圧力について
前回の記事で書いた圧力の話を、もう少し細かくまとめたいと思います。
↓前回のリンク
二つの圧力
前回は、「圧力の掛かり方の違い」という事でまとめていました。
今回は、圧力を作る時に、二つの圧力がある事をまとめていきたいと思います。
いろんな方の抽出動画を見ていると、二つの圧力をきちんと活かしているのか、というのがすぐにわかります。
「エスプレッソ」というものの作り方でも、様々な考えの下、作られているので、あくまで、抽出の参考の一つとしてください。僕がROKPRESSOを使ってきて、感じた事を綴ります。
レバーをおろす時に作る圧力には、2つあります。
外圧と内圧
外圧は、レバーを押す時に作る力
内圧は、バスケット内で圧縮される力
ちょっと絵にしてみたので、こちらを
1と2の違いはというと
1は、内圧が作れずに外圧だけで抽出している場合
「外圧>内圧」
2は、外圧をコントロールして内圧をきちんと作り、抽出している場合
「外圧=内圧」
まずは、「1」の話をしていきます。
1の場合、
レバーを上げると水が落ちていきます。
ポイントとなるのは「レバーを下ろすまでの時間」、そのままにして「蒸らし」を長くしてしまうと、「体積」を増やしてしまいます。
体積を増やしてしまうと、水が通る隙間を大きくしてしまい、レバーで押す力「外圧」が流れやすくなります。
膨らんだスポンジを、元のサイズに戻していく動作に似ていると思います。染み出た成分を抜き取るようなイメージで、これはエアロプレスやフレンチプレスのような抽出と重なり、エスプレッソとは印象が変わってしまいます。
「外圧が流れやすい」=「内圧が作れない」
抽出動画を見ていて、1の状態のショットが多いと感じています。
内圧が作れていないと、「乳化」が不十分になり、エキスが未抽出になってしまいます。
特徴としては、クレマが粗く、すっきりした味わい、抽出時間が短い、になりやすいです。
2の場合、
レバーを上げ、水が落ちるのと同時に外圧も込めていきます。
すると、 膨らみきれない粉は抑え込められ、バスケット内の圧力「内圧」が溜まっていきます。
スポンジを握るけど、水の出所がなく、手の中でパンパンになる状態をイメージするといいのかなと思います。(少しわかりずらい?笑)
内圧が上昇=きちんと乳化する
乳化する事で、フレーバーがクレマに溶け込み、アロマがきちんと抽出できるようになります。
シロップのような質感が出てきたら、いい感じです。
そこから、味の調節をタンピングや粉の量、挽き目などでしていくと、エスプレッソがいい感じに変化していきます。
内圧が掛かると何が変わるのか
ここで、内圧がしっかり掛かるとどこに変化があるのかをまとめていきたいと思います。
1、レバーが自然と落ちていく感覚がある
これは、外圧と内圧が均衡し、抽出していく中で、内圧が下がっていきます。この時に、内圧を下げないように、一緒に外圧もしっかりと掛けていき、バランスを保ちながら抽出を見ていくようになります。すると、レバーから「圧が抜けていく」感覚を感じるようになります。
2、外圧と内圧の均衡状態から2〜3秒後に一滴目が垂れてくる
粉が細かければ、レバーを下げた時、圧力が上がったところで数秒詰まったところで、濃ゆい茶色の液体が滲みでてくるはずです。
この少しの「間」が大事。
僕が内圧をかける上で大事にしているポイントです。
これができる抽出ポイントをいつも探しながらエスプレッソを作っています。
よく、「クレマの作り方」「圧力の掛け方」などの質問をいただきますが、正直、動画や画像、文字だけでは伝わりづらいなと思っています。なので、「飲んで美味しい」抽出を自分のものとして、参考にしていってください。
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ROKPRESSO MAGAZINE 2nd stage.
手動エスプレッソマシン「ROKPRESSO」から「ESPRESSO」を作るときに考えている事を文字にしています。 30mlの液体から生ま…
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