・ドルフロ2新シナリオ【失意の翼の中で】をプレイして
P:正直に申し上げて甚だ不満である。
非常に残念だが、シナリオ内容及び演出面で前回シナリオの狂想四重奏に明確に劣ると言わざるを得ない。
詳しく後述するが主だった理由は、
①第8章と銘打たれていない
②新規キャラクター ダイエンのPRになっていない
③他のシナリオはフルボイスなのに今作はそうなっていない
④シナリオ展開の時系列が錯綜しており、少々理解しづらい
以上4点に絞られる。
R:理由をひとつひとつ詳細に語っていこうと思う。
①︙まず今作を第8章と銘打ったらいかがだろうか。それでないと前作 狂想四重奏のように本編とは別個のシナリオであるように勘違いしてしまう。
はっきり第7章の続きであるということを明記しなければ、プレイする側からしても紛らわしいことこの上ない。外伝的な狂想四重奏を直前にやっているならばなおさらである。
②︙新規キャラクター ダイエンのPRになっていない
これは新シナリオで新規キャラクターを売るという形態において致命的とも言える欠点である。運営側においても売上に直結する問題であるという認識がされて当然であるが、残念ながらダイエンを魅力的に描ききれてはいないどころか、むしろ描写が足りず売る気がないのではないかと疑わしくなってくるレベルである。
記号や彫像よろしく、外見とヴォイスとアニメーションパターンさえあればユーザーが購入してくれると考えるのはいかにも愚かなことであり、シナリオによるキャラクターの掘り下げを無視、あるいは軽視することは消費者を舐めているとさえ言える。
③︙他のシナリオはフルボイスなのに今作はそうなっていない
これも②に直結する話になろう。
ダイエン以外のヴォイスがないのはまだわかるにしても、今回売るはずのメインの商品である彼女の声がシナリオパートに存在しないというのは、商品を売る側の意識からしても異常である。
まして7章までのメインシナリオがフルボイスであったことから考えても、違和感を感じざるを得ないがために、制作側の明らかな落ち度と言わざるを得ない。
④シナリオ展開の時系列が錯綜しており、少々理解しづらい。
これはダイエンたちの視点から今作の物語が始まることから、メインシナリオに登場するキャラクターたちとの関係性が明確ではないことが端緒となっている。プレイし続けていれば彼女が指揮官の元部下であることがわかるが、1をプレイしていない身からすれば少々困惑する。
キャラクター同士の関係性が明確ではないというのは良くない。物語上の伏線で必要な場合以外は明示されるべきで、この点から今作のシナリオライターは狂想四重奏を制作した人とは違うのではないかと思っている。
以上のことから今回のシナリオに関してはダメ出しをせざるを得ないと判断した。
E:狂想四重奏とはシナリオの形状という点についても比較したいのは山々だが、単発シナリオとは異なり連作短編の途上の話という点が異なるため純粋な比較は難しい。
しかしキリの良いところで終わらなかったことからシナリオのブツ切り感は否めないし、以降のシナリオのための興味を引くフックとしても終わり間際の描写はいささか不自然である。
今後もこのようなシナリオが生まれないことを期待したい。
P:初期人口流入期が経過したことで運営がサボることを覚え始めたのか、あるいはすでに一年先行している大陸版の内容がこうであったのかは定かではないが、良くない傾向であると感じている。
追記になるが、SRPG部分の敵キャラのレベル設定に関して雑なのはもう少しなんとかならないのだろうか。同じ中華ソシャゲであるスノブレはその点お上手で、シナリオごとに売りたいキャラクターが最強の状態で操作でき、お試しも兼ねたシナリオ運営という実に合理的な形態を取っているが、今作はどうにも整合性がない。
新規で入ったプレイヤーには敵レベルが高く、やり込んだプレイヤーには貧弱すぎて相手にならない。
難易度曲線的にまったく不合理なのである。それであればスノブレに習ってお試しキャラであるダイエンを最強の状態にして強制参加させてもらえるとPRにもなって良いと思うのだがいかがであろうか。
今後もドルフロ2は継続プレイする予定であるが、シナリオによって当たり外れがあるという事実は認識しておかねばならないのかもしれない。
追伸:後日第8章をプレイしたが、やはり今作は第7章と第8章との間の時系列であり、その中でも外伝的な話であることが判明した。
となると本作をプレイせずに第8章をプレイした場合であってもストーリー進行に問題はないはずだが、そうなると本作であったダイエンのことも第8章では一切語られず、影も形もなくなってしまうため、どこかモヤモヤしてしまう。
ストーリー進行上、ダイエンはいてもいなくてもどうでもよいということになってしまうのだ。
これならやはり狂想四重奏よろしく、完全お話自体をメインストーリーから切り離すべきだったと思われる。返す返すも残念である。