👂【光の中で】ノベルセラピー作品
by mamy
ジャングルの山奥ガパール村に、脳のサイキックサージェリーを得意とするオオワニのチャーリー先生がいました。
チャーリー先生はとても大きくどっしりしていて、白い白衣を着、小さなめがねをちょこんとかけています。
とても優しくて心が広く、あきらめずにやり通す根性があります。人情味あふれるチャーリー先生は村人達に大変信頼されていました。
ある日、一人の患者さんが先生の元へ訪れました。
ミツバチのコビーです。コビーは赤と青のシマシマの帽子を被っています。頑張り屋さんで楽しいことが大好き、のんびりすることも大好きです。
『コビー、今日はどうしたんだい？』チャーリ―先生は尋ねました。
コ『僕…頑張りすぎて疲れちゃったんだ…もう何も考えたくなくなっちゃったの…身体もぐったりしてて、何だか涙も出てくるんだ…』
コビーは涙をぽろぽろこぼしながら悲しい気持ちでいっぱいでした。
そして、チャーリ―先生に脳のサイキックサージェリーをしてもらう事になりました。
さあ、手術が始まります。
チャーリ―先生は、手術道具のクリスタルをコビーのおでこに当てます。すると…頭の中が見えてきました。
チ『おやおや…暗闇の中にうつ伏せになって倒れているミツバチがいるぞ…』顔をよーくのぞくとそれはコビーでした。
頭の中の状態を確認した先生は、クリスタルを使って整えていきます。
クリスタルの先から光が放たれ、うつ伏せに倒れているコビーに当たりました。光に包まれていくコビー。
コ『ま、まぶしいよー』あまりの明るさに目を覚まします。すると…どこからか声が聞こえてきました。
声『君は一体どうしたんだい？』
コ『僕ね、疲れちゃったんだ…もう何も出来なくなっちゃって…』
声『そっか～ コビー今までよく頑張ってきたね～ さあ、この光の中でゆっくり安らぎなさい…何もかも忘れて…ぐっすり眠りなさい…』
コビーは、力がすーっと抜けて光の中で自分の事など全部忘れてただひたすらぐっすり眠りました。
時間は過ぎ、頭の中の調整が終わりました。チャーリ―先生は更に手術を続けます。
次は、頭の中にコビーが安心してゆっくり過ごせる木のお家を作ります。中にはタンポポの綿毛で作られたベットや、葉っぱで出来たハンモックもあります。
ハンモックにゆらゆら揺られながらお昼寝も出来ます。
先生は、お家づくりの作業をしている時に、ふと気が付きました。
チ『あれ？コビーがいないぞ。』そう、作業に夢中だった先生の目の前からコビーがいなくなってました。
チ『どこに行ったんだ？』先生はクリスタルで身体中を照らします。
すると…コビーはハートの中にいました。ハートの中の草原でブランコに乗ってゆったりと過ごしていました。
チャーリ―先生は、ホッとしました。
チ『コビー探したよー、どうしてここにいるの？』
コ『僕のお家はここなんだょ。』コビーはすっかり元気になっていました。
手術は無事に終わり、先生は最後にクリスタルで頭の中を確認しました。
頭の中にコビーの姿はありませんでした。
そこには、訪れた時にゆっくりと休めるように木のお家がありました。
脳のサイキックサージェリーを終えた後のコビーは、心から行動できるようになりました。喜びが増えました。
心をより感じられるようになりました。
たまに、考えすぎちゃった時は立ち止まって、ゆっくり落ち着けるようになりました。
頭と心のバランスが良くなりました。
あ～手術して良かった。チャーリ―先生に会いに行って本当に良かった～。先生ありがとう！
コビーは心がフワッと温かくなりました。
おしまい