金剛の滝(+笹尾根)
「金剛の滝」が気になり、戸倉三山縦走の始めか終わり、高尾駅からバスで夕焼け小焼けバス停まで行き、今熊山経由で金剛の滝、または、その逆。結局、そのどれでもなく、三頭山から高尾山までの広義での笹尾根縦走をコンプリートし、その後で「金剛の滝」へと向かうことにした。
[ルート・その1] 上野原駅→井戸バス停→軍刀利神社→軍刀利神社元社→軍荼利山→熊倉山→浅間峠→上川乗バス停
当初、未踏である石楯尾神社バス停から三国山へと登り、時間に余裕があれば、数年前に登った生藤山や茅丸、または、連行峰まで足を伸ばそうと思っていたのだが、その後の「金剛の滝」を考え、井戸バス停から登ることに変更。前回は男坂だったので今回は女坂で登ることにする。
上野原駅に到着すると既に多くの人が並んでいるので座ることは早々に諦めた。皆が井戸バス停で降りるとなると静かな山歩きはできないなと思っていたら団体が石楯尾神社バス停で下車。終点の井戸に到着したのは午前9時頃。男坂と女坂の分岐までは歩いたことがあるのでさくさく進む。
軍刀利神社の味のある階段を登り、樹齢500年と言われるカツラの木まで休みなく歩き、登山身支度。前回は10月だったのでスズメバチに悩まされたが、今回はさすがにいない。じっくりとカツラの木を観賞し、登山開始。途中、男坂の分岐と思しき場所はあったが明示されていなかった。
登り一辺倒の道を時間を気にしつつ進む。途中の分岐を三国山方面ではなく軍刀利神社元社の方へ進む。前後に登山客はいたが、ここから一人旅。神経を使う細いトラバースの道。1時間ほどで軍刀利神社元社に到着。富士山が綺麗に見えるが、気温が高いのか靄っている。ここまでが一番辛かった。
ここから軍荼利山〜熊倉山〜坊主山〜栗坂峠のアップダウンを経て浅間峠。概ね日当たりのよい快適な尾根道。木々があり、すっきり見えぬものの富士山がずっと見守ってくれていた。浅間峠に到着したのは登山開始から2時間ほど。1208発の上川乗発のバスには間に合いそうである。
急ぎ足で先日歩いたばかりの下山道を進み、登山口に30分ほどで到着。時刻は11時半頃。「金剛の滝」に備え、身支度および休憩。1208のバスを逃すと次は1338なので間に合ってホッとする。ゆっくり歩き、上川乗バス停に向かう。路面が濡れているのは氷が溶け出しているのだろうか。
[ルート・その2] 沢戸橋バス停→金剛の滝→(広徳寺経由)武蔵五日市駅
上川乗から沢戸橋までバスで移動。40分くらいかかったか。これからは時間を気にせず歩けるので安心していたのだが、金剛の滝への道を進むと、笹尾根よりも濃く深い道が待っていた。整備こそされてはいるものの、あまり歩かれていないようである。単に疲れが出ているだけか。
小峰公園方面に進むと金剛の滝への分岐。そこから結構下る。三人の登山客とすれ違い安心する。下り切ると別世界が待っていた。棒ノ折山のゴルジュを思い出すがもっと秘境感がある。アクセスの良い払沢の滝に人が集まるのがよくわかる。ここは沢戸橋からでも広徳寺からでも距離がある。
まず目に入るのが落差の小さな雌滝。そして、その脇の岩のトンネルを抜けると雄滝が現れる。トンネルにはザックを背負ったまま入ることができ、ほんのわずかな距離だが、この時期は氷の上を歩くことになる。鎖が設置されているが、戻る時には足の置き場がなく少々難儀した。
滝の写真や動画が散見されるが、想像とは別次元の光景が展開していた。雌雄の滝を堪能した後、広徳寺へと向かう。沢戸橋からの道とは雰囲気が全く違う。山歩きに慣れていない方は広徳寺から行かれることをお勧めする。広徳寺の大銀杏も素晴らしかった。黄葉をぜひ見てみたい。
数回に分けてではあるが、三頭山から高尾山までの道がつながった。特段「赤線つなぎ」は意識していないが偶然の賜物。二週間以上空けての登山だったが、合計13kmくらいで丁度いい感じ。陽気もよく、気持ちの良い山歩を楽しめた。次はどの山に登ることになるのだろう。合掌。