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あたし待つわ♬【鑑定小説】

彼と別れてから、心の中にぽっかりと穴が開いたままだった。
4年6ヶ月も付き合っていたのに、気づけばあたしたちの間には溝ができていた。彼とは遠距離で、お互い学生だから忙しく、次第に会う機会も減っていた。そんな中、7月頃から週に一度、ちょっとしたことで雰囲気が悪くなることが続いた。そしてついに彼から「好きだけど、疲れたから別れたい……」と告げられてしまった。

あの日、彼の言葉に涙が溢れた。彼は「また気持ちが変わったら戻りたい」と言ってくれたけれど、その言葉をどれだけ信じていいのか、あたしには分からなかった。7月20日は彼の誕生日だったから、LINEでお祝いのメッセージを送ったけれど、その後の彼の態度は冷たくて、まるで別人のようだった。あたしが「まだ好きって気持ちはある?」と聞いたら、「もう喧嘩しすぎて疲れたし、何も思わない」と返された。その言葉は、まるであたしの心を引き裂くようだった。

それでも、あたしはちゃんと自分の気持ちを伝えたくて、電話をしたいとお願いした。彼は「わかった」と言ってくれたけど、結局なかなか電話はできずに日々が過ぎていった。そして8月10日、ようやく彼と電話が繋がった。あたしは自分の悪かったところを謝った。彼も「俺も悪かった」と認めてくれた。その瞬間、少しだけ希望が見えた気がしたけれど、彼の本当の気持ちはまだわからなかった。

そんな不安な気持ちを抱えたまま、あたしはネットで見つけた蒼樹先生に占いをお願いすることにした。これまで他の占い師にも相談したことはあったけど、どれもどこか物足りなく感じていた。だけど蒼樹先生は違った。先生の言葉には重みがあり、深い思考が感じられた。あたしは大学で哲学を専攻しているから、先生の言葉がまるで哲学者のように響いた。

「菜月さん、まず彼の気持ちを見てみましょう」と、蒼樹先生は静かな声で語り始めた。
「彼はまだあなたを想っています。ただ、彼の心には疲れと不安が残っているのです。あなたを嫌いになったわけではなく、自分自身を守るために、あなたから距離を取ろうとしているんです」

その言葉を聞いて、少しだけ心が軽くなった。彼がまだあたしを想っていると言われて、安心感が広がった。

「彼が言った『何も思わない』という言葉、それは彼の強がりですよ。実際にはまだあなたに対する思いが残っています。でも、彼は傷つきたくないから、そう言ってしまったんです」と蒼樹先生は続けた。

「あたし、彼の言葉を信じたいです」と素直な気持ちを伝えると、蒼樹先生は優しく微笑んでくれた。

「信じることが大切です。そして、LINEのやりとりですが、何事もなかったように、自然体で続けるのが良いでしょう。無理に連絡を絶たないことです。彼もそれを望んでいるようですから」と言われ、あたしはその言葉に深く頷いた。自然体で接すること、それが二人の絆を保つ鍵なのかもしれないと感じた。

さらに、あたしはもう一度彼とやり直せる可能性について尋ねた。
蒼樹先生は少しの間沈黙した後、静かに答えた。

「復縁の可能性は十分にあります。半年以内には彼から連絡が来るでしょう。ただ、その間に一つの障害があるかもしれません。でも、それも二人にとって必要な試練なんです」

「あたし、彼が他の女の子と会ったことが気になっていて…それが障害になるんでしょうか?」と尋ねると、蒼樹先生は深く頷いた。

「その女性には少し注意が必要です。彼も一時的に迷うかもしれませんが、最終的にはあなたの元に戻ってくるでしょう。彼が本当に求めているのは、あなたとの深い絆です」と断言された。その言葉に、あたしは確かな希望を感じた。

そして最後に、どうすれば復縁の可能性が高くなるのかを尋ねると、蒼樹先生は穏やかな笑顔で答えてくれた。
「何もしなくていいんです。彼を信じて、待っていればいい。ただそれだけで十分です。もちろん、自分磨きや女磨きは大事ですが、それはあくまで自分自身のために行ってください」

「あたし、化粧とかあまりしないけど、これからはちゃんとしようと思います」と話すと、蒼樹先生は「それは素晴らしいことですね。でも、化粧は他人のためではなく、自分を大切にするためのものです。そこに気づけたことが、もう一歩前進した証ですよ」と言ってくれた。

あたしは彼の言葉に力をもらい、これからの時間を前向きに過ごそうと決意した。彼を信じて、復縁を願いながらも、自分自身を大切にすることを心に決めた。そして、彼が戻ってくる日を待ちながら、自然体でいられる自分を目指すことにした。

最後に、蒼樹先生の言葉を思い返しながら、あたしは心の中で「♪あたし待つわ、いつまでも待つわ」と口ずさんだ。
今のあたしには、その言葉がぴったりだった。

未来に希望を持ちつつ、あたしは彼を信じて待つことを決めた。

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