11.正義(Justice)《タロットカード解説》
正義についての全体解説
「正義(Justice)」は、タロットの大アルカナの中で重要な役割を持つカードであり、公正さ、バランス、真実、そして道徳的な判断を象徴しています。このカードには、通常、剣と天秤を持つ女性が描かれています。剣は理性と真実を象徴し、天秤はバランスと公正さを表しています。彼女の姿勢や表情は冷静さと決断力を示しており、感情に流されず、客観的な視点で物事を判断することの重要性を強調しています。
このカードが示すメッセージは、正直で公平であること、そして行動の結果に対して責任を持つことの重要性です。人生における選択や決断において、正義は自分自身と他者に対する誠実さを求めます。感情や偏見に影響されることなく、公平で透明な視点から物事を見つめることが求められます。
「正義」はまた、カルマの概念とも深く結びついています。自分が行った行動や選択が、時間を経て自分に返ってくるという考え方です。したがって、このカードが出たときは、過去の行動が現在や未来にどのような影響を及ぼすかを考える時期であることを示唆しています。
正位置の解釈
正位置で「正義」が出た場合、それは公平さ、バランス、そして誠実さが重要であることを示します。物事が公平に進行しているか、あるいはそうなることを示唆しています。このカードはまた、正直さが報われる時期であることを示しており、自分や他者に対して誠実であることが特に重要です。
恋愛における解釈
正位置の「正義」は、恋愛において公平さとバランスの重要性を示しています。関係が平等であり、相互の尊重があるかどうかを問いかけます。このカードが出た場合、パートナーとの間でコミュニケーションを通じて、公平で誠実な関係を築くことが求められます。相手との信頼関係が強まり、お互いに対する理解が深まる時期です。
人間関係における解釈
友人や家族との関係においては、正義が重要な役割を果たします。このカードは、誠実さと公平さを基盤にした人間関係を築くことの重要性を強調しています。もし誤解やトラブルがある場合は、公平な立場で問題を解決しようとする姿勢が求められます。公平な対応をすることで、長期的に信頼関係を強化できるでしょう。
仕事における解釈
仕事において、正義のカードは、公平な評価や正当な報酬を得る時期であることを示します。努力が正当に評価され、昇進や報酬が与えられる可能性があります。また、契約や取引においても、公正で透明なプロセスが必要です。このカードが出た場合、倫理的な行動が特に重視され、職場での信頼が築かれることを示唆しています。
お金における解釈
金銭に関しては、正義のカードは、公正な取引や正当な利益が得られることを示します。お金の使い方や投資について、バランスを考え、リスクを適切に評価することが重要です。このカードが出たときは、過去の金銭的な選択が現在にどのように影響しているかを再評価する良い機会です。正直で慎重な財務管理が求められます。
逆位置の解釈
逆位置で「正義」が出た場合、それは不公平さ、偏見、または無責任な行動が問題となる可能性を示唆しています。何かがバランスを失っているか、真実が歪められている可能性があります。また、自己欺瞞や他者への不誠実さが浮き彫りになることを警告している場合もあります。
恋愛における解釈
逆位置の「正義」は、恋愛において不公平さや誤解が問題となっていることを示しています。パートナーシップにおいて、どちらか一方が自己中心的になり、相手の気持ちや立場を軽視している可能性があります。このカードが出た場合、関係を見直し、バランスを取り戻すために双方の誠実な対話が必要です。
人間関係における解釈
友人や家族との関係で、逆位置の「正義」が示される場合、偏見や誤解が原因でトラブルが発生している可能性があります。また、不公平な扱いを受けていると感じる状況があるかもしれません。このカードが出たときは、問題を解決するために冷静で公平な視点を持つことが求められます。
仕事における解釈
仕事において、逆位置の「正義」は、不公平な評価や誤った判断が下される可能性を示唆しています。昇進や報酬に不満がある場合、このカードはその原因を見つめ直し、改善のための行動を促しています。また、職場の倫理や規則が守られていない場合、問題が表面化する可能性があります。
お金における解釈
金銭面では、逆位置の「正義」は、不正な取引や無謀な投資が問題になる可能性を示唆しています。過去の不正確な決定や判断が、今後の財務状況に悪影響を及ぼすことが考えられます。このカードが出た場合、財務管理の見直しと、誠実な対応が必要です。不正な行為には注意を払い、誠実な手段での改善を図ることが求められます。
動画解説
タロットカードの大アルカナ「正義」のカードについて解説します。今日はまず、そのシンボルについて見ていきましょう。
中央に座る人物は男性ではなく、正義の女神テミスです。このカードの背景をよく観察すると、「女教皇」のカードと似ている点に気づくでしょう。テミスは2本の柱の前に座っており、その間にはタペストリーが張られています。これらの柱とタペストリーは、表面的な出来事の背後に隠された深遠な理由や本質を示唆しています。
タペストリーの紫色は、内なる知恵を象徴しています。彼女の冠、髪、そして手に持つ天秤はすべて黄色で、これは知性の力を表しています。右手に握る剣は、垂直にまっすぐ立てられており、これは思考の象徴であり、不正を切り裂く力を表しています。この剣が示すのは、感情を一切排除した厳正な判断です。まさに法に基づいて情状酌量の余地なく、公正な判決を下す厳しさを示しています。
左手に持つ天秤は、法の公平さを象徴しています。「正義」に描かれた女神テミスは、正義という抽象的な概念を具現化したもので、実際の裁判所にも彼女の像が置かれています。このカードは、法に基づく公正な判断と、それによってもたらされる正当性を表現しています。また、天秤を通じてバランスを測ることから、正義とは対立する二つの要素を無理に統合するのではなく、それらを共存させることが解決策であることを教えてくれます。
剣を持つことで、全ての行いには相応の結果が伴うことを示唆しています。さらに、カードに割り当てられた数字「11」について話しましょう。11という数字は、5と5、そして1を足したものです。5は五芒星を表し、正位置では悪を退け正義を貫き、幸運を呼ぶ意味がありますが、逆位置になると神への冒涜や悪事を象徴する「デビルズスター」となり、不幸の象徴となります。
また、1は「魔術師」のカードと同じ数で、強い意思を表しています。これらの数字の組み合わせからも、このカードは善と悪、陰と陽といった対立する要素を天秤にかけ、強い意思でどちらが正しいかを決断することを促しています。
「教皇」のカードにも2本の柱があり、「魔術師」のカードともポーズや色合いが似ています。タロットカードはこのように、共通点が暗号のように繋がっており、全体的な構造を理解することで、カードの意味をより深く読み取ることができます。
では、次にカードの意味について解説しましょう。このカードは非常にシンプルです。正位置では、左手の天秤でどちらが正しいかを法に基づいて判断し、右手の剣で決断を下すという意味があります。正位置のキーワードは「思い切った決断」です。結婚や離婚、転職といった大きな決断をする際に、このカードが示唆するのは、法律に基づいた契約を思い切って行うべきだということです。
一方、逆位置で出た場合は、決断を先延ばしにする傾向や、なかなか決断できない状況を示します。また、感情的になりすぎたり、バランスが崩れたりすることも示唆します。例えば、結婚したいけれど相手がプロポーズをしてくれない場合や、長年の関係が進展しない場合などに、このカードの逆位置が出ることがあります。また、不倫や三角関係、借金に関する問題でも、このカードが逆位置で現れることがあります。
逆位置が出たときは、決断できない原因や、バランスを崩す要因を見つめ直し、感情に振り回されていないかを考えることで、解決への糸口が見えてくるでしょう。