【馬学講座】馬体の見方①脚その1
(1)初めに
私はこれまで、主に血統を中心に本ブログや「相馬の梁山泊」「相馬の水滸伝」で記事を書いてきた。
こうした研究成果の甲斐もあり、独自の血統観をつかみつつある。
だが、血統は潜在的な可能性を探るのはよいが、全きょうだいの間に競走成績の落差があるように、遺伝子だけすべてが決まることがないのが競馬だ。
遺伝子の表現形としての、実際の馬体を見なければ、競馬の予想も1口馬主の選馬も成功への切符を手にすることはできない。
2023年の社台・サンデーの第一次募集が終わり、一段落したいまだからこそ、馬体の研究を始めようと思う。
私はもとより、馬見のプロではない。
しかし、40年以上も競馬を見続け、1口馬主歴も15年を越えようとするなか、馬体についてのいくつかの持論がある。
その持論をまとめながら、競走馬の馬体についての考えを整理して見えてきたものを少しずつ書いてゆきたい。
(2)クイズから
第一回は「馬の脚」です。
まずクイズから入りたい。
Q1 下の馬の名前を当てなさい。
写真は下のサイトからお借りしました。
https://www.shinhidaka-hokkaido.jp/hotnews/detail/00004343.html
正解は記事の最後に書きます。
写真の馬は現役を引退してからのもので、全体的に体が緩くなっているが、競走馬時代の精悍な面影がまだ残っている。
この馬はJRAのG1を勝っているが、馬の名前がすぐに出てきますか?
馬名がわからなかったら、次の質問に答えてください。
Q2 この馬が勝ったのは、芝のG1かダートのG1か、わかりますか?
(3)G1優勝馬の脚を見る
Q2の正解はダートのG1です。
続いて、次の質問に移ります。
Q3 写真から、この馬の特長を答えてみてください。
良い点はいくつかありますが、今日取り上げたいのは、脚、特に球節です。
拡大します。
まずは前脚の球節をよく見てください。
太くて、玉ねぎのようにぷっくりしている球節がよく目立ちます。
後肢の球節はもっとわかりやすいですね。
今回は大きい球節の持つ意味を考えたいと思います。
(4)大きい球節の馬の特長
この写真の馬は2歳の10月にデビューして11歳の2月に引退するまで、約10年間走り続けました。
生涯競走成績68戦13勝。
中央では、チャンピオンズC(G1)優勝のほか、地方の重賞6勝(G1を2勝、G2を1勝、Gを3勝)して、その間、怪我なく元気にレースに出場続けました。
このように、太い球節を持つ馬は脚もとが丈夫です。
もちろん、屈腱炎などの競走馬の脚の怪我や病気は、さまざまな要因で起こるものなので、球節のつくりだけで防ぐことができるほど単純でないのは十分に承知しています。
それでも、やはり、球節は細いよりも、この馬のように太いにこしたことはありません。
また、太い球節はグリップを利かせた強い推進力を生むことにもつながります。
ここまで引っ張りましたが、Q1の正解はサウンドトゥルーです。
サウンドトゥルーのように、太い球節を持つ馬は1口馬主の選馬で重要なポイントと考えています。
今年(2023年)の募集馬では、「ナッシングバットドリームズの2022」の球節が太く、たくましいのが目に付きました。
この馬もサウンドトゥルーのように、息の長い活躍を期待したいものです。