♩Albert Ayler - Goin' Home

再び、アイラー。何度か聞いたことがあるはずのアルバム『Goin' Home』を改めて通してじっくり聞いた。感動した。深奥に心が吸い込まれていった。満天の星の下、焚き火を眺めているような気分になった。見失っていた心の灯火がすべてを包みこんでいった。

「スピリチュアル」という言葉が陳腐に響く「霊歌」。遠藤周作さんの「私のイエス」という本を読みながら聞いていた。「預言」とは、未来を予言をするのではなく「神の言 (ことば) を預かっている」ことであると書かれていたが、アイラーの「無言の絶唱」と重なった。

例外なく誰もが無二であり、見方がひとつになることはない。普通に考えれば、手の打ちようがなくなるほどの混乱が生じそうだが、そうなっていない。決して言い表すことのできない土台ありき。ダラーブランドの近作にも似た感情を呼び覚まされる「祈祷」の響き。

♩Dollar Brand (Abdullah Ibrahim) - Nisa (Women)
https://www.youtube.com/watch?v=D5kNsq4nYHI