いきなり考察シリーズ その3 FGO 特異点に特異点が重なったらどうなる?知らんのか、特異点が人理に組み込まれる
例によってFGOのネタバレ注意。
特に一部六章、七章、二部六章、『魔法使いの夜アフターナイト/隈乃温泉殺人事件〜駒鳥は見た。魔法使いは二度死ぬ〜』を中心にネタバレ満載です。
まほよイベントに隠された謎
最新のイベント、『魔法使いの夜アフターナイト/隈乃温泉殺人事件〜駒鳥は見た。魔法使いは二度死ぬ〜』の特異点は青子が1999年の特異点を先送りにした結果、2001年に特異点が発生してしまったのが原因だった。
それはそれで異常な特異点だが、なんと1999年の特異点で静希草十郎が亡くなっていた事が判明。
すると1999年の特異点を解決せずに2001年の特異点を解決した場合、1999年に彼が亡くなる事が確定してしまうという。
どういうことと思う新参マスターも多いでしょうから説明すると。
特異点の解決、即ち人理の修復の旅路は何の痕跡も残らない、自分で自分の痕跡を消していく旅路である。
訳ではないのです。
竹箒日記による補足と一部七章にて賢王ギルガメッシュが語った事によると特異点内で起きた出来事は特異点が解決した際に、抑止力が人理に影響が出ないように解釈を変えて人理に組み込まれるとのこと。
具体的には特異点内で人を救えば特異点解決後はその人の余命が少し伸びるとか。
しかし、逆に特異点内で本来の歴史よりも早く亡くなった場合は特異点解決後には寿命が短くなってしまいます。
草十郎が1999年で亡くなってしまう可能性が生じたのはそれが原因でした。
だが、それではまほよイベントで起きた出来事に説明出来ない部分があると思いませんか?
序盤の事で忘れがちですが、2001年の特異点には生きてる大人の静希草十郎が居ました。
そう、賢王ギルガメッシュの言葉が正しいならば2001年の特異点を解決すると2001年まで静希草十郎が生きてる結果が組み込まれるはず。
しかし青子は1999年に彼が亡くなる結果が優先されるという。
このパラドックスはどういう事なのだろうか。
その答えは『2001年の特異点が「1999年の特異点が消失し草十郎が生きながらえた」異聞帯上にあるために、特異点を解決してしまうと1999年の特異点の出来事だけが人理に組み込まれてしまうから』と自分は考えてます。
歴史判別ガバガバな抑止力君
抑止力は特異点が解決した時、崩壊した人理を修復しようとします。
所謂歴史の修正力という概念です。
しかし、特異点を修復する際に元に戻すべき人理に別の特異点、より正確には依存関係のある特異点が混ざっていた場合、抑止力はその特異点を人理に組み込んでしまうのです。
そんなバカな、とお思いでしょうが実はメインストーリーで二度、人理に特異点が組み込まれそうになったケースがありました。
分かり易い方は二部六章、異聞帯ブリテン。
異聞帯を支える空想樹が既に失われ、更に代行していたモルガンも倒れたのにも関わらず異聞帯は消滅しない。
それどころか厄災がブリテンを飛び出して汎人類史に振り撒かれようとしていました。
これはまほよイベントと実は同じ構造になっていたのです。
主人公が訪れた暦である女王歴は特異点であり、異聞帯に発生した特異点を我々は見ていたのでした。
そして異聞帯ブリテンの真の原因である『聖剣が鍛造されなかった』微小特異点を見逃していたために、モルガンを倒した事で女王歴の解決と同時に『聖剣の鍛造されなかった』微小特異点が汎人類史に組み込まれてしまった。
だから空想樹もモルガンも倒れたのにも関わらず異聞帯ブリテンは消滅しなかったのです。
異聞帯ブリテンを支える要となったのは空想樹でもモルガンでもなく、『聖剣の鍛造されなかった』微小特異点を共有する汎人類史そのものだったのでしたから。
二つ目は一部六章、特異点キャメロット。
最初は聖杯が原因の特異点でしたが、獅子王の介入により特異点は変質しました。
聖杯を回収しても特異点は解決せず、獅子王を倒さないと終わらないという。
これは獅子王が聖杯とは異なる特異点の原因かつ特異点に誘われてやって来たからであり、このまま聖杯を回収すると抑止力が特異点を解決したと勘違いして人理修復してしまうのです。
すると獅子王の特異点が人理に組み込まれ、獅子王の特異点を人理定礎とする異聞帯が誕生する恐れがあったのでした。
そして逆説的に、依存関係が無ければ同じ場所同じ時間に特異点が二つ三つあってもどれも人理に組み込まれることはありません。
アクセルゼロオーダーなんか明確です。
特異点F及びXと同じ冬木の十年前に生じた特異点を解決しても特異点が組み込まれる事はありませんでした。
三つの聖杯があったトラオムも同様です。
結論:特異点F及びXのうちどちらかは既に人理に組み込まれた
特異点に特異点を重ね、片方を解決するともう片方が人理に組み込まれる法則があるのはお分かり頂けただろうか。
では冬木の特異点が組み込まれた証拠はあるだろうか。
組み込まれた証拠はどこにもないが、特異点が二重になっている証拠はある。
その名称。
冬木の特異点はメインストーリーでも時々FやXと表記ゆれをしています。
当時は誰もがきのこしっかりしろとか口々に囁いていました。
しかし、二部六章にて初めて作中でFやXとブレていた事が言及された。
決してメタな理由で表記ゆれしていたのではなく、表記ゆれが演出だった可能性が浮上したのです。
そして特異点F及びXのうちどちらかを解決した以上、上記の法則により残った方が人理に組み込まれ、それがFGO世界線となったのではないだろうか。
即ち、FGO世界線は編纂事象に見せかけた剪定事象であり、2004年から先の未来は最初からなかったのでしょう。
最後はきっと主人公自らの手でFGO世界線を剪定しなければならないはず。
そしてそれはカルデアの人々との別れ、ダヴィンチちゃんとの別れ、そして何よりマシュ・キリエライトとの別れに他なりません。
寂しいですが、帰るべき日常とカルデアでの旅路という非日常が共存する事は不可能なのでしょう。
しかし、ここで忘れていけないのは歴史の修正力。
遙かな確率でしょうが主人公とマシュ・キリエライトが日常で出会える日が来ると信じて。