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FGO考察 その5 擬似サーヴァントは何故召喚出来るのか?

例によってネタバレ注意。
特に本編は二部六章、イベントはまほよイベントとひびちかイベントとスカサハ体験クエストの言及があるのでご注意下さい。

最初期から存在感を放つ擬似サーヴァント

擬似サーヴァントとは、人間に英霊を憑依させたサーヴァントである。
FGOの中で最も目立つ擬似サーヴァントは、最初期から実装されているロードエルメロイ二世でしょう。
他にも遠坂凛や間桐桜、イリヤ等々Fate本編やそれ以外の型月キャラの擬似サーヴァントが続々登場しています。
しかし、実は擬似サーヴァントが何故擬似サーヴァントとして召喚出来るのかはイマイチはっきりしていない。
ファンサービスかと思えば、一部終盤まで二世の他に擬似サーヴァントを実装しないなどそれファンサービスか?としか思えないムーブしかしてません。
そんな怪しい擬似サーヴァント周りの謎について考察してみたいと思います。

お前が一番の謎の塊じゃい

前提1:触媒は英霊召喚の要

その前にまず、英霊召喚において重要な触媒について確認しましょう。
『そんなの知ってるぜ』という人は飛ばしてください。
FGOでは最初の方でチョロっと説明されたっきりで記憶に残らないでしょうが、触媒は英霊召喚において重要である。
例えるなら召喚する英霊の種類を指定できるチケットのようなものか。
アルゴー船の欠片ならアルゴナウタイ限定チケットのような扱いになるため、Fate全体では触媒を巡って暗闘が繰り広げれる事も。
FGOではマシュの盾が英霊召喚の触媒に使われているが、人理焼却で人理が不安定になった結果、スゴイ事になった。
なんと出会った英霊全ての触媒になるという。
まあ普通はそんな大量に英霊と縁を結ぶはずがないのでとりあえずFGOでは出会いそのものが触媒になると思ってください。

前提2:英霊とは死者である

そしてもう一つこの考察に欠かせない要素。
それは英霊は皆、死者である事。
中には不老不死の英霊も居るが死んだふりして召喚されてるなど、死んだ事で英霊の座に至らなければそもそも召喚できないのだ。

人理焼却/人理漂白では英霊の座に至れない

その前提でいくと擬似サーヴァントが召喚できる最も有力な仮説は、彼らが人理焼却で亡くなった事で英霊の座に至った可能性。
だが、自分は正直に言ってその説は怪しいと考えている。
と言うのもスカサハ体験クエストで描写されたが、人理焼却は単純に死ぬだけでなく死そのものさえも焼却したという。
そのせいで死者が死に切れずに主人公の廃棄孔の中に積もり積もった状態になっていた。
それが何を意味するかと言えば単純な話、死ななければ英霊にはなれない。
つまり人理焼却による死では死に切れないという事は、彼らが英霊になれるはずがないのだ。

わざと誤解させようとしているが単純に「人理焼却では英霊になれないよ」と言っている

人理漂白でも同様の事。
同時に起こしてわざとややこしくしているが、人理の不安定化と擬似サーヴァントが召喚出来る事は無関係だと自分は考えている。

触媒の世界線も含めて触媒として作用する

なら擬似サーヴァント達は並行世界の記憶があるのだから並行世界から召喚した、と思うだろうが実は未来や並行世界の英霊を呼ぶのは難しいと明言されてる。
その理由は描写されてないが、触媒の世界線も含めて触媒として作用するからだと自分は考えている。

異聞帯の王や妖精騎士やアルトリア・キャスターが召喚出来たのは彼らは汎人類史の要素が入り混じったエミヤのペンダントと同じ例。
最初にマシュの盾は出会った英霊全ての触媒になると言ったな。アレは嘘だ。
実際には盾もまた汎人類史の触媒であるため異聞帯の英雄の触媒にはならず、異聞帯ブリテンで出会った生きてる英雄の中ではパーシヴァルだけは汎人類史の英霊が召喚されたのだろう。

