ノンモンについての考察2ノンモンの歴史

ノンモンの一考察としてその歴史について語っていこうと思います。

まず、古い話ですが映画のフィルムにはノンモンがありました。
これは物理的な都合によるもので、かなり回り道になりますが、まずここから解説したいと思います。

かつて映画館で上映されていたFILM。
静止写真の連続でしかないFILMがなぜ動いて見えるのか?
これは興味を持ったならすぐに回答に辿り着けると思いますが、いわゆるパラパラ漫画、ちょっとずつ変化する静止画を連続的に見せられた時、人間の脳は動画として処理します。

逆説的ですが、映画館のフィルム映写機は静止画を高速に連続でスクリーンに投写する仕組みになっています。文章で説明するのは難しいですが、

静止画投写→光を一時遮断→その隙に次の静止画へ移動→静止画投写

という間欠運動を繰り返しています。

FILMが間欠運動していると困るのは音です。
映像は静止画の連続的間欠運動で、人間の脳は動画として処理しますが、音はあくまで連続運動です。

そこで、映画のFILMは映像と音を収納する場所をずらして記録しています。映像の静止画に対して35mmフィルムで20コマ先行して音を記録しています。

画像2

このように画の記録場所と音の記録場所が違います。

これ映画では通常は問題にならないのですが、予告編、CMなど短いものは映像の1stCUTでハサミを入れて映画館でつなげて上映することになります。
そうなると頭から20コマ間の音は無くなることになります。

その為頭の20コマ無音状態を作ることを「ノンモン」と言っていました。
結果としてですが映画館で流れるCM、予告編制作時には頭に必ず20コマのノンモンが必要なことになります。

セン


さて、かつてのアナログTV放送時代は「頭のみ」15フレームノンモン(29.97fpsなので0.5sec)が存在しました。
私が仕事を始めた1999年はその状況でした。
当時を振り返るとアバウトなルールで、音量も含め正直放送局のチェック担当の匙加減で、厳密なルールは不明でした。
ちょっとノンモンが足りなくても、放送局から納品NGが出なくなってきたので、ノンモンは徐々に短く、15Fが13Fになり、それでも返却さらなければどんどん短くなり、10Fになり・・・・最終的には9Fまではノンモンが減っていました。

そんな時世の中地上波はデジタルへ移行します。

地上波デジタル放送は様々な移行期間を経由して徐々にデジタルへの移行が進んでいきます。

ここからは実際体験していないので、噂レベルの話ですが
アナログとデジタルの放送が混在していた時、その切り替えで半秒の前後ノンモンがないと音声に大きいノイズが発生するという事態が発生しました。
当時の技術としては、業界ルールとして半秒ノンモンがあるということを前提でシステムを組んだのではないでしょうか?

その事もあって厳密に前後0.5Secのノンモンを入れるルールが厳格化されたと聞いています。そしてその厳格化されたルールは、サーバーでのノンリニア納品という時代になってさらに厳密になっていきます。どのくらい厳密になっているかは前回記事で書いています。

今だにTVは0.5Secのノンモンが必要です。
それは放送局が定めた納品ルールであり、取りあえずはそれを守らないと事故案件として、受け取ってもらえないということです。
リニア(テープ)納品時は誤差、として許容されていた事が通用しなくなってきている。という事ですね。


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