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卒業生の事例紹介 #6「まずは使ってみなはれ」SOUNDカードが広げる「言える化」文化
SOUNDコーチ養成講座卒業生である、後藤 雄三さんに自組織におけるSOUNDカード導入に関してのお話を伺いました。SOUNDカードの活用の社内展開をどのように図っていったのかをつまびらかに語っていただきました。ぜひご覧ください!
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■インタビュイー:後藤 雄三さん
行政官を経て、2年前に株式会社荏原製作所に入社。現在、リスクマネジメント、カーボンニュートラル、法務、安全保障貿易管理を統括するとともに、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンも担当。
1.SOUNDカード展開のきっかけ
―SOUNDカードを会社でどのように使っていらっしゃいますか?
社内に有志が立ち上げた勉強会コミュニティがあるのですが、その事務局メンバーの協力を得ながら、SOUNDカードの体験会を開いています。これまで10回ほど開いていますが、「一度やってみたい」という部署なども出てきて、少しずつ社内に関心が広がってきています。
―SOUNDカードを使うにあたって、後藤さんはどのような課題を感じていましたか?
私はもともと公務員で、(株)荏原製作所には中途で2022年秋に入社しました。入社後は、組織開発や働き方改革などでお役に立てないかなと考えていました。まあ、周囲からすれば「〇下り」に見えますし、社内的には異分子でしょう。「民間の方はご存じないでしょうが、行政はこんな動きになっています」なんて話をしても嫌われるだけですので、なんとかして現場に入っていきたいという気持ちはありました。
入社してみると、伝統的なメーカーということもあって、社風は非常にまじめです。社会に貢献する製品を作っている会社なので、製品に対する思い入れや誇りも非常に強い。ただ、外部とのコミュケーションが少なく、発信が少ないなと感じたんです。内に秘めた思いは素敵ですが、もっと外に出て、外部とつながってほしいと感じました。そうしたことに、私の知識や経験が生かせないかと考えていました。
―SOUNDカードを使ってみようと思ったきっかけはなんでしょうか?
勉強会コミュニティのメンバーと知り合って、「前にいた職場でも働き方改革やウェルビーイングをやっていた」と話すと、「じゃあ、一回話を聞かせてください」と言われて、私も勉強会に参加するようになりました。そんな中で「SOUNDカードというものがあるんだけど、どう?」と話したら、興味を示してくれる人がいたんです。そこで、「一度試しにやってみよう」という話になりました。
―反応はいかがでした?
好評でしたね。ゲーム感覚で面白いし、「言える化」というキーワードも関心を引いたようです。そこで、オンラインコミュニティでも紹介しようという話になり、外部のコンサルタントを呼んで、カードが開発された経緯やチーミングの重要性などを話してもらいながら、SOUNDカードについて学ぶというオンライン勉強会を開くことになりました。その後、実際にやってみようということになり、月1回程度、体験会を開催するようになったという流れです。
―体験会はどのように実施しているのですか?
私達の会社には「1週間の勤務時間の5%相当分は、会社の成長につながることであれば自分の好きなことに自由に使える」という制度があるんです。それがだいたい週に2時間くらいになる。午後3時半から5時半ぐらいで、恒例の体験会を始めました。StatusからOutcomeと進んで、いつもUnderstandの途中で終わるんですけど。Outcomeでステートメントを書き出すと、それなりに盛り上がります。各回の参加者は3人から5人ですが、回を重ねるごとに、社内でも関心をもってくれる人が増え、「機会があったら、やってみたい」という声も聞くようになりました。「うちの部署でやりたいんですが、来て教えてくれませんか」といった声が掛かることもあります。
―SOUNDカードの推進者は後藤さん1人ですか?
勉強会のメンバーから「自腹でSOUNDコーチ養成講座へ行ってきます」という人が現れまして、今では私も含めて4人います。体験会の参加者の中には「来年度の予算で養成講座の参加費用を確保しました」という人もいて、今年講座に参加するそうです。私以外の推進者にも「うちの部署に来て、教えてほしい」という声が掛かっているようで、散発的に社内に広がっているというのが現状です。
―社内的にはSOUNDカードに対して、どのような反応が多いのですか。
反応が良い人がいる一方で、あまり関心のない人もいて、人それぞれです。しかし「どのようなものなのか気になっている」という人は着実に増えている印象があります。ただ、全社的に知名度があるわけではなく、非公式のコミュニティができたばかりなので、これから少しずつ口コミで広がっていけばいいなと思っています。
2.SOUNDカードの「言える化」という可能性
―後藤さん自身はSOUNDカードに対して、どのような可能性を感じていますか?
