『ロックンロール・サーカス』についての考察
68年12月に制作され、96年に陽の目をみるまで、封印されていた『ロックンロール・サーカス』が、結成60年記念&チャーリー・ワッツ追悼ということで、『チャーリー・イズ・マイ・ダーリン』と共に映画館で再上映される。
あらためて『ロックンロール・サーカス』について考察してみる。
この作品は、それまでのレコードやコンサートとは違う、何か新しい音楽のアプローチはないものかと考えていたミックが、ストーンズやビートルズの映像作品を手がけていたマイケル・リンゼイ=ホッグに相談して、ロックとサーカスを合わせてみるというアイディアに至ったらしい。
そして、ストーンズ側が製作費5万ポンドを出して企画・製作し、TV特番用として撮影することに。
もちろん、前年に、ビートルズが発表した『マジカル・ミステリー・ツアー』に触発された可能性もある。
■The Beatles『Magical Mystery Tour』
監督を務めたマイケル・リンゼイ=ホッグは、イギリスで人気だったTV音楽番組「Ready Steady Go!」のディレクターとして知られ、ビートルズの『ペイパーバック・ライター』、『ヘイ・ジュード』、『レボリューション』等のプロモーション・フィルムも手掛けていたことでも知られ、ストーンズの『シーズ・ア・レインボー』もこの方。さらに、この直後ビートルズの『ゲット・バック』(後にそ『Let It Be』というタイトルに変更)の撮影に撮りかかっている。
■『Ready Steady Go!』
ジミー・ミラーをプロデューサーに迎え原点回帰指向を打ち出した「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」のプロモーション・ビデオも手掛けている。
■The Rolling Stones『Jumpin’Jack Flash』
この度、あらためてレストアされた2ヴァージョンが公式にアップされていたので、あらためて観てみましょう。
※メイクありヴァージョン
※メイク無しヴァージョン
この曲は、結局、最新アルバム『ベガーズ・バンケット』(68年12月発売)には収録されなかったが、サイケ/ヒッピー時代をくぐり抜け自分達のルーツ/原点であるブルースに原点回帰した上で地肉化し、アコースティックなアプローチで製作したアルバムを活性化させたという意味においても、脱ブライアン・ジョーンズ=ミック/キースへの体制移行を決定付けた大きなインパクトを残した重要なシングルとなった。
ジャケットが2種類あるという話は有名。
現在出回っているトイレ落書きバージョンはジャガー/リチャーズが提示した正規デザイン。
レコード会社からのクレームで、文字のみバージョンの『ホワイト・アルバム』のようなジャケに差し替えられた。
話を『ロックンロール・サーカス』に戻すと、この作品は、最新アルバム『ベガーズ・バンケット』のプロモーション的な意味合いも兼ねおり、アルバムリリースから数日後の1968年12月11日、このテレビ番組は収録された。
11月23日に出された最初のプレスリリースでは、出演者にジェスロ・タル、トラフィック、ドクター・ジョンが予定されていること、1月1日に放送されること、3つのテレビ局がすでに放映権を獲得していることが発表されれている。
12月10日から12日にかけて、ウェンブリーにあるスタジオにて行われた。
【収録曲】
1.Jethro Tull『Song For Jeffrey 』(3:25)
2.The Who『A Quick One While He's Away 』(7:32)
3.Taj Mahal『Ain't That A Lot Of Love』 (3:48)
4.Marianne Faithfull『Something Better』(2:31)
5.The Dirty Mac『Yer Blues 』(4:26)
6.Yoko Ono & Ivry Gitlis With The Dirty Mac『Whole Lotta Yoko』(4:48)
7.The Rolling Stones『Jumping Jack Flash 』(3:33)
8.The Rolling Stones『Parachute Woman』(2:58)
9.The Rolling Stones–『No Expectations』(4:13)
10.The Rolling Stones『You Can't Always Get What You Want』(4:
11.The Rolling Stones『Sympathy For The Devil』(8:48)
12.The Rolling Stones『Salt Of The Earth』(4:57)
この作品の話題は、当時、絶頂期を迎えていたザ・フーのパ素晴らしいフォーマンスを観れること。
さらには、当時、ストーンズと親密な関係にあったジョン・レノンが、クリーム解散直後のエリック・クラプトン、ミッチ・ミッチェル(ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス)を従え(+キースがベースで参加)、『ホワイト・アルバム』に収録された『ヤー・ブルース』を迫力十分のパフォーマンスで決めてくれている。
個人的には、タジ・マハールのパフォーマンスに痺れる。ギターのジェシ・エド・デイヴィスも、しっかり映っている。
ストーンズの演奏も、バイ・セクシャルな雰囲気を醸し出す出すミック・ジャガーの扇動的なパフォーマンスに魅き惹きつけられる。
チャーリーのタイトなドラムもやはり最高♬
しいていうなら、会場の臨場感が少し物足りないのと、すっかり覇気の無くなったブライアン・ジョーンズが気になるポイントかも…。
あとは、『ダウン・トゥ・アース』的なアルバム『ベガーズ・バンケット』とサーカス的な要素が結びついてないのかな?とも感じた。
『ミンストレル・ショー』的な雰囲気やアメリカ南部のテイスト打ちを出す方が合ってかも?と感じたりもした。
一応は完成した「ロックンロール・サーカス」だったが、映像、音源ともにその後、1996年に再発されるまで、30年近くに及んで公開されなかった。
封印された理由は、ミックがストーンズの演奏に満足しておらず、さらにザ・フーの圧倒的なパフォーマンスにストーンズが霞んでしまったため、ということが、噂されていたが真実は、未だ闇の中…。
ストーンズのビジネスマネージャーを務めていたアラン・クレインとの契約上の問題もあったの大きな要因でしょう…。
あらためて、今回、映画館で観る事で新たな発見があるかも知れない。楽しみながら、観たい🎬
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