その証拠に、クリプター達は異聞帯でさえ異聞帯の英霊を召喚せずに汎人類史の英霊を召喚している。
これはおそらく異聞帯の英霊を召喚したくても出来なかったからだろう。
特に芥雛子は例え異聞帯の項羽であろうと召喚するだろうに出来なかったのは、彼女が汎人類史に属するために異聞帯の項羽とは縁が遠すぎたからではないか。
カルデア式英霊召喚システムの問題ではないのは、異聞帯ブリテンの妖精達の正体がモルガンが盗用したカルデア式英霊召喚システムで召喚されたサーヴァントである事から明らかである。

項羽は魂は汎人類史だが肉体は異聞帯といったバグ染みた召喚をされている。
理由は肉体は汎人類史と分岐する前から存在したから汎人類史の可能性の一つとして呼び出せたが、会稽零式という魂は異聞帯にしか可能性が無く縁が遠過ぎて代わりに汎人類史の魂が呼び出されたのだろうか。

とすると擬似サーヴァント達、特に二世はどうして召喚されたのだろう。
第六次の記憶まである未来にして並行世界の英霊であり、特にFGO世界線と縁のある触媒を持ち合わせてないにも関わらず、最初から召喚出来る初期実装鯖だ。
※2024/12/16 レイシフト以前にカルデアスは真っ赤でした
しかも人理焼却がカルデアスが真っ赤に染まった時に起きたのなら、その前に爆心地に召喚サークルを設置した時点で彼を召喚出来るのは何故なのか。

因みにこの法則はサーヴァント以外の触媒限定の話であり、並行世界のサーヴァントと直接出会った場合には並行世界の英霊を直接呼び出せる。
サーヴァントの場合はもうその世界線の存在じゃないからだろうか。

全てをひっくり返す大番狂せの存在

そう今までの前提をちゃぶ台返しされない限り、擬似サーヴァントなんて召喚する事自体が本来不可能なのだ。
しかし、そんな擬似サーヴァントの謎を解く鍵は突然に現れた。
静希草十郎
現代の英霊で唯一、英霊の座に至った経緯が描かれたキャラクターである。

まだ聞きたいことがたくさんあるから帰らないで

掻い摘んで説明すると、隈乃温泉に古くから住む怪異が有朱のマジックアイテム、シャイニースターを盗んで自身と融合したのが最初だった。
そしてただ一つの願い以外の願いを破棄する怪物として起動し特異点を形成するが、青子が立ちはだかる。
しかし願いを破棄する性質そのものに苦戦を強いられ、ピンチの青子は特異点を無かった事にしようとするが実行する時間が無かった。
そこへ静希草十郎がシャイニースターへ特攻。
そのまま草十郎は死ぬがシャイニースターにほんの僅かな隙を作り、それにより青子の特異点消滅が成功する。
その功績でもって、静希草十郎は英霊の座に至った。

自社コラボだからとんでもねえ伏線仕込みやがる

以上が静希草十郎が英霊になった経緯である。
一見すると擬似サーヴァントとは違うように思えるが、特に何かと融合していない「式」や浅上が自身を擬似サーヴァントと称した事から彼もまた擬似サーヴァントの一人だと仮定すると擬似サーヴァントの正体が絞られてくる。

擬似サーヴァント達は特異点で亡くなった

擬似サーヴァント達は口を揃えて死の記憶が無いという。
しかし草十郎のケースからある仮説が立てられる。
特異点内で死亡し英霊となった場合、本来の世界線の記憶が優先されて特異点での死の記憶が失われてしまうのでは無いか。

