Thunderbirds are GO !
灼熱が戻ってきた7月最後の日、甲信越へ取材に行った際、ガレージにサンダーバード(アメリカ、フォード社のクルマ)が止まっていた。
ぼくは、驚きのあまり目をパチクリさせたが、仕事とは全く関係のないので冷静ぶり、オーナーさんに「かっこいいサンダーバードですね」と言っただけにした。
しかし、やっぱりその驚きを心から追い出すことはできず、帰り際に「写真を撮ってもよいですか?」と伺い、更に勢いづいて「運転席に座らせていただいてよろしいですか?」とお願いした。
オーナーさんは、快く承諾してくれた。
この60年代製のアメ車は、アメリカの街(きっとロスかな)ですべてのものをなぎ倒しながら走り回りたいという、子どもの頃の妄想のヒーロー的存在だった。
ありえないほど長い車体、レトロスペーシーなインパネ、ボデイーと一体化した革張りのシート、でかいのにすらっとした不思議な存在感に圧倒されながらステアリングを握ったぼくは、きっとヘラヘラとにやついていただろう。
オーナーさん曰く、世界に4台、日本ではこれ1台しかない車種だという。
ただのトランスポーターではない「何か」に溢れていた。
合掌。