超個人的・鈴木研一の生んだ名歌詞

私(わたくし)ペテ美が勝手に選ぶ、人間椅子・鈴木研一氏が生んだ名歌詞。
前回に引き続き五曲ほど挙げるつもりなのでお付き合い下さい。


びくんびくんと引き攣って喰われちまう
どくんどくんと迸って喰われちまう
喰われてもこんなにも気持ちいいのは
それはきっと蟷螂の雄だからだ
【恍惚の蟷螂】

いかにも鈴木氏らしいワードセンス。蟷螂を庭で飼育されているそうなので、そこから着想を得ているのかもしれない。
しかし「俺」は蟷螂で、雌に喰われることに恍惚を覚える、なんて歌詞を考えられるのはこの国では鈴木氏くらいじゃないだろうか。
「苦楽」というアルバムに収めらているこの曲は、きっと「楽」の方の側面だろう。恐ろしや。


リズム感悪いベーシストなんて
(わ、バンドのガンでねべが)
それも味だよと 周りは言うけど
(それでもやっぱり、わ、バンドのガンでねべが)
【わ、ガンでねべが】

衝撃的過ぎる歌詞が登場。しかもどうやらこれは本当に鈴木氏が思っていたらしいのである。
(人間椅子○楽部で似たようなことを言っていた)
イヤホンで聞くと鈴木氏の嘆きが耳元で聞こえて非常に楽しい一曲。


街は制限なしの食い放題さ天使の誘惑
夜に醸造されたそそる空気は天子の囁き
脆い心のたがをやんわり外す天使の悪戯
意思は転がる果てに砕けて仕舞い天使の哄笑
【肥満天使(メタボリックエンジェル)】

人間椅子には珍しいおふざけ要素強めの曲。
だが侮るなかれ、「意思は転がる果てに」なんて「意思」と「石」を掛けているのだ。すごーい。(そんなに凄くない)
「野菜はあくまで隠し味」ってものすごく鈴木氏らしい。甘党でしょっぱさも追い求める肥満天使よ、いつまでも元気でいて下さい。


ちょっと財布を覗いたら
ぞっとするほど金がない
すったお金は何万円
勝ったお金はタバコ代 
【銀河鉄道777】

パチンコシリーズの一曲。「ダイナマイト」ではなくあえてこっちを選んでみました。
「ダイナマイト」はアッパー系で完全にぶっ飛んで楽しんじゃってる感じがあるが、こっちはあくまで冷静で、財布を開いて顔を真っ青にしながらも、来ない確率変動にジリジリと焦りと絶望を感じている様子が目に浮かぶダウナー系となっている。鈴木氏の歌い方が淡々としていて、これまた不気味である。
(どうか実体験ではありませんように)

 
俺は刀で君は鞘
抜いたり差したり
抜いて咲くのは八重桜
乱れ咲き
【刀と鞘】

とにかく直接的な男女の歌である。
和嶋氏には書けない、鈴木氏だから書くことの出来る真っ直ぐでひねくれない歌詞は個人的には好きで好きで仕方ないのだが、LIVEではあまりやらないそう。演歌調でこぶしの効いた歌い回しが非常に良い。


地獄シリーズから一曲くらい入れたかったのだが、「恍惚の蟷螂」を外す訳にいかず、この並びになった。他にも「ヘヴィ・メタルの逆襲」なんかもあってこれも中々いい。

ちなみに人間椅子の中で一番好きな「芋虫」は別の記事で長々と書いたので今回は省いた。
見てくれたらいいなと念じておきます。


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