ありがとうアルモンテ。韓国でのシーズンを振り返る
本当はシーズン終了後に出すつもりでしたこのnote。
薄々気付いてはいたもののまさかこんな別れの時が来るとは…
分かってはいたけどいざ現実になると虚無感になるものですね。思ったことを率直に、振り返ってみましょう。
まさかの韓国球界入り
アルモンテは中日ドラゴンズを退団後、KTウィズと契約した。
当時、退団が決まった時から中日ファンから悲しみの声が聞こえていた記憶である。筆者もアルモンテのユニとタオルを購入するくらいにはお気に入りだった選手だった。
KBOは基本的にスペ体質は取らず、若くて期待できる助っ人を獲得するのが普通という考えだったので、コロナの影響とはいえまさかアルモンテが韓国へ行くとは思わなかった、というのが当時の感想である。
ロハスの次は誰だってプレッシャー
メル・ロハスJr.は2017年から4年間KTウィズでプレー。
彼の成長度は凄く、2020年シーズンはMVPも獲得した。そしてオフに阪神タイガースへ移籍した。
誰だってロハスの次はプレッシャーが大きい。
アルモンテとロハスは前々から知り合いだったといい、お互いの野球文化を共有しあったそうだ。
アルモンテはロハスと比べたらやはり攻走守は落ちるもの。なので監督は本人に対して無理せずにと伝え、メディアには「ロハスの1年目くらいにやってくれればそれでいい」というくらいの期待値に留めた。
何より懸念材料が怪我の多さ。中日を退団した理由が怪我の多さのが1番の要因であろう。
韓国では怪我による長期離脱があれば普通は解雇して新外国人選手を獲得するくらいにはかなりシビアな世界。そのシビアな世界に怪我リスクが高いアルモンテが来るということはそれだけ不安要素が大きいという事だ。
獲得後、アルモンテの起用方法を聞くためにKIAタイガース時代にコーチとして一緒であった中日と中村武志バッテリーコーチから電話で話を聞いたそうだ。
韓国では最強助っ人のメル・ロハスJr.。
阪神にいるメル・ロハス・ジュニアは知らん
アルモンテと韓国の縁
実は中日時代から韓国とは縁があった、というのは中日ファンもご存知のはず。野球道具にハングルが記載されていた事だ。あれはルイス・ヒメネスから貰った韓国語で「ゼニガメ」と書かれたレガースを使っていた。
そこから「알몬테」とオーダーメイドまでするようになった。
*NINE SPORTSの公式インスタより
速球の対応が想像以上に悪かった
これは日韓のファンにも共通していたことだが、
「中日で3割打てたなら韓国ならもっと打てるのでは?」ということだ。
実際のところ、ストレートの対応が想像以上に手こずっていた。
日本の球速帯ならすんなりいけたのだろうが、それより数キロ平均が遅い韓国はまるで当たらない。
同じところも何度も空振りに加えて日本とは全く違うストライクゾーンに手が出ず見逃し三振もよくあったことだ。
4番に固定されていたのも少し負担感があったのだろうか、得点圏打率.323の割に打てていないという印象であった。
守備の酷さと怠慢プレー
想像以上に酷かったのがバッティングよりも守備だった。
獲得当初から守備が課題だったアルモンテ。
しかし、脚の気にし過ぎなのかシングルヒットが2塁打になったり、余計な進塁を許してしまっているのがとにかく酷かったそうだ。また、走塁面でも全力ならセーフのところがアウトになったり無気力走塁にも見えていたそうだ。
あまりの酷さに韓国メディアも「士気が下がる」と記事を書いたほどだ。
中日ファンにとっては英雄なのかもしれないがこれが韓国での現実。やはりロハスJr.という神助っ人の次は誰であってもプレッシャーは大きいのだ。
そして解雇のきっかけとなる怪我
KBOという世界は、一度全治1ヶ月の怪我でも負ったらクビになるものと思ってくれれば良い。
当初からスペ体質のアルモンテが怪我したら終わるというのは常に危惧していた。
DHの恩恵があるからいいじゃん!という中日ファンのツイートもよくみたが、現実はDH専門の打者は実際には不要。DHというポジションはいわば「野手の守備機会を削減しつつ打つ方で集中してほしい」というポジションなのだ。
なのでアルモンテも守備につくことがまず前提での韓国行きなのだ。
しかし、ダブルヘッダー第2戦で怪我をして途中交代、
検査の結果アキレス腱の怪我で全治3週間であった。
中日だったら待つだろう、というか日本球界ならまず待つ期間だ。
しかし、韓国の場合は時間がないのだ。シーズンは長いが韓国の場合は助っ人枠が3人だけ、チームの上位進出の40%要素は助っ人の活躍が必要なところだという。
また、加えて打撃成績が想像以上に良くないと判断されてウェーバー公示となった。
他球団が獲得する可能性もあるが、KBOでの普通の考えならもう帰国という形となる。
打撃成績
60試合 打率.271
225打数61安打 7本塁打36打点1盗塁
50三振23四死球
出塁率.336 長打率.404 OPS.740 得点圏打率.323
wRC+86.7 WAR0.48
アルモンテはどうなる
韓国での全試合を見てました。現実を申し上げますと厳しいんじゃないでしょうか。
日本と韓国は確かに別物です。ただやはり脚がとにかく怪我になりやすい。韓国でもかなり慎重に起用したのを見てましたが結局のところこうなってしまったのが現状です。
天然芝メインの球場でこのありさまなら、広くて人工芝のバンテリンドームがメインではもう稼働率すら低いんじゃなかろうかってなります。
助っ人に求めるものはレギュラーとしてきちんと結果を残すこと、2018年の様な活躍ならまだしも2019年以降の姿を見てたら厳しさはあります。
最後に
KBOをずっと見ていたけどコロナ禍で補強に制限があったという事情があれど見れたことは私にとっては幸せでした。今後も頑張れ!
#KBO #アルモンテ #알몬테 #中日ドラゴンズ