茶道スタートアップ WACHAの誕生秘話⑧
私は全人生を賭ける気持ちで取り組んだことを全面否定され、自分の何が悪かったのかも考えましたが、結果的に、私が何をしたとしてもきっと結果は変わらなかっただろう、という結論に達しました。
その時、私は心底悲しかったです。一身に注ぎ込んできた情熱が虚しく尽き果てたように感じられました。苦しい状況に立ちながらも、どうにか耐え忍びながら、それまで自分を鼓舞し続けていましたが、この出来事によって私は自身の会社での存在意義を完全に見失ってしまったのです。
もう私の道は会社の中にはない、と確信しました。
思い切りやり尽くしたつもりでしたが、ひとによっては新規事業の立ち上げを潰されたくらいで甘いと思う方もいるかもしれません。しかし、数年に渡る会社人生で経験することのなかった様々な状況を経験したおかげで、私の視野は明らかに広がっていたので、新しいことに再度挑戦したとしても、容易に同じ状況を迎えるであろうことが、火を見るよりも明らかでした。
そのまま会社に居続けても、きっと何も変わらず、会社も自分自身も変えることはできないと確信したのです。
何か、それまでとは違う行動をしなければいけないと、思いました。
何か新しい行動しなければ、後悔すると感じました。ただ、問題は、どこに向かってどう行動するのが正解か、まだ答えが見えていなかったのです。
その答えを模索し始めた最中、ある人との出会いが私の人生を一変させることになりました。それまで全く接点のなかった世界を知ることとなり、私の人生は完全に予測不可能な方向へ大きく舵を切ることになりました。
そのひとは私に、新しいハードウェアの聖地があるよ、と教えてくれました。
そこは当時、NEXTシリコンバレーと言われた中国の深セン、でした。
その深センに行けば、新しい道が開けるかもしれない、と。
次回に続きます⇒⇒⇒