二世もひびちかも死の記憶が全く無いという

だが死の記憶が無いだけで特異点で亡くなったと仮定するのは早計だろう。
そこで擬似サーヴァントのイシュタルとエレシュキガルに注目したい。
彼女達は本来はもっと残酷で冷酷な女神だったが、器となった遠坂凛の善性によって中和されている。
そして、その善性を遠坂凛が得るには早期に父親を亡くす経験が不可欠な以上、彼女はSN世界線よりの存在である。
では問題。
SNの第五次聖杯戦争で遠坂凛は触媒もなく英霊召喚したが、それで呼ばれた英霊は謎の赤い弓兵か擬似サーヴァントのイシュタルかエレシュキガルのうち誰だったか。
答えは謎の赤い弓兵だが、そうするとどこか矛盾が生じてるのを感じないだろうか。

後付けならエミヤのペンダントなんて例外作るのだろうか。
自分自身よりも人に渡したペンダントの方が縁が近いのも変な話である。

英霊の座には時間の概念が無いなら、自分自身を触媒にして自分自身を召喚出来てもいいはずである。実際、他シリーズ作品では自分自身を召喚したケースはある。
しかし、主人公やクリプター達に異なる世界線である異聞帯の英霊の召喚を許さなかったように、神霊に憑依された同じ世界線の自分自身の召喚も許さなかった。
これは結論から言うと、後者は同じ世界線の人間じゃなかったというオチだろう。
元々の世界線は一緒でも特異点化前の編纂事象と後の異聞帯とで別々の世界線として扱われ、特異点化後の異聞帯で英霊になった者は特異点化前の編纂事象では召喚出来ないという至極当たり前の事だった。

即ち、擬似サーヴァント達は特異点で亡くなって英霊の座に至った。
だから彼らは死の記憶が無いし、編纂事象では召喚できないのだ。

擬似サーヴァント達は何故召喚出来るのか

じゃあなんで特異点で亡くなった英霊を召喚出来ているのか。
それもまた静希草十郎のケースと照らし合わせれば分かる。
隈乃温泉の二千一年の特異点はバゼットの調査資料から分かる通り千九百九十九年の特異点が消された事で生じた異聞帯の上にあった。
さらにその世界線を実際に過ごした有朱が召喚の場にいた事で触媒となり、サーヴァント静希草十郎の召喚に成功したってのが事の真相だろう。
即ちその世界線の触媒があれば異聞帯の英霊でも例外なく英霊召喚出来るのだ。

イベントやる気にならなくてスルーしていました。

長々と語ったが、そろそろ答え合わせにしましょう。
何が触媒になって擬似サーヴァントを英霊召喚出来たのか。
何で二世は直接会う前から英霊召喚出来たのか。
どうして冬木市に縁のある人物ばかり擬似サーヴァントになったのか。

その答えはただ一つ。
FGO世界線が擬似サーヴァント達が亡くなって英霊になった特異点から成長した異聞帯だったから、その世界線を生きた主人公やマシュ・キリエライト自身が触媒となって擬似サーヴァント達を召喚出来たのだ。

しかしそれでは説明し切れない部分もある

それが何かといえば、単純にFGO世界線がSN世界線の特異点から分岐し成長した異聞帯ではないという事。
もしそうなら聖杯戦争の開催数が違うはずがないので、FGO世界線でSN世界線の特異点の擬似サーヴァントが何故か召喚出来る不可解な状態なのだ。
そしてサーヴァント草十郎の死の記憶が無いのは死んだ際の逸話を青子に消されたからでは無いかという事。
それに関してはサーヴァント宮本伊織の死の記憶が無いのと一緒だから、では説得力が無いので保留中です。
まとめると。

  1. 人理焼却では英霊にはなれない。

  2. 特異点で亡くなった人物は英霊になれる。

  3. 世界線そのものも触媒になる。
    そのせいで並行世界の英霊を召喚するのが難しい

  4. 擬似サーヴァント達はSN世界線の特異点から成長した異聞帯の英霊である。

以上が自分の推理です。

後書き

本当は特異点Fに空想樹があった事を証明したかったが、現状の情報だとFGO世界線が異聞帯だった事までしか考察できなくてちょっと悔しいですね。
自社コラボにFGOの核心に迫る伏線が多いので次の水着イベントは見逃さないのようにしたい。