。彼女は体力に自信はないけど天才で何考えてるかわかんないみたいなキャラなのでこの曲がピッタリというか、なにがなにやらわからないけどなにかわかりたくなるような…(オタク早口)
作曲のフロクロにめちゃくちゃハマっていて、ボカロPでハードテクノみたいな構成しつつもインダストリアルというか…
とにかく聞いてもらうと多分学マスをインストールしてるはず、その右手が。
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著者:ひろむ
サウラボのコンテンツディレクター。曲を作って歌う人。
ライターやラジオパーソナリティーといった側面も持つ。
Twitter:@9630166 https://twitter.com/9630166
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