・スノブレの主人公【分析員】とドルフロ2の【指揮官】との対比の面白さ
P:これまた対照的な二人である。両タイトルともに中華製ソシャゲであり、多数の美少女キャラを擁するという共通点はあるものの、ジャンルとしてはTPSとSRPGという点で明確に異なる作品である。
今まで自分と中華製ソシャゲの相性がここまで良いとは思わず、なんだか昨年の6月以来ほぼ毎日プレイしている。星の翼のデイリー消化も、アクションゲームということもあってさほど苦にならない。
もしこれがゲームプレイの継続化を目的としたゲームデザインだとするならば、その巧妙さに舌を巻くレベルである。予算の規模感も含めて、日本のソシャゲは大御所以外は太刀打ちすらできないのではなかろうか、懸念が募る。
さて、本題に入ろう。
そんな中昨年からプレイを続けているスノブレとドルフロ2ともにストーリーを主眼に楽しんでいる私だが、同じ中華製ソシャゲでありながら両タイトルの主人公に思わぬ差が現れていることに気づいた。
それはスノブレの【分析員】とドルフロ2の【指揮官】の違いでもある。
R:ざっくり両者の説明をしておくが、分析員は戦力として登場する少女たち同様に彼も覚醒者というある意味常人を超越したスーパーマン(自身が戦う描写はほぼないが)であることに対して、ドルフロ2の主人公(選択できる性別は男女問わず)はPMCグリフィンでならした経験豊富な指揮官ではあるものの、身体能力は至って常人レベルである。
コーラップスストームが吹き荒れる中、活動することができるのは戦術人形だけなのでもちろん実際に本人が戦闘するわけではない。
身体能力のみならず、当然内面においても差異が現れるわけだが、ヴィランであるロザン=フワルナとの戦いでも敵の策略に苦戦しつつもタイムリープを使い先の先まで読み通し、いくつもの保険を用意周到に準備する聡明な分析員に対して、指揮官の方はどことなく野暮ったいというか当たって砕けろというかそこまで頭脳明晰というわけではない様子だった。
子ども、特に若年層の扱いに関しては相違が顕著で、分析員はイチェルを筆頭とした年少組に対しての扱いが巧みでそれゆえに慕われる理由もわかるが、指揮官の方はヘレナに対して子どもをあやすどころか如実に苦手意識を持っており、「静かにしろ」とか「検査を受けろ」など一方的な要求を突きつけるだけで感情に配慮したり相手目線での理解に欠けている様子も見受けられた。
それどころか、味方であるコルフェンの変調に気づかずピンチに陥ることもあるなど、劇中で言及されているほど特別優秀な存在に思えないような行動を取る場合もある。
これが前作ドルフロ1から10年という歳月の中で、彼もしくは彼女が子どもを持つ親であったなら話は変わってきたのだろうが、現実はなかなかうまくいかないものである。
同じ中華ソシャゲの主人公という大きな共通点がありながら、プレイヤーの求める理想の主人公像というものが両者あまりにもかけ離れているのがどうにも印象に残ってしまうのだ。
正直、似通った世界設定において、単なる能力値で差別化するのは難しいようにも思える。
E:ここまでいえば分析員より指揮官のほうが劣っているように見えるがそうではない。
私はドルフロ初代をプレイしたことがないのでわからないが、PMCで部下を率いる指揮官という責任ある立場が容易なものとは到底考えられないし、前作では相応の活躍があったと考えると、一概に指揮官側が無能と断定するには無理があるように思えるのだ。
現にダーチュアやセクスタンスを擁する謎の勢力との戦いにおいても、悪戦苦闘しながらもヘレナ奪還ややかつての仲間と接触して援助を求めるなどの対応し勝利を収めている。
加えて両者を支えるキャラクターの役割分担も大きな影響を与えている。
ドルフロ2では小隊長であるグローザによる補佐も見逃せない。彼女は隊を率いて現場に出る立場としては最高位であり、かつ指揮官が絶対の信頼を置く冷静沈着な参謀役で、グリフィン時代の任務に関連する事柄から暴走しがちな指揮官を見事に諌めるという描写がある。
これに対して分析員側はいわゆる参謀役のキャラにあたる役割に辰星がいるが、彼女が常時活躍するというよりは、各話ごとにピックアップされたキャラクターがアイデア出しや参謀役を担う事が多く、単純に毎話参謀役が活躍するという描写は少ない。
P:知らない人からすれば中華ソシャゲの主人公は皆同じに見えるかもしれない。しかし異なる外見や性格、属性が一律でアイコン化された仲間キャラ以上に、主人公の性質がまったく違うというのも視点を変えれば面白い発見だろう。
両作品は今後ともプレイしていく予定である。
繰り返すが、私はひとりのストーリーテラーとして、シナリオやストーリーの演出に重点を置くプレイの仕方をしているが、プレイを通じて自ずから勉強になる作品というのは稀有なものだと痛感している。