築地の最後とフェアレディーZ
11日、新しい東京の台所、豊洲市場が操業を開始した。それに伴い、6日には築地市場が既に83年間続いた営業を終了していた。そんなことも知らず、三連休の最終日、かみさんと築地の場外にいた。
かみさんは、築地が初めてだというので場内も案内しようと思っていたのにゲートが閉められ、「閉鎖的になったな〜」なんてめでたいことを思っていた。
そもそもこの日、築地へ行くつもりはなく、国立劇場へ観劇に出かける予定だった。チケットがあるルートでもらえるという棚ぼた的な観劇だったが、そのチケットを受け取りに行くと、手違いで手配されていなかったのだ。
まあ、もともと棚ぼたチケットなのでそう執着することもなく、「ならば、久しぶりに都内でもうろつこう」ということになった。
そのとき咄嗟に思いついた行き先が、昼を食べるのにもちょうどいい築地だった。
場外をひと通り歩いた後、観光客価格の店が並ぶ中から手頃な場所を見つけて海鮮系の丼を平らげる。うまかったものの、刺身の厚さに市場が直結した地の利を感じることができなく、ちょっと切なかった。
これなら、魚種は絞られるけれど、地元の三浦半島の方が納得のいく値段で満足のいく味が楽しめる。
なんて貧乏性の舌がしゃしゃり出た。
なんとなく銀座へ足が向いた。
松竹、歌舞伎座を通り過ぎ、SONYプラザに立ち寄り、気になるレンズを試してみることにした。すると1階にある日産のショールームに初代のフェアレディーZが飾られていた。
大学の頃、友人が乗っていたが、その時既に旧車扱い。でも、無骨ながらスタイリッシュで力強く、速かった。なによりシンプルなのがいい。ぼくより若い人たちも振り返り、多くの男が「ほしー」と呟いていた。
いいものはいつまでたってもいいんだな。
上階にあるSONYプラザへ。
すると、ギャラリーでソニーワールドフォトグラフィーアワードの受賞作品が展示されていた。好きなもそうでないものもあった。それでも、純粋にその作品の力と向き合える環境は好きだ。
次回の〆切は年明け。応募しようかと本気で考える。
気になったレンズは広角と望遠のズーム。F値が上がれば(暗くなれば)軽くなり、 F値が下がれば(明るくなれば)重量が増す。小型のミラーレスに付けるレンズは軽くありたいが、やはりF4よりもF2.8に惹かれる。機動性とのバランスを考えると難しいところだ。ただ、今まで単玉でやっているので、本数が減るだけで、軽量化にはなるだろう。
マリリンモンローが泊まったホテルを横切り、大名が名を刻んだ江戸城の石垣を見たりして、銀座を歩くうちに日が暮れた。
たまにはあてのない散策も楽しいもんだ。