新年インタビュー 〜呉昇桓〜
呉昇桓(36)は2018年シーズン、2月にテキサスレンジャーズと一度は契約したものの、メディカルチェックで肘の炎症が見つかったことを理由に年俸削減を要求されたが却下し再FA。実はこの過程で三星ライオンズの復帰に真剣に悩んでいたという。
結局、2月末にトロントブルージェイズと1年契約。ブルージェイズは低迷したが呉昇桓本人はセットアッパーとして活躍し、PO進出を目指していたロッキーズにトレード移籍。ワイルドカードで登板したことで日米韓のプレーオフで登板を果たした史上初の投手になった。
70試合登板以上をしたのでオプションが自動更新され、19年度もロッキーズの一員として投げる。帰国後に、呉昇桓はスポーツ東亜の新年インタビューに応じた。
激動の2018年を振り返る
呉昇桓:色々な事がありましたね笑。シーズン序盤での契約に関する一連のストレスはもう無い。シーズンを終えたのでみんな忘れたであろう。トレードも同じ。
投手地獄の本拠地、地獄のアメリカンリーグ東部地区
呉昇桓:色々なことは念頭に置いていました。むしろ同僚がそのことで神経を使っていたという印象。ロッキーズに移籍後、同僚達には「君達も一度アメリカンリーグ東部地区でプレーしてみないといけないよ」と語ったくらい。一種のミッションのように考えると、クアーズフィールドは確かに投手らには簡単な場所ではない。高山地帯には慣れていない遠征ルームのロッカーには酸素呼吸器も備えられていたよ。
遠征試合前日は、試合がいくら遅く終わってもその日のうちにすぐ撤収する。一刻も早く低地帯へ行かないといけないからだ。また、トレーナー達が随時水を飲み物として支給する。そんな風景が新鮮だった。
日本で2年間、アメリカで今年4年目 海外進出する前と変わったことは？
呉昇桓:メジャーリーグは、球団で選手を励ますことはあまりしない。選手が役割を知り、それをやり遂げなければならない。そのためにルーティンが確実となった。気候や食べ物１つを食べることにも色々な考えを持てた。韓国でもメンタル面で多くの賛辞を得たけど、寧ろ海外でプレーしたことでより堅固になったと思う。これは私の野球人生の自信にもなる。
球団オプション更新も国内復帰の意思を示した理由
2018年10月17日に韓国に帰国した呉昇桓、その際、「KBOに復帰したい」という衝撃発言をした。ロッキーズとのオプション更新の事実は呉昇桓本人も知っていての発言であった。
阪神に移籍した時点でKBOの保有権は古巣の三星ライオンズにある。当時の三星も「初めて聞くコメントだ。あれ以降直接会う事がなかったので慎重になっている。本人から提案が来れば考える」というコメントだけ残している。
あの日、呉昇桓があの発言を持ち出した理由は何だったのだろうか？
レンジャーズとの契約破棄時点で国内復帰を検討していた
レンジャーズとの契約が破棄された時点で帰りたいとは思っていた。引退するほどのレベルでは無かったし体力にはまだ自信があった。2018年2月中旬に三星ライオンズと接触した。FA資格があるためいくらでも交渉できた。しかし、三星側が拒否した。その理由を明らかにしなかった理由はそれなりにあったはずだ。ただ、個人的には帰る家を失った感じ。そこからブルージェイズと契約した。
記者:もし三星ライオンズ側が呉昇桓本人にオファーすると？
呉昇桓:無条件にMLB続行。そこは変わりない。
MLBでも通用できるレベルなのに敢えてKBOに戻りたい理由とは
呉昇桓:率直に言って韓国野球の発展に貢献したいとは思っていない。ただ、日米で感じた経験をKBO、特に三星ライオンズの選手らに伝えたいとは考えている。力が落ちた時に1、2試合だけのための引退試合のために復帰したいとも思わない。でも、三星の王朝再現というのはやりたい。
呉昇桓には今もライオンズブルーの血が流れている
海外で活躍した選手が技量を維持しつつ母国に復帰して主力級の活躍をすること。事例は多い。日本では黒田博樹がそうだ。
韓国では2012年に三星に復帰し、6年間で143本塁打を放った李承燁がそうだ。また、2017年にSEAから復帰、2年連続30本塁打と手法として活躍している李大浩もそうだ。
呉昇桓も復帰を望んではいるものの「私は子供ではない。チームの立場も理解している」と語っている
＊李大浩と李承燁(どちらもオリックスでプレーしていたという共通点もある)
KBOに復帰しても72試合の出場停止処分を受けないといけない
2016年に海外賭博によりKBOから72試合の出場停止を林昌勇(既に処分を受けている)と共に下された。
「シーズンを半分活動できない。いつ復帰してもいくらかは甘受しなければならない。少しでも元気なうちに処分を受け、復帰後全開で投球すればいいだけ」
元記事
https://m.sports.naver.com/wbaseball/news/read.nhn?oid=382&aid=0000699209
ブルージェイズ時代の登場曲
https://youtu.be/txoFdtoNNWQ
三星時代の登場曲
https://youtu.be/hR_DAegiMQE