「言える化」というキーワードですよね。当社は、数年前から社長以下、肩書でなく「さん付け」で呼ぶなど、比較的風通しが良い社風だと思います。しかし、経営幹部が何でも言いたいことを言っていいと言ったとしても、現場からすると目の前の仕事に忙殺され、言いたいことを言う暇が無かったり、やはりどうしても社内には「言いたくても言えない」と遠慮してしまう人がかなりいるのではないかと思います。
でも、なかなか口に出せない思いやアイディアなどをSOUNDカードの力を借りて口にするという体験を繰り返していけば、社員も「こういうツールを使えば、話しやすいよね」という気持ちになるのではないでしょうか。そうした形で、SOUNDカードが草の根的に広がっていけば、社内の文化風土も変わっていくのではないかと期待しています。
―後藤さんは「言える化」を重視されているんですね。
何か言いたいけれど、「これを言っていいのかな」と思って躊躇してしまうということは誰にでもありますよね。私はコーチングの資格も持っているのですが、自分の考えを口にすることで得られる気付きはとても意味があると思っています。自分の思いを言語化することで、自分自身を客観的に見られるようになりますし、周囲も「この人はこんなことを考えていたんだ」と気づけます。そうした気付きは大切です。
3.SOUNDカードを組織内展開するためのポイントとは
―他の3人の推進者の方はSOUNDカードをどう見ているのでしょうか?
会議やミーティングで、誰も何も言わず場が凍ってしまうということがありますよね。そうした閉塞感を打ち破ってくれるのではないかという可能性を、3人とも感じてくれている気がします。SOUNDコーチ養成講座を受けた社員の1人は、実際にSOUNDカードを体験してみて「これを使えば、社内の議論の活性化を促せる」と涙まで浮かべて喜んでいました。社員が自由に話すのを抑え込んでいる、そんな社内の雰囲気を動かす力があると感じたのではないでしょうか。
―後藤さんがSOUNDカードを社内で広めるために、意識しているポイントはありますか?
あまり押し付けないことです。「SOUNDカードを使ってみましょう」「研修には必ず取り入れましょう」にはしたくはないですね。カードの良さに気付いた人が「これはいいかも」と言って広がっていくのが一番良いと思っています。自分から積極的に勧めなくても、みんなが可能性を感じてくれたら、そのうち自然に流行るだろうと思っていました。
―体験会により多くの人に参加してもらうための取り組みなどはされていますか?
勉強会コミュニティに参加している社員が1,800人以上いるんです。ですから、勉強会を開催するとオンラインで100人、200人規模で参加者がいる。リアルで開催すると、参加者は数人になってしまうのですが、それでもベースの数としては大きいですよね。それだけの規模の中から、実際に参加してくれる人は、やはり前向きな人ばかりです。
―かなり手応えを感じられているのですか?
実際にはまだまだこれからで、今後の展開を考えているところです。
当社でも「働き方改革プロジェクト」が実施されており、各部門で働き方改革を進めるための施策を取りまとめることになったんです。その施策を事務局に提出すると社内に公表されるのですが、今回は「SOUNDカードを使って『言える化』を進める」という施策を提出しました。これまでは有志グループの取り組みという非公式な形で進めてきましたが、こうして部署の施策として公式な形でも取り組んでいきたいと思っています。
―社内で「SOUNDカードに興味はあるけれど、やったほうがいいのかどうか分からない」などと相談されたら、どのようにアドバイスしますか?
「まずは使ってみなはれ」ですね。やってみないと良さはわからない。もちろん、やり方が分からないのであれば、喜んでファシリテーションをしますし、そのほかのサポートもしますよ。
―SOUNDカードを使って、社内で実現してみたいことはありますか?
社内のあちらこちらで、SOUNDカードが使われている風景が当たり前になってほしいですね。社内のフロアに、出張のお土産をまとめて置いているスペースがあるんです。集まって自由にお土産を食べてくださいという感じで。そこに、SOUNDカードも置いているのですが、カードを使っている人をまだあまり見たことがない。お菓子を食べながら、ちょっとStatusカードを引いて話してみる、みたいな光景が社内のあちらこちらで見られるようになったら嬉しいですね。
とりあえず使ってみる人が増えていけば、カードに可能性を感じる人が増えて、次々にネットワークが広がっていく気がします。「まずは使ってみなはれ」。これに尽きると思います。
―貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
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