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・ドルフロ2シナリオ ガラス島を行く者 を視聴して
P:結局このシナリオに関しては終了後にプレイを始めたため、リアルタイムでプレイできなかったこともあり、Youtubeの動画で代えることにした。
後日談の根拠地が好印象であっただけに、プレイしたいという気持ちは強かったのだ。
評価としては85点。なんだ根拠地と評価が変わらないじゃないかと言う人もいるかもしれないが、これでも高く買っているほうである。
今作はおそらくグローバル版では最初の大型シナリオであり、指揮官率いるエルモ号ではなくウルリド率いる人形コミュニティが主体となっている。主な面子はウルリド、リッタラ、スオミ、ドゥシェーブヌイ、ロッタとなっていてゲームPVでもおなじみの顔ぶれである。
常々思うのだがスノウブレイクとは異なり、別のパーティの視点であっても物語を違和感なく展開できるのがドルフロ2のシナリオ面での強みであると感じる。
スノウブレイクの場合どうあっても主人公である分析員が絡まなければ物語は始まらないが、ドルフロ2は別の場所、別の時間、別のキャラクターであっても物語が成立する。なんなら主人公である指揮官が登場しない場合すらあるくらいだ。
これがむしろシナリオメイキングにおいての自由度をより高めているのではないかと思うのだ。
R:評価のポイントなるが、今作はしっかりとキャラクターの掘り下げができていることが大きい。他の記事でも幾度も記述したが、物語の主体はキャラクターにある。であるならば、キャラクターの思考や行動を綿密に描くことこそが、より良いシナリオにつながるのだと私は信じている。
以降は登場キャラクターたちについて記述していく。
コミュニティの代表として皆を率いる立場のウルリドは、投票で行動を決めることを初心としながらも、状況が刻一刻と混迷を極める中で、初志貫徹することが難しくなり、描写に相応の文字数が割り振られていることもあって彼女の葛藤がより引き立っている。
それを心配しながら補佐し、かつ選択が間違っていると思えば情を捨て心を鬼にして指摘する参謀役のリッタラも、本当にウルリドのことを案じているということが感じられる素晴らしい演技であった。とてもゲーム内最低Tierの性能のキャラクターとは言えない活躍を劇中では見せている。
スオミの描写は少ないものの、ドゥシェーブヌイを拾ってきたり指揮官に当てた手紙で状況を報告したりなど活躍の場は用意されていた。だが、彼女の本分はシナリオとは別にあるシミュレーションパートにおける圧倒的サポート性能を発揮することにある。一応エルモ号と一時的に合流した際のコミカルパートもあったが、正直シナリオ展開に中だるみがひどく、こちらはさほど私の興味を惹かなかった。
ロッタに関しては今作から名乗りを上げたように描写されており、地味ながらもいぶし銀な活躍を見せる、というよりは彼女が何らかの発端になることが多いように思えた。
で、肝心のドゥシェーブヌイだが、「我は、勇者なのだ」ショットをキメる以外はそれほどの活躍の場がなかったように思う。これはあえて次のシナリオである根拠地に持ち越したということなのだろう。今後のシナリオもピックアップされる新キャラには是非クオリティの高いシナリオをカップリングしてほしいものだ。
E:グローバル版初大型シナリオということもあって、文章量の多さに加えてフルボイスという金の掛け方である。ここまでの大盤振る舞いは正直日本のソシャゲメーカーには難しいレベルで、それぞれの声優さんの演技も堂に入ったものだった。
残念ながら、後発のシナリオはすべてフルボイスにすることが難しいらしく、ボイスなしのシナリオも多い。なんでも声優さんのスケジュールを押さえるのが大変なんだとか。
とはいえ現段階でここまでの文章量を誇るシナリオはメインシナリオを除いて同作に存在しないため、比較対象はあげないがグローバル版の初っ端を飾るには相応しいクオリティであったように思う。
P:今後もドルフロ2に限らず様々なソシャゲのシナリオを楽しんでいく所存である。単純に美少女が互いにキャッキャウフフしているのを眺めるだけでも楽しいが、物語を引き立てるのはやっぱりシリアスとコメディのバランスである。どちらかだけでも締まりが無い。それを制作陣が理解しているかどうかは何より重要である。
文章量は情熱の量。
今後も冗長にならずしっかりとした文章量のシナリオを読み込んでいきたいものである。