文明
宇佐見英治さんと、検索すると「日本のゴーギャン」などと称されている土方久功さんとの会話である。会話に出てくる「サテワヌ」は、現在は「サタワル島」らしい。土方さんはその島で7年間ただひとりで島民と暮らしたそうである。
著作は絵本を除きほぼ絶版の様で、近所の古書店での扱いもないので、ネットで「遺稿詩集」を入手した。「文化の果にて」という著作も気になるが、詩集を紐解いてから。先日の「宮崎丈二全詩集」同様、難しい言葉は使われていない。
サタワル島は、ゴーギャンが滞在した「タヒチ」とは結構離れているが、土方さんの作品を見る限り、島民の容姿が似ている。前者はミクロネシアで、後者はポリネシア。前者の右側、後者の上側は、メラネシアと呼ばれているらしい。
「日本のゴーギャン」(ほんと、こういう言い方は、安易すぎるというか、なんというか、好かないし、ちょっと腹も立ってくる)と括られる土方さんだが、ゴーギャンの『ノアノア』は読んだことがあるそうで、作品も好きらしい。
しかしながら「なぜ好きなのかはちょっとわからない。あるいは多分あまりに自分から遠いからかもしれない」というコメントを残している。うーん、ますます「文化の果にて」という著作が気になってくるではないか。さて・・・
二百八十人と約八十億人の違いは何か。人間も含み、すべてが自然の産物であり、値札はどこにもついていない。そのすべてに値札を付けながら、感謝することもなく、踏み倒し続ける未開の「文明」社会。無論、自戒を込め。