靴下の歴史<世界編>
こんにちは! 創喜です。
朝晩ちょっと寝苦しさから開放されたと思いきや
気づけばちょっと寝冷えしてた…なんて日も増えてきましたね。
私も玄関に置いたままのサンダルでついついお出かけしたものの
道を歩く人たちの足元は、もう秋っぽくなってました。
靴下の売り場を見ていると、色もデザインも秋〜
そろそろあったかい靴下が必要な季節ですよね!
というわけで、本日のテーマは「靴下の歴史<世界編>」。
靴下ともう一度じっくり向き合うこの時期に
ぴったり(?)のテーマ!
靴下の歴史はとっても古いものです。
特に寒さ厳しいヨーロッパの北部では、足を守るために
毛皮や布、ワラなどを使っていたそう。
アルプスの氷河から発見された
「アイスマン」という5000年以上前のミイラは
動物の皮や木の皮でつくった靴のようなものを履いていて
その中にはやわらかな草が入れられていました。
確かにレザーのジャケットだけだと風は防げてもちょっと寒いので
中にふかふかしたセーターを着て保温する感じに似てるかも。
砂漠が多く足を保護する必要があったアラビアの遊牧民は
紀元前2〜3世紀頃、靴下の原型をつくりました。
また西暦100年頃のローマ軍兵士に宛てた記録にも
“靴下を送った”と書かれているそう。
必需品として認識されていることがわかりますね。
私たちが履いている靴下はほとんどがメリヤス編み。
このメリヤス編みのペア靴下で、現存している最古のものは
4〜6世紀頃のエジプトで作られています。
皮や布だとなかなか足にフィットしにくいので
メリヤス編みの靴下ができたとき
当時の人たちはきっと感動したでしょうね…ロマンを感じます。
さて、この後16世紀頃までず〜っと靴下は手編みで作られていました。
もちろん今も手編みの靴下はオリジナリティあふれる素敵なものですが
全部手編みで靴下をつくるとなると…たいへんですよね?
お外で走り回ってどろんこで帰ってくる子どもたち
毎日革靴を履きっぱなしのビジネスマンたち
穴が開いたから、汚れが酷いからといっても
気軽に捨てたり買い替えたりはできないわけです。
そんな靴下編みのたいへんさに気づいたのはイギリスのウィリアム・リー。
彼は奥さんが内職の靴下編みを頑張っている姿を見て
「靴下編みの機械をつくろう」と決意。
そして1589年。3年かかって足踏み式の靴下編み機をつくりあげました。
新発明を見た当時の人たちは、びっくりする反面
「自分たちの手編みの仕事がなくなってしまう!」と大騒ぎ。
軍隊が靴下編み機を壊してしまうという事件もあったそうです。
リーさんかわいそう…。
ウィリアム・リーは諦めずに機械の改良を続け
より速く、細かい目の靴下を編める機械へと進化していきました。
でもイギリスのエリザベス一世に特許を求めましたが、却下。
フランスが靴下編み機に興味を持ったので、リーはフランスに渡りましたが
フランス国王アンリ四世の死去によって特許の話は立ち消えに…。
アンリ四世が亡くなった1610年、ウィリアム・リーも生涯を終えました。
その後、ウィリアム・リーの弟ジェームスによって
改良された靴下編み機をつくる工場が建てられ
靴下編み機は普及し、靴下工場もつくられるようになっていきました。
この靴下編み機は改良されながら使い続けられて
現在の靴下生産技術のベースになっています。
さて、世界の靴下の歴史をざっと追いかけてみましたが
ものすごくたくさんの人たちの技術や工夫、そして情熱があったからこそ
今の私たちが気軽に靴下を履くことができるんだ…と感じました。
次回は「靴下の歴史<日本編>」です。
どうぞお楽しみに♪
参考資料:『靴下ソムリエ資格認定試験公式テキスト』(日本靴下協会・奈良県靴下工業組合)
写真:靴下 12〜13世紀 エジプト(メトロポリタンミュージアム所蔵)
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