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【ネタバレあり】KING OF PRISM Dramatic PRISM.1を観て~モキュメンタリーアニメとして観るプリズムショー~

「見ると血行が良くなる」「なぜか映画館にセロリが置いてある」
「歌って踊るだけでドームが破壊されて再建される」

などと数々の伝説を生み出してきたとんでもないアニメ、
KING OF PRISM。

私も大本のプリティーリズムレインボーライブから見てきたオタクであり
最初の映画からずっと驚かされ夢中にさせられてきたクチなのですが
ついに今回4年の沈黙を破り、新作映画が今夏公開されました。
そう、『KING OF PRISM Dramatic PRISM.1』を…

いてもたってもいられず、私も台風が迫る中初週で見に行ったんです。
ただ、今回の映画は完全新作というわけではなく、
新作カットを交えた過去作の再編集版というものだったんです。
ただ、観てて気づいたんですよ

「菱田監督…これ…モキュメンタリーじゃねぇか!!!!!!!!!」

※当然ながら今回ネタバレありですが、一応キンプリ初心者さん向けにかいているつもりです

キンプリって何?

まず超簡単に、KING OF PRISM(略称キンプリ)についてお伝えします。
スケートリンクの氷上にて、歌・ダンス・ジャンプの美しさを競い合い
観る者に感動を与えるプリズムショー。
プリズムショーが放つ煌めきに魅せられた少年たちが、
己の人生と向き合い、成長しながら、その技術をぶつけ合い高みを目指していく、
というのがこのKING OF PRISMの物語なわけです。

初見の方はなんとなくの印象で、なんかアイドルものっぽいのかなーと思う方も多いかもしれませんが
どちらかというとこの作品は「アスリート」あるいは「アーティスト」としての側面が強いと思います。

今回の映画は、以前上映した映画(後に12話構成のテレビシリーズとして放映)の内容を編集したもので
プリズムショーの7対7の団体戦の様子を1本の映画に再構成しています。

するとどうなるか。
そうなんです、「スポーツ中継」になるんですよ。

モキュメンタリーとして観るキンプリ

そしてこのスポーツ中継として扱うための演出が異常に現実に卑近すぎて
もはやモキュメンタリーの域に達してるんですね。

モキュメンタリーって何?

もう一つ、モキュメンタリーという単語についてご説明しましょう。
モキュメンタリーは「mock」(まがいもの)+「documentary」(実録)という二つの単語を合わせたもので
ドキュメンタリーの手法を用いて、本来作り物であるフィクションを、実際に本当にあった出来事のもののように演出する作品ジャンルのことです。
昨今はドキュメンタリー形式から少し離れて、視聴者からの映像提供という体でのバラエティ番組など「フィクションを本当にあった出来事のように演出する」という広義の意味でのモキュメンタリーが増えてきました。
最近話題になった作品としては『このテープ持ってないですか?』『イシナガキクエを探しています』なんかもありましたね。
『タローマン』?あれは普通に昔放映されてたからモキュメンタリーじゃないですよ

プリズムショーが実際にテレビで放映されたら…

で、この作品何がモキュメンタリーっぽいのかというと
・劇中の各選手(劇中ではスタァと呼びます)の演技(プリズムショー)を、立木文彦さんが終始実況している
・一部のショーが既に終わったものとして、ダイジェスト映像扱いで流れる
 (ただしショーの長さは短縮されているわけではなく、他の選手のものと同じきっちりフルで流れる)
劇中で普通に劇中世界のCMが流れる(しかもその映像はすべて今回書き下ろした新規カット)
・副音声がある旨のテロップが流れる
・おそらくテレビの電波には乗らなかった音声があり、元映像では流れていたはずの音声がないシーンがある
ちょくちょく放送事故が起こって「しばらくお待ちください」の画像が流れる
・明らかにリモコンで画面を操作したような演出がある(そのため家のテレビで使ってるリモコンを実際に映画館へ持ち込むファンが多数発生)

と、こんな仕組みをやらかして仕込んでくれたわけです。

ねぇ怖いよ…なんでそんなことしたの…????

特に、この劇中世界のCMに関してはそのほとんどが狂気の産物というか狂気そのものです。
観る人によっては「CMが本編」とまで思えるとか…

なので、この映画再編集版という話ではあるんですが
なぜか知っている映像を見ているのに全然違うものを見ている気分になる、というすさまじい体験をすることになるんです。

やっぱりすごいプリズムショー

ここまでずっとモキュメンタリー要素についてお話してたんですが、
前作のプリズムショーの総集編、という意味でもとてもワクワクしますね。
編集前の元映画では、各プリズムショーを演じるスタァたちの日常や、
彼らが人生に悩み、向かい合うドラマを丁寧に描いてくれていたのですが(当然それも面白い)
今回の映画はそのドラマ部分をほぼ弾いて
観ると元気になるといわれるプリズムショー映像だけを抽出して
ほぼぶっ続けで流し込んできます。

言ってしまえば「ウルトラマンの戦闘シーンだけをほぼ1時間流しっぱなし」の状態です。
男の子はみんな好きなやつ。
ウルトラビックファイトシリーズかな???

初見の人はぜひともこのプリズムショーのド派手な演出に驚いてほしいっすね。
私はユキ様(赤髪の歌舞伎役者っぽい人)とミナトさん(緑髪のシェフっぽい衣装の人)のショーがとてもとても大好きです…

私もスピンオフ元のプリティーリズムレインボーライブから本シリーズをちょいちょい追っている人間なのですが、
「あれ何???何なの?????怖いよォ!!!????」となる回数が何度もあった末にまた体調がよくなった気がするので
みんなもキンドラ観て元気になろうね…

今回はそんなアニメーションでモキュメンタリーをやらかしたキンプリというすごいアニメのお話でした。

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