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・ドルフロ2の新シナリオ【根拠地】をプレイして
P:前回のシナリオ【失意の翼の中で】については別記事に掲載しているので、詳細を知りたい場合はそちらをご参照されたい。
今回は長らくの虚無期間明けで、物語スキーの私にとっては待望の新シナリオの実装になる。なんなら今作はゲームの方も面白いが、言うて所詮は数字積み上げゲーなので時間をかけていればいずれ最強の状態になることはできる。
「数字あそびはいい、そんなことよりシナリオだ」という気分でこの記事を書いている。
今回のシナリオ名が【根拠地】とあって、なんだかエルモ号の話になりそうかなと思いきや以前のシナリオ【ガラス島を行く者】の続編に当たる時系列らしい。
なんと今回の主人公は勇者になりたい系人形のドゥシェーブヌイことヌイちゃんである。キャラクターPVを見た方はご存知だろうが、どこかこのすばの【めぐみん】臭がする子である。
果たしてこの子がいったいどのような冒険をしていくのか。
R:私は前日譚である【ガラス島を行く者】が未プレイであるため、あくまで登場人物の人間関係などは私の想像上のものであることにご留意いただきたい。
前回の戦いの後に発電所を仮拠点としたウルリドこと首領殿一行。彼女らに出会い、惹かれ仲間になりたいと思うドゥシェーブヌイだったが、記憶を失っていることがコンプレックスとなりなかなか言い出すことができない。そこで手始めに願望機計画……と名前はいっぱしだが、要は世話になった恩返しのため仲間の願いを叶えるために奮闘するというお話。
以前のシナリオである狂騒四重奏同様に、王道的なシナリオメイキングがなされており、主人公のドゥシェーブヌイが不器用ながらも純粋な気持ちで仲間の助けになろうとしている姿に感動する。
そしてシナリオラスボスを倒して晴れて認められ仲間入りするというお話になっている。
正直前回のダイエンにまつわるシナリオの完成度が低いと思えただけに、今回のシナリオにも一抹の不安がつきまとっていたが、蓋を開けてみれば安定の質で安心した次第である。
E:今回のシナリオはしっかりとタイアップして売られているドゥシェーブヌイの掘り下げになっており、前シナリオであるガラス島を行く者をプレイしていればより感情移入しやすいと思われる。
彼女なりの不器用ながらも純真な心持ちが行動の端々にしっかりと描かれており、決して仲間を見捨てずに助けるという彼女の決意が感じられるものになっている。
これが前作【失意の翼の中で】で出来なかったことが悔やまれてならない。
もちろん人形の性格としての完成度がダイエンとドゥシェーブヌイで異なることは一目瞭然だが、それゆえに未完成であり未熟でもあるドゥシェーブヌイが主人公であるシナリオは、その成長がより引き立ちやすい作りになることは納得である。
P:評点をつけるとすれば85点。
ここまで褒めてきてなんだが、それでこの点数なのかと疑問に思われることだろう。
しかしあくまで前作【失意の翼の中で】のシナリオに比較すれば良好であるという話で、私からすればソシャゲのシナリオに対してつける点数にさほどの大差はない。
大切なのは一個のシナリオとして本来の合理的目的を達成できるようにデザインされ、かつ完成されているかどうかにかかっているのだ。
その点、返す返すも今作はドゥシェーブヌイというキャラクターの掘り下げ、つまり彼女の魅力を読者に余すことなく伝えることが出来ているということが評価されているのである。
しかしシナリオとは別にインゲーム的にマキアートを所持していない自分からすれば、今回ドゥシェーブヌイは残念ながらスルーである。いずれマキアートが復刻された時に【石】の都合がつけば引くことになるかも知れないが、残念ながら今回は縁がなかったということでFinal Answer。